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小太郎

小太郎 子役?デビュー

作者: eiji

毎週 全国から選ばれた幼稚園の園児達が出演するテレビ番組がある


「俺も これ出たいなぁ」



(あきら)ちゃん 昨日観た?『母ちゃんといっしょ!』」

「観たよ 出たいよね」

「晶ちゃんも出たいか!」


「おはようございま〜す 今日はみなさんにスゴイお知らせがあります!みなさんのクラスがなんと!…」

「『母ちゃんといっしょ!』か?」

「……そうです…」

みんなを喜ばせようとする先生の気持ちを考えろ 小太郎…

「ヤッター!」


こうして 小太郎達の ひまわり組 がテレビ出演をする事になった


「母ちゃん!俺 テレビに出るぞ!」

「小太郎 おかえり なんのテレビ?」

「『母ちゃんといっしょ!』だ!」

「えぇ〜!美容院行って来ないと…」

『母ちゃんといっしょ』…その名の通り 親子で出るのだ


親子といっても テレビに映るのは 子供達がメインで 親は ほぼ 付き添いの形で 映る事はほとんどない


何人の園児の母ちゃんが美容院に行ったのだろう…



「今日は よろしくお願いします」

先生が付き添いの母ちゃん達に頭を下げていた

園児は全員 園服

先生は 幼稚園でつけてるエプロン姿

一方 母ちゃん達は…どこかでパーティーでも?


バスの中は 母ちゃん達の香水が充満する…

「なんか臭ぇぞ!」

バス酔い?する園児数名…


なんとか 無事 テレビ局に着く


テレビ局の入り口では 係の人が待っていた

「本日はよろしくお願いします」

「みなさ〜ん いっぱい楽しんで行ってくださいね〜」

「は〜い」


スタジオへの廊下を歩いて行くと

「ねぇねぇ!あの人ほら!」

母ちゃん連中が盛り上がる

某アイドルグループが前からやってくる


「キャー!握手してください!」

母ちゃん達が 茶色い声 をあげる

ドン引きする子供達…


「すいませ〜ん!お静かにお願いしま〜す!」

注意される母ちゃん達…

「みなさ〜ん!お母さんと手を繋いで行動してくださ〜い!」

どっちが保護者かわからない状態…


今度は 前からマスコットキャラクターが

「あっ!」

近づこうとする子供達

「静かにしなさい!」

ついさっき 注意された 理不尽 な保護者が注意する…


やっとの事でスタジオ入り


「今日は よろしくお願いします」

「あっ!歌のお姉さん!」

「あっちには 体操のお兄さんも!」


「それでは 軽くリハーサルをしますね」

「リハーサルって何だ?」

「リハーサルは…練習!そう練習です」


「いいですか!本番ではカメラが4台あります カメラの上のランプが点灯しているのがみなさんを映しているカメラです 意識はしないで自然体でお願いしますね」

「自然体ってなんだ?」

「自然体とは…普通!そう 普通にしててください」

「普通にしてればいいんだな!」

「そうです いつもと変わらず 普通に…」

小太郎の 普通 を知らないスタッフ…


『母ちゃんといっしょ!』は生放送

ありのままの子供達の姿が茶の間に流れる…


一通りの説明が終わる

「何かわからない事ありますか?」

珍しく小太郎が手を挙げる

「何がわからないのかなぁ〜?」

「みんな初めてだから 何がわからないのかわからないぞ!」

「……はい!それでは説明を終わります」


歌のお姉さん 体操のお兄さんが小太郎達のところにきた

「みんな 今日はよろしくね!」

「任せろ!」

「おっ!元気がいいなぁ お名前は?」

「俺は小太郎だ!こっちが晶ちゃんだ!」

「小太郎くんか!よろしくね」

「歌のお姉さん!太郎ちゃんでいいぞ!」

歌のお姉さんのファンの小太郎

「太郎ちゃん よろしく!」

体操のお兄さんが言う

「俺は小太郎だ!」

体操のお兄さんには厳しい小太郎…

「体操のお兄さん よろしくお願いします」

「晶ちゃんだっけ?よろしくね」

晶ちゃんは 体操のお兄さんのファンだった…


いよいよ本番

「3,2 ,…!」

「さぁ 今日も始まりました 『母ちゃんといっしょ!』今日のお友達は…太郎ちゃん…太郎ちゃん…」

小太郎が歌のお姉さんの前にフレームイン

「今日は元気なお友達が来ていますよ〜!僕 お名前は?」

小太郎が名前を聞かれる

「歌のお姉さん!さっき教えただろ!忘れたのか?俺は小太郎だ!」

「そ…そうだったね…お姉さん忘れちゃった」

キョロキョロする小太郎

上が赤く点灯するカメラを探しているのだ

至って 自然体 の小太郎


「それではみなさ〜〜ん!一緒に歌いましょう!この歌知ってる人!」

「はい!」「はい!」「はい!」

「は〜い!音楽スタート!」

音楽が鳴る

小太郎はキョロキョロしている…常にカメラ目線…

他の子供達は一生懸命踊りながら歌っている


キョロキョロで疲れた小太郎 座り込む…

自然体の小太郎


「は〜〜い!CMの後は 体操のお兄さんと一緒にマット運動しますよ!」

「は〜〜い!」


CM中


「では CM明けにマット運動するけど…苦手な子いるかな?」

数名が手を挙げる

体操のお兄さんが手を挙げた子供の顔を覚える

出来ない子には あてないようにする為だ


「CM明けま〜す!」


「はい!それでは今日は お友達とマット運動をしていきます」


「お兄さんがお手本を見せるから見ててねぇ」

お兄さんが 前回りをしてポーズをとる

「わぁ!上手!」

晶ちゃんが憧れの眼差しで体操のお兄さんを見ている

それに 気付く小太郎


「じゃあ 出来る人!」

「俺!」

小太郎が手を挙げる

「じゃあ 小太郎くん やってみよう!」

キョロキョロして赤いランプのカメラを見つけてからマットに走り出す小太郎

マット上で前回りを3連続でやる小太郎

赤いランプの方を見てポーズをキメる

「おぉ〜!」

会場全体がどよめく

体操のお兄さんの顔色がちょっと変わる

「じゃあ 今度はこれ!」

お兄さん台本にない事をする


『他の子にもやらせて』


カンペが出る

無視する 体操のお兄さん

「これは出来るかな?」

体操のお兄さんが側転をする

「とんぼ返りだな!簡単だぞ!」

またもやキョロキョロしてカメラを見つけてから始める小太郎

マット上で とんぼ返りを3連続でする小太郎

カメラの方を向きポーズ

「じゃあ…じゃあ 次はこれだ!」

5歳児に熱くなる 子供達の憧れのお兄さん

小太郎 VS 体操のお兄さん


体操のお兄さんが側転からのバク転を披露する

「これ出来る?」

「俺まだ5歳だぞ!出来るわけないぞ!」

「……そうだよね………」

体操のお兄さん 我にかえる…

晶ちゃんもひいていた…


「…はい!それでは…」

歌のお姉さんも疲れ気味…

「今日の『お母さんありがとう』のコーナー!」

焦る小太郎達の先生

「忘れてた…誰にするか決めないといけなかったんだ…」


「今日 お母さんにありがとうって言うのは誰かなぁ?」

「俺達みんなで言うんだぞ!」

「みんなで?」

「そうだ!みんなで言うんだ!毎回観てるけど 1人しか言えないのはおかしいぞ!みんなが母ちゃんにありがとう言いたいのに 1人しか言えないのはおかしいぞ!」

『時間がないから みんなに言わせて』

カンペが出る

「じゃあ 今日はみんなでお母さんにありがとうを言いましょうね〜」


「みんなのお母さんこちらへどうぞ〜!」

この日の為に目一杯おめかしした母ちゃん達入場


「それでは お母さんにみんなで一緒にありがとうを言ってください!せ〜の!」

「母ちゃん…」「お母さん…」「ママ…」

もちろん みんなバラバラ…

「ありがとう!」

最後だけ合う



「本日はありがとうございました」

「面白かったぞ!また呼んで!」


帰りのバスの中

「太郎ちゃんありがとね」

「何がだ?先生」



「母ちゃん!ビデオ観よう!」

『母ちゃんといっしょ!』は生放送

録画していたのだ


「おっ!俺だ!」

小太郎 キョロキョロからのカメラ目線…


「晶ちゃんおはよ!観た?」

「太郎ちゃんおはよ!観たよ 太郎ちゃんいっぱい映ってたね」

そりゃそうだ…体操のお兄さんのおかげで…



調査の結果

その日の 視聴率調査はドラマ バラエティ番組を抑え

『母ちゃんといっしょ!』が一位となった…


もう一つ

『お母さんにありがとう』のコーナーは

『みんなで お母さんにありがとう』に変更になった

バラバラ感が 子供らしいと 視聴者から反響があったのだった









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