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fml-proto  作者:
18/31

意気地アリ

-------岩沢家


岩「13日の金曜っていっても特別なんか起こるわけじゃないし」


綺麗だな……と、あたしは窓を開け満点の星空を見て思う。





岩「例えば見上げた夜の星空が いつもより多く輝いているなら……」






…………




うーん……続きが出てこないな

まぁパッと浮かんだフレーズだししょうがないか……メモっておこ…………




忘れないうちにシャーペンを走らせるけど……


春とはいえまだ寒い

あたしは窓を閉めると思い浮かんだフレーズを机からルーズリーフを引っ張り出して書き込んでいく……





岩「……よし、寝るか」




ベッドに潜り込んで毛布を被るとイヤホンをつける。ひさ子に話したらそれでよく寝れるな……って言われたけど逆にこうしないと寝れないんだから仕方ない。


こういう時に聞く曲はKAB.みたいな静かなリラックスするにはちょうど良いやつだけだしな







〜〜〜〜♪



だんだん眠くなってきた頃、窓が音をたてる

ああ、そういやさっきのまま鍵かけんの忘れてたっけ……




風強いのかな……と閉じきった瞼をようやくの事で僅かに開けると


ガラガラ……





……………………










滝「まさみ……起きてる?」


岩「……寝てる」


滝「そうか、それならちょうど良い」



……入って来たのは、光だった。ここ2階のはずなんだが……



滝「いやー今晩は特に冷えるからさ、温もりいっぱいの抱き枕が欲しいと思ってたんだけどな、寝てるならわざわざ断りを入れる必要もないよな?」


光は(窓から入るのを除けば)丁寧に靴を脱いで入ってくる……ってちょっと待て


ベッドから飛び起きる




岩「……脳みそとろけてんじゃないのか?

今何時だと思ってるんだ」


滝「……あれ?2、3日前言ってなかったっけ?

土曜遊び行く、って」


岩「…………」


あたしは携帯を開く。

……画面には4月14日(土)00時01分の文字。




岩「……やっぱりお前頭おかしいぞ

で、何しきた?」



この前のアレを除けば会ってからずっとおとなしいな……と思ってたのに、……これだ


滝「自分の部屋にずっと離れ離れだった恋人が訪れたというのに……酷くないかまさみ?

あぁ、何し来たかって?そりゃお前夜ば」

岩「オーケィ、お前ちょっと黙れよ」


この小説にR-18タグをつける気かこの男は




岩「……来るならせめて半日後にしろよ」


滝「OK半日後だな!わかった、待ってろよ!?」


そう言うとまた窓からヒョイと帰って行く……





岩「はぁ……あのバカ何しに……


……寝よ」



無論今度はキチンと鍵を閉める










.










.










--------同日12時11分、岩沢家前




……57、58、59、12分。

よし


ピンポーン


『はーい……』


ガチャ


滝「こんにちはー

まさみさん居ますか?」


応対に出てきたのはまさみの母親だろうか、凄く若々しくて綺麗な人だ


母「ああ滝沢さんね、まさみから聞いてるわ

どうぞあがってくださいな」


……すんなり入れてもらえたが年頃の娘の部屋に野郎を通す事に抵抗はないのだろうか?


そう思いながら靴を脱いでいると


『おい誰が来たんだ?』


奥から声が聞こえた。


母「まさみの友達よ」



ガラッ


「……男じゃないか

おい貴様まさみとはどういう(ドスッ)……ぐっ……何をする絵莉子……」


母「あなた、少し落ち着きなさい

お客様に失礼でしょう?」


……どうやらまさみの父さんらしいが……


……何でだろうこんな光景を普段見ている気がしてならない。……はて、何処でだろう



父「し、しかしだな……まさみに悪い虫でもついたら(ドスッ)うぐっ……」


母「失礼でしょう?」


…………




……とりあえず階段を上ってまさみの部屋に行く事にする。

途中『まさみは渡さんぞ!!』と声が聞こえた気がするが……聞こえなかった事にして俺は足を進めた




ガチャ


滝「お邪魔するぞ」



ひ「お、来たな」

関「早いねー」

入「ご飯中ですようちら」

岩「……きっかり12時間後に来たな」




………………おや?


滝「なんでお前らいるんだ?」


……そりゃこれだけいたらまさみのお母さんも通すわな




ひ「朝岩沢に電話したらのテメーの事聞いたからな、来てやったんだよ」

……オメーか……


関「大体岩沢さんと2人きりだなんて天や読者が許してもあたしらが許しませんよ」

入「岩沢さんが汚されちゃいます」

お前らは何を言っているんだ……








岩「……わざとじゃ……ないよ?

……ただ朝だったし……あたし低血圧気味だから寝ぼけてて……」



…………



岩「いや……だから……」




……………………



岩「……そんな人生の理不尽を呪った目でこっちを見るなよ」







---------




ひ「つかお前は結局何しに来たんだ?」


滝「いや、フツーに遊びに……って言わなかったか?

健全に。そりゃあもう、KENZENに。超KENZENに」


いや言い方からして嘘だろコイツ……

関「はい、建て前はそれとして本音は?」

滝「イチャイチャしに来ました。あわよくば赤面したまさみが


『今日……親居ないんだ……(酷い裏声)』


とか言ってくれるんじゃないだろうかとか淡い期待を持ってました。ええ」


……来て正解だったな


入「でも岩沢さんですしね……」

関「無いね」



岩「……どういう意味だ」


滝「はぁ……

昔のお前らの方がもっと性格良かったぞ?」


と、滝沢と岩沢があたしらを見てため息をつく


ひ「昔のあんたはもっと純粋だったと思うんだけど?」


滝「……今は違うみたいに言うな」


本当に最初だけだったじゃないか


岩「……そう言うなよ、光だって良いやつだったんだぞ?今だって、うん、良い奴だ」


入「岩沢さん頭どっか打っちゃったんですね……」

関「ここらでちょっと病院へ行っときましょ」


滝「……お前らが俺達を応援してるのか邪魔したいのか時々わからなくなるよ」




---------


というか少しでもコメディ入ると途端に敵に回る気がしてならない


入「だって岩沢さんはみんなの岩沢さんですしー」

関「その岩沢さんが狼さんに食べられちゃいそう、って状況なら元カレのひさ子さんが黙ってるわけない、という事ですよ」


岩「……いつからあたしとひさ子が彼氏彼女の関係だったんだ」

ひ「女同士じゃねーかよ……つか元カレってなんだ元カレって」

あたしは男だってのか?と関根を睨む2人……




関「だってひさ子さん……ハグったりしてたんでしょ?」


滝「おいおいハグなら俺だって……」


関「いやハグならあたしだってしたことあります(ひさ子さんにシメられましたけど)


んじゃたっきーは岩沢さんの脇の下とかかいだ事ありますか?」


はい!!??


…………


予想の斜め上すぎて言葉が出ない……というかそれは恋人とは違うんではなかろうか……?と、思いつつも聞くのをやめられない


滝「こいつは……ひさ子はあるってのかよ……!」


関「あるそうですよー?脇の下に鼻をこすりつけてやったそうですよー?」


ッくそぉぉっ!ジェラシィィー!!


……脇の下とか……脇の下とか……




ひ「……見てて面白いなコイツ」


岩「……あたしちょっとお茶煎れてくるよ」



床でのたうち回る男を見てられない、というか次にあいつがどういう行動に移るかが読めた岩沢はそういって一階へ降りていった



-------





母「まさみ」

岩「ん?何、母さん?」

あたしがレモネードを作っていると母さんが笑みを浮かべながら近づいてきた




…………これはヤバい…ヤバパない

母さんがこういう表情を浮かべるのは大抵何かあたしにとって良くない事を考えていることが多い。


母「ふふふ……1人男の子がいるけど……」


予感的中。神様、もう理不尽はいらないんだけど……


母「まさみ……親は知る権利があるわ」


岩「……いや、友達だって」

母「……本当に?」

岩「ああ、友達だよ」


母「二度は言わないわよ?」

岩「……ちょっと仲の良い……」









……マズい……手に持ったカップが震えてる

母「それで、その仲の良い友達と手は繋いだの?」


…………ダメだこれ絶対順番で最後まで言わされる


岩「そ、それよりみんなを待たせてるから早くいかないと行けないんだけど」






母「あら残念ね……

なら滝沢さん、まさみとはどこまで行ったの?」

滝「はいお義母様、Cまでかと…

あと名字はいずれ変わると思うので出来れば今から下の名前でお願いしますお義母様」

岩「!?」



いつの間に……って

光あんたいきなり出てきて何しでかしてくれてんだ……!


ひ「岩沢が遅いから様子見に来たんだけど……なんてったらいいんだろ……

……公認じゃん、おめでと」

岩「ちょっとひさ子……」


親友にまで裏切られるとは……









父「C、だと?Cと言ったか貴様……」


…………父さん、何故ビール瓶を持っているんだよ

……なんか『前の』フラッシュバックが……


岩「父さん……まずそれ置いて」

滝「まさみが怖がってますお義父さん


……っていうか何?誰この人?まさみの過去話のお父さんと全然違うくね?」


つまり……

なんつーか……溺愛してね?と、耳元で聞いてくる……


……まぁ確かにそうだな


父「む……すまん

なら……貴様、一杯付き合え」

滝「いやお義父さん俺まだ未成ね」

父「お義父さんと言うな!

……黙って付き合えと言っているんだ」






あー……連れてかれちゃった


関「ねーねー暇だし男ら帰ってくるまで遊んでましょーよ」


……まぁいいか

















結局光と父さんが帰って来たのは夜になってからだった……

あっちで何があったのか知らないけど、肩組んだりして仲は良くなっていたようだ


父「うむ。やはり可愛い」

滝「ええ、美少女に分類しても誰も文句は出ないです。

目付きと雰囲気が気だるげとか言う奴もいますがそれがまたたまらなくgoodではないでしょうか」

父「貴様……わかっているな」







…………この2人は公衆の面前でどんな事話してきたんだろう……



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