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fml-proto  作者:
13/31

symphony/lazy girl/chocolate

----------




岩沢はグラスを手に微笑んでいた

その頬を薄く紅に染め、息をつく仕草が何とも艶やかである

いつもの凛としたカッコいい岩沢もいいが今のような笑顔も凄く、可愛らしい


こんな姿を見れるのも俺だけかと思うとなんだか嬉しい気分になる……



俺は高まる想いを胸に岩沢の隣に移動するとその細い肩に腕を回した。



岩「…………ん」




岩沢も俺の肩に身を預けてくる、

応えて俺も更に強く岩沢の肩を抱く。



……窓からは粉雪がふわりふわりと舞っているのが見える……

月夜に照らされ浮かびあがる彼女の燃えるような赤との対比も美しい



岩「ホワイトクリスマス……ってやつだな」



滝「ああ……」



窓を開けると冷気が入り込んでくるが、俺達は、寒くない。


滝「まさみ」


岩「……なんだ?」


頬も今は彼女の色、赤に染めた岩沢がとても愛おしくて……


滝「……いいか?」


岩「……ああ」


岩沢は瞳をトロンとさせながら、いいよ、頷いてくれた。


滝「まさみ……」


岩「光……」



そして岩沢は瞳を閉じる……

俺は彼女の顎に指をかけると、くいっと上を向かせ……


……そのまま、蝋燭の炎に揺れる影が一つに重なる……




---これから恋人達の時間が始まるんだ


俺達、大人の階段を駆け上がっちまうんだ……!!










.










.










滝「……という事になる予定だったんだが……」




12月25日、楽しい楽しいクリスマス。


俺も、今年こそは人生初(人生終了しているが)のシングルベルでないクリスマス…!


と、ひそかに期待してたりもしてたんだ……


だが神に反抗する組織に属している俺に神は微笑んでくれる程甘くはなかったようだ……










----時はさかのぼって25日朝、校長室




日「で、俺らは今日なんかしないのか?」


ゆ「……なんで神に抗う私達が神を祝福しなきゃいけないのよ、バッカじゃないの?」


大「で、でもクリスマスなんだよ?」



大山がかく言うのも無理はない、戦線として何かイベントがあった時は必ず何かしらのオペレーションを行っていたのだ


しかし今日、ゆりは機嫌がよろしくない。


俺は何故なのだろう、と考えてみる……


そしてある一つの結論に至った




滝「ゆり、お前……



……シングルベルなんだろ?」


野「な、なんだと?そうだったのかゆりっぺ!?なら俺が……ぐふっ」

野田は望みを言い終わる前にゆりの手刀によって沈んでいった


ゆ「そ、そそそんなわけないでしょう?

個人的感情を戦線の活動に押しつけるわけないじゃない!?」


椎「浅はかなり……」



思いっきり、図星のようだ




滝「恋人とふたりっきりで過ごせぬクリスマス程悲しい日はないだろ?

なぁ、まさ

岩「ゆり、ガルデモで陽動とか関係無しに今日クリスマスライブしたいんだけど、いい?」

……み?」


ゆ「あー……まぁ良いわよ?せっかくだし私達も今夜はそれ見に行きましょうか」


ユ「岩沢さんの歌を聞きながらひなっち先輩とイチャイチャだなんてのもいいですね」

日「そいつぁ……最高に気持ちが良いだろうな……」


ユイの言葉に顔をにやけさせる日向。


岩「何言ってんだ?

ツインボーカルでユイ、お前も歌うんだぞ?」

ゆ「あなた達全員イチャイチャだの軟派な事言えると思ったの?

ユイはライブ参加、藤巻君、滝沢君、日向君は体育館外で受け付け兼教師の足止めよ!!」


まて、ライブ会場の外にまで締め出すのか!?

つかテメーその面子、やっぱりそういう理由なんだろ!?


滝「つか俺戦闘班じゃ……」

ゆ「うるさい」

滝「ハイ……」










-------A棟、体育館前廊下

そして、今に至る。あれから岩沢はユイとmy songのバンドアレンジver教えたりするから、とかで別れ

結局今日1日こいつら三人と過ごしているわけである



滝「……はいこちらですよー」

日「……お楽しみくださいー」

藤「……楽しい時間をー」



野郎三人ずっと棒読みで生徒達を案内、しかもどこからもってきやがったのかゆりの命令で服装はミニスカサンタ。




しかも全員が全員トランクスが見えるこんな状況……傍目で見る限りどうみても犯罪者である。


もちろんやる気は欠片も感じられるわけがない……


ライブに行けない、各々好きな子と過ごせない、野郎でミニスカ三人きり、何より……







女子生徒A「ライブ楽しみだねー」

男子生徒A「ほんと最高のクリスマスだな」


「「「…………」」」


女子生徒B「君と一緒にガルデモライブでクリスマスだなんてロマンチック……」

男子生徒B「忘れらんない夜にしてやるよ……」


「「「…………」」」



女子生徒C「岩沢さんみたいに綺麗ならもっと好きになってくれてたんじゃない?」

男子生徒C「何言ってんだよ、お前の方がずっとずっと可愛いよ!」



日「お、落ち着けバカ!!ショットガンを置け!!」

滝「離せぇっ!!モブカップルどもなんかに!モブカップルなんかにィッ!!」







----------


そんなこんなで少しのトラブルと多大な犠牲(あうあまいんず)を払いつつクリスマスライブは始まった……


藤「始まったみたいだな……やっと終わったぜ……」


日「いやまだ教師を止めるっつー仕事があんだろ」


滝「近づく奴はきるぜむおーる……」


藤「いや殺すなよ……」







----------




----------










.










-------食堂



食堂ではライブ終了後、上のアホ三人も加わりガルデモメンバーで打ち上げを行っていた



ひ「んじゃお前らお疲れって事で……乾杯!」


「「「「「「「かんぱーい」」」」」」」



カカカチン、カチン


用意したシャンパンを注いだグラスをぶつけてみんなで乾杯する

俺はグラスを手にすると、岩沢は俺に向かってその手を差し出した。

カチン、と澄んだ音を立ててグラス同士が軽く触れあう。



クイッ、っとグラスを傾け……ってこれシャンパンか?チャーのやつ毎度毎度アルコールたけぇって……


シャンパンの味に若干顔をしかめていると日向がほろ酔いで泣き出す……


日「だいたいよぉ……ゆりの奴鬼畜かってんだよ……

何でお前らのライブ最中ミニスカサンタコスの男に囲まれなきゃならんかったんだ……」

ユ「ああ……アレですか」

それを聞いてユイはニヤニヤとし始めるが、藤巻と俺も机に突っ伏した……お互い思い出したくない、一刻も早く忘却の彼方に追いやりたい記憶である……


ん?……アレ?


関「あ、それなら遊佐ちゃんから写真見せてもらいました。可愛かったですよ?デュフフ」

入「うんうん、滝沢先輩と日向先輩が結構似合ってて……ふふ」



……どうやらすでに知れ渡っているようだ……これを悪夢と言わずしてなんというのだろう




日「よし……ユイ、帰るぞ。お前もふたりっきりの方が良いだろ!?」


ユ「ひなっち先輩……逃げたいってバレバレですよ?


どーしてもってんなら考えてもいいですけど」


余裕の無い日向がそう提案するのだが……ユイはニヤニヤ顔で日向にそう答える。


日「どうしても、だ!」


ユイの手首を掴んで走り出す日向、

映画のワンシーンみたいでちょっとカッコいい……ってアイツ1人だけ逃げやがった!!



-----------


日向……逃げたな

ユイは2人っきりかー……


滝「あのー、岩沢さん?」


おずおず、と光が私を呼んでくる……


岩「……なに?帰りたいの?」


滝「YES!YES!YES!」


今度は即答。

仕方ない、あたしから言ってやるか……



岩「あー、ひさ子?あたしも酔ったから帰るわ。光、悪いけど寮まで送ってくれ」


滝「了解!」


嬉しそうに立ち上がる光と、あたしは席を立つ。と、ひさ子もさっきの光と同じ顔であたしを見ている……。


岩「…ひさ子も一緒に帰ろーぜ」


ひ「そうだな……」

藤「んじゃ俺も……」













.













関「おやおや?これはどういう事だいみゆきち?」


入「はは、置いてかれちゃったね……」


関「みゆきてぃ……私達もレッドホッドな夜を過ごさないかい?」


入「しおりん目がヤバいよ……私はノーマルだからごめんね…」


関「ちっくしょぉぉぉ!!」


2人きりの深夜の食堂には、少女の慟哭だけが響いていた















---------岩ひさ部屋




この部屋の住人は岩沢とひさ子なわけであるが、ひさ子はというと「ちょっと遊び行ってくる」と先ほど藤巻と何処かへ行ってしまった。……もう12時なのに、だ


俺は岩沢を送ってきたわけだが彼女が暇だしあがってけよ、と言うのでお言葉に甘えているのである




岩「なんか飲むか?」


酔いさましに…と、冷蔵庫を開けるとズラリと並ぶミネラルウォーターが見える。


水ばっかだな、などと笑いつつも火照った体にはちょうどいい、と彼女からペットボトルを受け取り飲んでいた所……



岩「光、パス」


目の前のベッドに腰を下ろして、渡したボトルを傾ける彼女を見ていると、上気した頬でコクコクと喉を鳴らす姿に自然に笑みが浮かぶが同時に……







ざわり、ともくる。



そう、クリスマス(既に翌日ではあるが)に恋人の部屋に二人きり、かつルームメイトもいない、というなんとも出来すぎたシチュエーションだからであろうか、

無理矢理でも彼女を組み伏せ、その濡れた唇を奪ってしまえ、という衝動に駆られている。

柔らかな唇を、そして彼女を自分の色で染め上げたくなる。


……深夜、自らの部屋に俺をあがらせた彼女もそうなる事を期待しているのではないか?








(……まぁそんな事はしないんだがな、これが)




無理矢理にでも事に及べばそれは俺を信頼してくれている彼女への裏切りではないか?

うん、まだ早い。大丈夫。ゆっくり焦らずその時を待てばいい。






そして当の岩沢はと言うとハァ、とため息をつきながら俺を見ていた。

……おおかた俺がどんな事を考えていたか分かったのだろう。



岩「……どうせやらしい事でも考えてたんだろ?」


滝「いやいや……」

一瞬よぎったのは否定しないが。




……ってああ、そうだ


滝「本題を忘れる所だった」


首を傾げる岩沢に俺はポケットから小箱を取り出すと彼女に渡す


岩「……凄いな」


滝「元が土くれだから綺麗、と言ってもらえるかはわからんが」


中身は今日のために、と錬成したリング。彼女に合うかな、とルビーを填めてある(これも錬成した物だから不安であるが)


岩「いや綺麗だよ、嬉しい」


そう言って貰えるとは何よりだ



岩「---でも困ったな」


滝「何がだ?」


実は気に入らなかったのだろうか?

そりゃ演奏の時は確実に邪魔だろうが……


むぅ……ネックレスとかにすりゃ良かったか……?


岩「……何にも用意してないんだ、言い訳だけどライブの事で頭がいっぱいで……」


ん、まぁ岩沢らしいっちゃらしいかな……


と、思っていると唇に軽い衝撃



岩「でも、一番大切なのはお前だからな……」



そう言う彼女が愛おしくて俺は彼女をゆっくりベットに横たえ…………















.














.
















------校長室


ゆ「はい、ここから先はお子ちゃまには早いのでおしまいよ」


「「「「「「えーーーーーー」」」」」」


何故か昼間から酔っ払っている戦線メンバーから非難の声があがる


日「そりゃないぜゆり

俺ら体はピッチピチの高校生だけど中身は大人だぜ?大きなコ○ン君なんだぜ?」


ゆ「いや、だって……これ以上は本人達に悪いじゃない」



戦線メンバーは振り向いて『本人達』を見る



滝「お、落ち着けまさみ!」

岩「離せ光!

あの芋女、泣きながら謝らせなきゃあたしの気が済まないんだ!!」




顔を真っ赤にして半泣きになりながら持っていたアコギを振りかざす岩沢とそれを後ろから羽交い締めにして止める俺……


……いつも彼女が『相棒』と呼ぶソレを武器にするほど岩沢はブチギレていた




そして彼女は凄まじい力で拘束を振り払う

……球技大会の翌日一番力無く筋肉痛に苦しんでいた…おそらくは戦線幹部一、ニを争う程貧弱だろう体からは想像も出来ない力だった





こんな状況でも立ちふさがる野田は頭を掴まれるとそのまま床に叩きつけられ沈黙、藤巻は顎を蹴り上げられ天井に突き刺さる


……まるでバトル漫画のような攻撃を繰り出す岩沢にゆりも真っ青になっている……


ゆ「ご、ごめんなさい岩沢さん、あたしが全部悪かっ」


ガィーン!!




フルスイング。


ゆりは窓から落ちていき、後に残ったのは白いバッテンが貼られたアコギを持つ俺と、笑顔で「忘れろ」とリピートしながら戦線メンバーに往復ビンタを繰り返す岩沢だったそうな














BAD END?



















視覚的影響がもたらす効果と元来持たれているイメージに関する研究



天上学園 ガルデモ年ベース組 関根史織



緒論。


卵アイスというものをご存知だろうか。ゴム風船にバニラアイスをつめたユニークなアレである。切り込みを入れ吸うように食べるのだがこれを失敗してしまうと小さな穴から勢い良く飛び出し、残念な事になってしまう。


ここで勢い良く飛び出る、と言うことに注目がいるとあたしは思うのです。

ホースから出る水、アレの口を抑えてみてください、するとどうなるか?

そう、勢い良く飛び出るのです。内側にあるものは出てくる部分が小さい程、圧力により勢い良く、飛び出るのです。



経験は無いでしょうか、幼い頃、雑誌を立ち読みしていた時袋とじをなんとかして覗き見ようと躍起になっていた事が。そう、秘密が隠された物に僅かに隙間があるからこそ私達の好奇心は『勢い良く』溢れてくるのです。有り体に言えば見えないからこそ興味が湧くのです。


この現象はエロースにも置き換えられる事にわたくしめは着目した。

本当のエロースは隠されているからこそ『勢い良く』溢れてくるわけです。私は普段ニーソを穿いていますがそれによって作り出される『絶対領域』スタイル等、これの最たるモノであります。他にもブカブカYシャツ等も同質かと。

そう、肌の露出は少ない程、エロースは勢い良く溢れるのです。




実験。



よってわたくしめは普段スカートの丈が短い者を被験者として実験を行った。


Iさん膝上20cm

Hさん膝上22cm

Sさん膝上23cm

Mきち膝上17cm



実験内容は全員にニーソを穿いていただく、というものだったのだが、ここでわたくしめは自分が間違っていた事に気づいた。資料の写真を見ていただけると分かると思う。


確かに全員が全員この写真を売れば戦線資金は底無しになるような出来であるが、

普段脚を露出している方では、絶対的な破壊力は生めないのでは?という結論に至った。(T氏とH氏は写真を拝んでいたが彼らは普通ではないため除外)


そこでどんな被験者ならば良いか、『普段露出とは縁の無い鉄壁度がやたら高そうな人』ではいかがだろうか?

そして選出したのがTKさん(膝下10cm、男ではない)である。


そして彼女にSSSの制服、そしてニーソを穿いて食堂の階段を登っていただいた。


結果から言わせてもらうと最高の出来だった。「麻婆豆腐はどこ?」と階段下の私を振り返り聞いた時、ハンケツは白だと私に天の声が下りてきたのだ。果たして黒が出る時があるかはわかりませんが。


結論。

つまり普段見せない子が見せるのは素晴らしい。

ですからぶっちゃけ恥ずかしいしさみーですしうちらも普段はロングでイベントの時だけミニで良いんじゃねっすか?



------------


ゆ「却下。」



レポート用紙を丸めてゴミ箱に投げ捨てるとゆりは言った


ゆ「長々と1200文字も使ってアホな事してるとおもったら言いたいことはそれ?」


珍しく校長室に来たかと思ったらずっとコレである。


関「だって寒いんですよコレ!ミニどころかマイクロですし!


ぶっちゃけあたしは寒いの嫌いなんですよ!

毎日ぬくぬくおこたでずっと居たいんですよ!

この時期、ライブの時だって長スカートに長ジャージというファッションを選びたいんですよ!」





ゆりは長スカートの下にジャージ装備でライブを行うガルデモを想像したが……

お世辞にもカッコいいとは言えない……




ゆ「……岩沢さんはどうしたい?」

陽動班リーダーの意見も聞いてみなきゃ、と


岩「あたしは歌えればなんでもいい」


……聞くだけ無駄か……



関「岩沢さんは元が細いから良いですけど、あたしらなんて寒い中生足晒し続けてたらむっちむちになっちゃいますよ!?ゆりっぺさんの足なんてすぐドムになりますよ?」

ゆ「うっ……」

ドム……いやいやいや……


松「うむ、この世界でも体格は変わるからな」

日「いやでもお前は変わりすぎだろ……!」


キリッと痩せた五段に日向が突っ込んだ



関「そのうちボンボンボンのナイスバディーですよ?」


どこがナイスバディーよ……


ゆ「うーん……まぁ考えとくわ。

でも元日だし今日はゆっくりしましょ」



うーい、だのりょーかーいだの気のない返事で解散……なんか最近だらけてるわね……

近々なんかしないと……










--------岩ひさ部屋


校長室から帰ってくると、というか岩沢について行くと特にやることもなかったのか、残りのガルデモメンバーはこたつを囲んで麻雀を打っていた……


ひ「おかえりー

あ、それロン、終わりっ」

ユ「うぎゃー……」


ユイ……


そこでひょいと入江の隣に無理矢理入り込んだ関根が言う


関「ひさ子さんはいいですよね……。胸にいっぱい脂肪が詰まってるから、寒くも何ともっ!!??いぎゃあああっっ!!!!

何この足の指とは到底思えない力は!!太もも千切れちゃいますって!!」


炬燵の中で刑の執行に、関根は端から見てすごく面白い顔をして苦しみ悶えている……ってまだ言ってたのか。




…………


ツン


岩「いっ!?


……何?」


滝「いや寒くないのかなー、こんなに華奢なのに、と」


胸に背中を預けながらこたつに入る岩沢の脇腹を指でさしてみる。……脂肪0や



……ツン


ユ「いだっ!?」



こいつも痩せてるな


ユ「強さが違いますよね!?あと今アバラでしたよ、ゴリッていいましたし!?」




……ツン


ひ「……」


滝「あの、ジト目で見ないでください」


ひ「お前これセクハラだからな?」


……む、失礼。ちなみに普通だった。もう少し上の方ツン、としたかった気もしないではないけど俺はまだ生きていたい、いや死んでるが



入「……ふふ」


向こう側では入江も関根の脇腹に指をさそうとしているのだろうか……すげぇニヤニヤしている




ツン


入「えっ……?」

関「やめろよ!そういう反応やめろよぉっ!」



入江は自分の指と関根のお腹を交互に見て目を見開いて……って何があった


岩「菓子ばっか食ってっからだろ……」


……ああ。


関「ちょっとみんなそういう反応マジで傷つくんだよ!?岩沢さんだって、いいさここらでちょっと甘いもの食べていこ♪って歌ってたじゃないですか!?」


ひ「限度があるっての……」


…………


滝「あー、みんなで体動かし行くか?」



ユ「いいですね」

ひ「雪合戦でもしようぜ」


岩「やだ」

関「さみー、ってんじゃん」

入「しおりん……」


……綺麗に分かれたな…


関「か弱い乙女は体動かしたら死んじゃうんですよぅ」

岩「あたしは寝正月をエンジョイするんだ……」


滝「このもやし共……」


なんとかコイツらを動かす方法はないだろうか……


…………お



滝「よし、ガルデモのアルバム作ろうぜ?ライブ音源の海賊版は出回ってるけど正式なのはないだろ?」

ひ「いきなりだな……!」

関「というかー別にィ、今じゃなくても……」


岩「よし行くぞ」

ひ「即決かよ!寝正月じゃねーのかよ!」


岩「一年のはじまりだぜ?気合い入れねーとダメだろ」


そう、要は岩沢1人落としゃいいわけだ


岩沢は毎度毎度どこから力が出てるのかこたつにガッチリしがみつく関根をひっぺがして音楽室にひきづっていった……


関「あ゛あ゛ーーおこたぁぁーー…………」






--------



夜の音楽室……時計は夜12時を回っている






ユ「……疲れました」バタッ


岩「……なんでお前らそんなグッタリしてんだ?」


…………


滝「いや……そりゃお前、あれから飯も食わずにまさみ、ユイ、両方の3バージョンも作ったりしたからだろ……

しかも『気分乗らねー』って言うから録音じゃなく毎回弾いてたし……」


それでいて歌に集中したいっていうから俺がリズムギター……

普段弾いてるあいつらと違って指硬くなってないから今すげぇ痛ぇんだぞ……


入「腕が……上がらないです」バタッ ガッシャーン

関「……もう無理」



ああ、床が近づいてくる……


バタッ




岩「おい、お前ら寝てないでしっかりしろよ。


まだRun With Wolvesも、My Songも録音終わってねーぜ?」



ユサユサ

岩「おい起きろよひかるー。ひさ子ー。」









関「あぁ……音楽キチ……」ガクッ




岩「起きろー!!」













そしてたたき起こされた俺達は結局その後日が昇るまでデスマーチを敢行したのだった……

























--------音楽室


-----2月14日。


言わずとしれたバレンタインの日である




-----バレンタインという日を過ごす人種を簡単に分けると以下の数パターンに分類されるのではないだろうか。

一つ、貰えるのは家族だけ、他には貰う事なぞなく己の嫉妬心に炎を絶やさない男共。

一つ、義理チョコをばらまくだけばらまき、ホワイトデーでのお返しを期待する女。

一つ、手作りチョコを作り、渡す相手や貰える相手が居る勝ち組。(友チョコもこの部類か?)



今までも義理チョコの類はもらっていたが…今年は……ニュフフ!




滝「……生きてて良かった」


死んでるが。

うん、いい加減しつこいなこのネタ。










滝「というわけでまさみさん!今日は何の日でしょう!」



岩「2月14日……たしか平将門の命日だな……あと広田弘毅の誕生日でもあったはずだ」


……いや、頭良いとかそんなんじゃないでしょ。何その雑学。

というか俺が望んでたのはそんな解答じゃない。


入「……滝沢さん、せがむのはみっともないですよ?」


滝「ほっとけよ!」


岩「……???」


ええい……みっともないとか言ってられるか……!


滝「まさみ!今日はバレ…」

遊「岩沢さん、ガルデモメンバー全員集合だそうです。」


岩「了解。ほら光、行こうぜ」



遊「あ、ゆりっぺさんが女子メンバーだけ呼んでこい、男子は来たら殺す、だそうです」


…………


岩「……だ、そうだから話はまた後で、な?」










.










-----校長室




校長室にはガルデモメンバーにゆり、椎名、遊佐、ユイが集まり戦線幹部女子勢揃いといった状況だった


ひ「で?今日はどういう集まりなんだ?」


ゆ「よく聞いてくれたわ。

今日は……『オペレーション・スウィートアタック』を行うわ。


如何にも普通にバレンタインを楽しんでいるようにみせかけ……」


ひ「……ゆり、最後まで言わなくて言わなくていいぜ」



ひさ子、なんかめんどくさそうだな……というかポジションが音無みたいだ




ゆ「……コホン、要は男共に夢見させてやりましょう、ってことよ

男子達の士気低下はそのまま戦線戦力の弱体化に繋がるわ、従って……」

遊「私達も面白いですし家庭科室で作っちゃいましょう」


遊佐……結構ノリノリだな


ゆ「まだよ。


あなた達……ぶっちゃけ誰に渡すの?全員告白、命令よ」










沈黙。







ひ「マジか……」

椎「浅はかなり」

……あたしに今更聞くのか?


岩「光だ」

ゆ「あ、岩沢さんやユイ、ひさ子さんはわかってるからいいわ」

ひ「な、なんだよ、あたしはだな!」


ユ「わかってますってひさ子さん、まず黙ってましょ?」


ゆ「私が聞きたいのは……あなた達よね~」


ゆりは顔に悪役のような笑いを浮かべながら残りのメンバーを舐めるように見渡す




椎「……浅はかなり」


ゆ「はいはいどうせ言うことになるんだから無駄に字数とらないでゲロっちゃいなさいよ~」


逃げ場なくなってるなぁ……

でも椎名の好きなヤツいるとしたら誰だ……?


五段……無い、とはいいきれないが……ちょっと違う気がする

TK……うん、日常会話からままならないのが予想できるな

藤巻……あれはひさ子くらいだろ……

竹山……ジェネレーションギャップがありそうだ


と、なると……


岩「……大山か?」

よく一緒に子犬の人形と戯れてたりしてるし


椎「あ、浅はかなり!!」ボゥン


と、椎名が床に何か投げつけると辺り一面が煙につつまれる……





ゆ「ゴホッゴホッ…………逃げたわね

後でお仕置きしなきゃ……まぁいいわ次遊佐ちゃん」


遊「私ですか?

……私は特に彼、という人もいないので全員に渡す気ですが」


ゆりは面白くなさそうに振り向くとビシッ!と、入江を指差す


ゆ「次、入江ちゃん」


入「えっ、あたしは別に……」


関「あれ?みゆきち『音無君ってカッコいいよねー』とか言ってたじゃん」

入「ちょっとしおりん!!あぁあ……」



入江は顔を真っ赤にしてしゃがみこんでしまった……

に、しても音無かぁ……まぁ顔はいいけど……ちょっと意外。


関「あ、あたしはゆっさゆさと同じっすよー?

ぶっちゃけ戦線男子って3枚目キャラばっかりであたしと釣り合うようなのはいな」

入「……しおりん……あたし知ってるんだよー?

しおりんの机の3番目の引き出しに滝沢さんの写真「わーわー!!!なんでもないっすよ!?」」


……


岩「……渡さねーぜ?」


関「いや、まー……渡す位は見逃してください


そっから先は来世に期待ですが……そんときゃ岩沢さんより先にツバつけといてやりますよ」



……満面の笑み浮かべやがって……

関根らしいっていやぁらしいけどさ


関「……余裕じゃないですか」

岩「余裕だからな」

関「いただいちゃいますよー?」

岩「やれるもんならやってみな?」


ゆ「はいストップストップ。

時間もないしさっさと作るわよ」




ひ「ゆりは誰にやるんだよ?」


ゆ「!!


さ、さっさと行くわよ!移動開始!」



……逃げたな










-----食堂


戦線男子が集まって夕食を食べているがそこはまるでお通夜のようだった……


滝日「「ハハ……藤巻(音無)……ほら、あーん……」


藤音「「やるわきゃねーだろうが!」」



……加えるなら一部ではチョコレートケーキ(120円)を男同士で『あーん』、しようとする程、失意を通り越して狂気に染まっていた


日「夢見た俺らが悪いんだよな……チョコ貰えるような人生ならここにはこねーもんな……」


藤「義理チョコすらねぇぜ……だがそれ以上に謎なのは……


なんでTKはあんなにモテんだ?」


……彼はNPCから山のようにチョコを貰っていた……それを隣の机で五段や高松、大山にもわけているわけだが……

彼らも自分の個数とどうしても比較してしまうわけで……こうしたドンヨリとした空気になってしまったのである







奏「結弦、これ……」


音「お……奏、ありがとな」



……俺らがTKのモテっぷりを確認していちら後ろの方から甘ったるい会話が聞こえてきた……




「「「裏切り者……」」」


音無…お前『チョコ無』じゃなかったのかよ……滅びろよ畜生……




直「……立華さん、生徒会長がこんな時間に食堂にいてはいけませんよ?寮に戻ってきださい


あ、音無さんに滝沢さぁん!僕からのチョコ受け取ってくださぁい!」


なんか奏だけじゃなく直井までがチョコ持って現れた

……てめー男だろうが……


藤「ほら、貰ってやれよ」


滝「…………」



断固お断りである。バレンタインの戦利品が野郎からの1個だけってどんだけ悲しいんだろう……




というかそもそも岩沢達は何で姿すら表さないんだろう……


……まさか



『ねぇどうして私がゆりって呼ばれてるかわかる?』


『や、やめろよ……』


『ほら、貴女の体に塗りたくったチョコ……こんなにも美味しい』


『ひゃ!やめ(自主規制)』







滝「男じゃなくて女同士とイチャイチャして……!」

岩ゆ「「なんでそうなるんだっ(のよ)!」」



突如現れた2人にハイキックを見舞われた、白と水色。ありがとうございました。




ゆ「ったく、せっかくあんたらにチョコ作ってきてやったってのに……ホラ男子共並びなさい!」


「「「「おお……」」」」


野「……一片の悔い無し」


ゲシッ


……なんかアホが成仏しかかってるのでとりあえず蹴り入れておいた

つか野田のだけデカくね?気のせい?


ゆりと遊佐、関根は全員に渡しているようだ


関「ほらたっきー味わって食えよ?」

滝「なんか入れてねーだろうな……」

関「入れたのは変なもんじゃないから安心ですよ」

何時にもまして関根はニヤニヤ顔をしていたが何なんだろう


どれ……

滝「おお!うめぇよ関根!サンキュな」

関「えへへ……当然じゃん」


関根の頭をワシャワシャしてやったのだが……


……


なんだこの背後から感じるプレッシャーは……

岩「……光」

滝「ふぁい!?」

岩「私達の関係を言葉で表すと、何?」

滝「俺の自惚れでなければ……恋人です」

岩「そうだね。あたしもそう思ってる」


凄く優しい声、

しかし騙されるな……プレッシャーは相変わらずのままだ。


岩「……私のチョコはいらないかな」

滝「そ、そんなことはないデス。今日一日ずっと待ち焦がれてました」

岩「んじゃ関根とかゆりにデレデレする必要はないんじゃない?」


shit……じゃない、嫉妬してらっしゃる?


スルスルと腕が後ろから伸びてきて口元に一口大の茶色の塊が……



滝「甘い……」

岩「オーケィ、もっと食うか?」





俺の前にテクテクと歩いてくると口元にまたチョコを運んできたので、なんか嬉しくなって指まで口に含んだらドン引きされた上、何故か関根とひさ子も加わった3人に無言でブーツキック食らいまくったけど……




(すげぇ甘い……)









Happy end!


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