ナディア探検隊
僕の部屋のベッドの隣の大きめのゴミ箱。これの蓋を開けてゴミを入れる為の袋をどかす。するとそこに僕1人がピッタリ通れるくらいの穴が現れる。
何度か穴を広げたからちょっと床が…まあそんな事は気にしない気にしない。気にしたら負け!
「よいしょっと。」中から蓋を閉めて…これでOK8年間くらいバレてない秘密の通路だよ!
さて、今日は誰が森に居るかな?ダー君かな。イサちゃんかな?ゴームかもしれないな…ふふ。楽しみ〜
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(おや、ゴソゴソと音が…お嬢様がまた外に遊びにいかれたのでしょうか…2時間ほど経ってから迎えに行きますか…)
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「おーい。誰か居ないの〜?ナディアだよ〜」
この森も狭いという訳ではないから、友達を探すのも一苦労なんだよね…
誰も居ないのかなぁ…もう少し奥に行かないとダメかな…
なんて考えながら歩いていると
ガサガサガサッ!
お?なんか物音がするね。誰かな?知ってる子だといいな…まぁこの森に居るのは大体知ってるけどね。
でもたまに知らない子居るんだよね。前ダー君かと思って近づいたらバジリスクだった時にはびっくりしたよ。威嚇されちゃったよ。シャーッ!って言われたよシャーッ!って…
まぁ今ではいい友達だけどね。前脱皮した皮くれたし。
おっと。今は目の前のガサガサいってるのに集中しよう。
「さぁ…オープンザプライスッ!」
周りの草を一気に払いのける…と。
ドスン!
「…ぐはっ!」
お腹に鈍い衝撃が響く。この感じは…
「がうっ♪」
「やっぱりダー君かぁ…」
最近ダー君のスキンシップが激しくなってきてるんだよね…
「ねー。痛いからもう少しソフトなスキンシップが…ってちょっとちょっと!服の中に潜り込まないでよぉ!ちょ…こら!くすぐったいから!」
ぐすん。言葉通じないから何言っても無駄なんだよなぁ…
「がうっ。がうがう。」
「がう?…がう…がう。」
お。服から出てってくれた。今の声は…
「ごめんなさい。だそうですよ?」
「おお、イサちゃん!気にしてないって言っといて!」
この子はイサちゃん。フルネームはイサ=ラストワン。イサの種族の最後の生き残りなんだって。この森の中で唯一人語を話せる子で…
セミロングの青い髪に透き通る緑の目。そんでもってスレンダーだけど柔らかい感じの体。正直可愛い。
しかも多種類の魔物の言語まで解る、話せるというチート具合。よく通訳になってもらったりもしてる。
「ゴガギググ…」
「やあゴーム。元気?」
「ゴガギギ?」
「ゴゴゴガガ」
「がうっ!」
「元気だそうです。」
「それはよかった。ねーねー何して遊ぶ〜?」
あ、紹介してなかった。このガチガチのフルアーマーボディの魔物はゴーレムのゴーム。
防御、攻撃力ならこの森3番くらい。僕のボディーガードみたいな事もしてもらってたりする。
「ゴガギ?…がうぉ?」
「ゴゴ!」
「がーお!」
「探検しようぜ!だそうです。」
「ん?探検?どこを…?」
この辺はもう探検し尽くしたと思うんだけど…
「この前見つけた場所がありまして…この森の奥をちょっと行った所なんですけど…凄く綺麗な宝石が沢山ある場所があるんですよ。多分10個や20個とってってもバチは当たりませんよ!きっと!というか私も欲しいです!」
「わぁ。凄く本音が出てる!…でも楽しそう!行こう!じいやがくる前にっ!」
宝石かぁ…おどったりしないだろうね?宝箱開けたら『残念だったな…トラップだよ』…とか…ないよね?
「がーう!」
「ギーゴゴ!」
「じゃあ私が前を歩きますねー。」
ナディア探検隊出陣っ!
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ガサガサガサ。
最近森を歩いてると草とか枝とかが勝手に避けてくれるんだよね。森に認められたって事かな?
それとも前に『自然を操れるんだ!』って豪語してた子が協力してくれてるのかな?まぁ、本当に操れるのかは知らないけど。
「…まだなのー?」
もうかれこれ1時間は歩いてるよ…
「もう少し…そう!ここです!」
「おお〜…お?」
そこにあったのは普通の穴。
…もう少し豪華なの期待してたのに…ちょっと残念。
「…ふふふ。侮ってますね?まぁ、入って入って。」
「はーい。…って、ゴーム入れる?これ…」
穴は僕は通れる。ダー君は簡単だし、イサちゃんも通れる。でも、ゴームは…
「ゴーギギギ…」
「3人で楽しんで来てくれ…と。」
…むむむぅ…
「ダメだよそんなのっ!ゴームも遊ぶの!」
1人だけ仲間外れとか良くないよ!…僕が何度泣いたか…
「…じゃ〜…ゴゴギ?」
「ゴギ!」
…なんて言ったんだろ…?僕も魔物の言葉分かりたいなぁ…
「さて、ナディ。ゴームが丸くなるらしいので押してあげて下さい。」
「…ま、丸くなるの!?丸まれるのゴーム!?…っていうか、イサちゃんも押してよ!」
「ごめんなさい。私ほわいとからーなので!」
「意味分かってないのに使うなし!もー…仕方ないなぁ…押すよー?」
ゴロゴロゴロゴロ…
なんか…運動会の玉転がし思い出す…
お、段々広くなって…よし!
「ゴーム。そろそろいいんじゃない?」
「ゴゴゴゴ…」
ガシャンゴシャン!
「ガカカ…」
「おおお…これはすげーですね!金銀財宝キラッキラですよ!」
「わーお。イサちゃんがキラッキラしてる。」
「ジェルルル…」
「…あれ?ゴーム何か言った?」
「何も言ってないですね。…あ。」
「えっ?」
イサちゃんの向いた方向を向く…と。
「ゴラララ…!」
宝石で出来たゴーレムのような巨人が仁王立ちしていた。
『貴様ら…何しに来た…?』
威圧感のある声が頭に響く。体についている宝石は紅く輝き、目も光っている。
いかにも怒ってますという風貌。しかもこの探検隊の中で1番大きいゴームよりも大きい。この洞窟にどうやって入ってるんだろう?
いや、それよりも…
…大ピンチじゃん。