angel
校長室
ゆ「……全員揃ったみたいね………皆、これより作戦会議を始めるわ!」
部屋の明かりが落とされ、ゆりの背後にスクリーンが展開する。
ゆ「高松くん報告お願い」
高「はい。
武器庫からの報告によると、弾薬の備蓄が尽きるそうです。次一戦交える前には、補充しておく必要があります」
大「新入りも入ったことだし、新しい銃もいるんじゃないの?」
ゆ「そうね……分かったわ。
本日のオペレーションは、ギルド降下作戦といきましょう」
音無は何かを想像したらしく身震いしていた。
日「どうした音無?」
音「高いのは、得意じゃないっつうか……」
ゆ「何言ってるのよ。
空から降下じゃないわ。此処から地下に降下よ」
音「なんだ、地下か…って地下!?」
ゆ「あたし達はギルドと呼んでる、地下の奥深くよ。そこでは、仲間達が武器を作ってるの」
音「じゃあ、天使にバレないようにってことか」
ゆ「そうね。ギルドを押さえられたら武器支援がなくなり、私達に勝ち目はなくなるわ」
説明し終えると彼女は通信を繋ぐ。
『へーいっ』
ゆ「私だ、今夜そちらに向かう。トラップの解除を頼む」
『了解、今晩だな。待ってるぜ〜』
ゆ「よしっ。今回はこのメンバーでいきましょ」
大「あれ?ねぇ、野田くんはいいの?」
藤「あのバカはどうせまた単独行動してんだろ」
TK「All right let's go.」
滝「ゆりー、このメンバーって言うけど俺と岩沢もいくのか?」
ゆ「ええ、そのつもりだけど?」
滝「…むしろこの作戦こそ天使を見張ったりするべきだと思うんだが…」
というかあんな鬼畜トラップなんて味わいたくない
松「確かにそうだな……」
藤「トラップ強制発動されたらシャレなんねーぜ……」
ゆ「い、今それを言おうとしてたのよ。
んじゃ改めて…陽動班は天使を監視、場合によっては足留めもお願い。」
椎「浅はかなり…」
顔をひきつらせるゆりであった
--廊下
岩「でも監視とか足留めとか…どうするのさ?」
滝「まかせろ岩沢…俺に良い考えがある」
ククク…おれってば天才じゃなかろうか…
音楽室
ひ「……で、なんでこうなったんだ?」
ひさ子の目の前では入江、関根と天使…奏がお菓子を食べつつ談笑していた
入「あ、ひさ子さんもどうです?」
関「ちょっとみゆきち、ひさ子さん来たら無くなっちゃうよ?」
入「それはひどいんじゃない?ふふ…」
奏「美味いわよ?」
ひ「滝沢…説明しろ」
滝「ゆりがギルド行くから来ないように天使ちゃん監視しとけって言ってさー
コソコソするのも面倒だから連れてきた。」
岩「まぁ邪魔ならないしなんら問題ないよ」
岩沢も曲作りの時間が監視で動き回って潰されたりしなくて機嫌は良いようである
ひ「それはまぁいいとして…作戦開始は夜だろ?今からずっと一緒にいるのか?」
…16時2分
岩「……まぁ関根達がなんとかするだろ」
関「天使ちゃん…このうまい棒くわえて首を少し横に傾けて…
そう…いいよいいよ」
パシャ
パシャ
奏「わらひへんひひゃはいは」
入江「しおりんいけない…それはいけないよ…」
ひ「……だな」
入江と関根は鼻血を流しながら…ダメだこいつら…
岩「ひさ子はどうする?」
ひ「あー…暇だし2人があれじゃ練習も出来ないだろうし藤巻達と卓囲んでくるわ
岩沢も来るか?」
岩「いや…あたしはいい
一応見てなきゃいけないからね…それに…
もう少しで出来そうなんだ」
滝「出来そうって…新曲?」
岩「うん、ガルデモにはちょっと合わないかもしれないけどね……バラードなんだ」
俺とひさ子は岩沢からルーズリーフ---1番上にはmy songと書かれている---を受け取る
岩「んじゃ…ちょっと聞いてみてくれるか?」
そう言って岩沢は歌い出す
……その歌声を聞けば聞くほど……
……俺の脳裏に『あのシーン』が蘇り……そして気づくと涙が零れていた
そして岩沢が歌い終えた、ありがとう、と……
関根や入江、奏も聞き入っていたようだ…
滝「良い曲だよ……ゴメンなんか泣けてきた
それに、岩沢には…ロックよりバラードの方が似合う、な」
ひ「あたしもそう思う……凄く…良かった」
関根、入江も同じ心境のようだ。
そして奏も……
奏「……岩沢さん、あなたたち毎日ここで練習してるのよね?」
岩「ああ……いつでも来なよ」
ひ「いや…天使は授業があるだろ?…いやあたしたちも無くはないけど」
奏「確かに生徒会長として頷いちゃだめよね……でも……休み時間、あと放課後にまた弾いてくれたら嬉しいわ
あとライブ……次はいつ?」」
奏は普段から想像つかないほど嬉そうに微笑んで聞いてきた
……というか止めないのか
滝「…ライブ止めないのか?」
ひ「確かに、いつも止めにくるよな」
奏「今回だけよ……『ハーモニクス』」
そう呟くと奏が2人に分身した
…なるほど、それなら止めにいきつつライブも見れるな……
……というかそこまでして見たいのか
関「えぇっ!?ど、どうなってるの?天使が2人!?」
入「……ひ、一人お持ち帰りしていいですか?」
ひ「なんでもアリだなおい…」
岩「滝沢……次の曲のテーマはドッペルゲンガーと萌えにしようと思うんだが……」
滝「止めといたほうがいいと思うぜ」
そして奏sがしゃべりかけてきた
奏A「これなら会長としての責務を果たしつつ」
奏B「ライブを見られるわ」
滝「で……どっちが見るんだ?」
奏A「大丈夫、どちらも同じ私だから」
奏B「戻った時にはわかるわ」
奏A「そして止めに行く方は」
奏B「あまりやる気を出さないようにするわ」
滝「…とりあえず戻ってくれ。カギカッコ使いまくるのは面ど…って何を言っているんだ俺は…」
まるで何者かの意志が働いた様な…
奏は頷くと1人に戻る
ひ「…しかしあっさり過ぎて今までのはなんだったんだろうって思うね…」
岩「それはほら、奏もやっぱり音楽が好きなんだろ」
一瞬の沈黙
奏「好きよ、でも…」
ひ「岩沢には負けるだろ」
入「音楽キチ……」
関「いつか絶対「アタシ音楽と結婚する」とか言い出すね」
滝「好き勝手言ってるなおい」
岩「……まぁいいよ
ところで天使に聞きたい事があるんだけどいい?」
奏「繰り返すけど天使じゃないわ。奏、立華奏。…ちなみに何?」
……まさかこの序盤でゆりに代わって核心に触れるような事、聞いちゃうのか?
岩沢の真剣な表情にガルデモメンバーも息をのむ……
岩「奏、あんた…………
楽器は弾ける?」
……
「「「「音楽キチッ……!」」」」
ひ「てっきり天使の能力とかそういう事聞くんだと思ってた…」
入「岩沢さんが音楽キチだって忘れてました」
関「てっきりそういう道に走るのかと思ってたよ」
滝「これが岩沢が岩沢たる所以か……」
またも好き勝手言い始めるメンバーと
奏「ピアノなら弾けるわ」
シンプルに返す奏
岩「オーケィ、決まりだ。次のライブでマイソウル ユアビーツ演奏しよう。
奏にはピアノ弾いてもらう」
「「「「「えぇっ!?」」」」」
全員が全員唖然としている、普段感情を出さない奏でさえ目と口を開きっぱなしである
岩「……?どうかした?
さぁそうときまったら練習だ…楽しみだな……ピアノ弾くならギター弾くよりむしろ静かめな感じで…ヴァイオリン…いやキーボードでいけるか…
あ、ひさ子、楽譜どこに置いたっけ?」
ひ「いやいやいや待て岩沢。勝手に自己完結するな」
入「音楽…!」
関「キチッ…!」
滝「…というかガルデモにキーボードいないだろ?」
岩「……頼めないか?」
小首を傾げて眉を下げて困ったような…
滝「Easy come,easy go!I kiss you!
やるよ!!」
関「はやっ!!ていうかお前TKかよ!?」
奏「…ライブ見るとは言ったけど…弾くとは言ってないわ」
岩「…もしかして迷惑だった?」
眉を下げて困っ(略
奏「問題ないわ」
天使ちゃんからサムズアップいただきましたッ!!
そして練習で夜は更けていく…
ゆ「なんか私たち空気じゃない?」
日「言うなよ」
藤「ひさ子のやつ…麻雀来なかったぜ…」
松「うむ、モチベーション下がったな…」
椎「浅はかなり