another departure
ここは…どこだ…
目の前にはただ綺麗な夜空が広がっていた…
「よっと…」
寝ていた体を起こす
「どこだ?」
大きな校舎の隣りに校庭が見える。少なくとも俺がいた高校ではなさそうだが
ええい…まずは状況を…
「目が覚めた?」
「は?」
突然掛けられた声に反応して、振り向いた。
そこにいたのはデカいライフルを構えた紫のショートヘアの女の子
……目の前にいるのはどう見てもゆりっぺ……コスプレ……?
「ちょっと聞いてるの?まぁいいわ。ようこそ、『死んでたまるか戦線』へ
突然だけどあなた、入隊してくれないかしら」
「……カメラどこあと?自分でちょっと痛いなぁ…とか思わな「殺すわよ」ゴメンナサイ。銃ハヤメテクダサイ、サー。」
「私は女。で、入るの?……えーと」
「岩沢だ。まず戦線ってのはなんだ」
まずは流れに従っておいた方がいいだろう…知ってるとしても。
「へぇ……岩沢、君ね。私はゆりよ。
みんなはゆりっぺとか…まぁ呼び方はどうでもいいわ。そして死んでたまるか戦線、まぁ元は「簡潔に頼む」
そしてゆりから戦線名の変遷、順応性を高めろ、新しい部隊名を考えろetcetc一気にまくしたてて言われた
「そしてアレが戦線の敵、天使よ…ってアレ?いない」
『新入生の滝沢光君ね。』
うぉっびっくりした!!……いつから後ろにいらっしゃったんですか天使ちゃん
む、本名知ってんのか……名簿もあったしわかるのか…
「ああ、しかしそれは仮の名前「ハァ?滝沢ってあなた岩沢君じゃ…」将来は岩沢だからいいんです!」
ゆりが「ああ……アホなのか……」
みたいな目で見てるような気がするけど天使…立華奏との会話を続ける。
「滝沢君、いきなりだけど寮に案内するわ。ついてきて」
「ああ、わかっ「はぁ!?なんで!?わけわかんないわ!!どうしたらそんな思考にいたるの!?さっきの話聞いてた!?いっぺん死んだら?」……」
「……これは死ねない世界でよく使われるジョークなんだけど…ってそんなことはどうでもいいの!な、ん、で天使の方に行こうとするのよ!」
「いややっぱ寮の場所知りたいし…」
「仲村さん もう時間も遅いんだからあなたも寮へ帰りなさい」
クールに対応する天使ちゃんとそして脱力するゆり
「もういいわ…また明日で…」
「おやすみなさい仲村さん」
「おやすみゆりっぺ!」「死ね!」
「知らない天井だ…」
どうやら夢じゃないらしいな……
…この世界の事も知りたいし……やっぱりSSSの本部に行ってみるのが一番なんだろうな…
だがどこにあるんだ?
たしか校長室だったよな…
と思ってまず寮から出てみると…
「どうかしたの?」
「……で、どうしてあなたがここにいるのかしら?」
「滝沢君が校長室に来たいっていうから案内したの。」
天使ちゃんに案内してもらいました←
「ありがとな天使ちゃん」
「ええ、でも私天使じゃないわ。
それと授業、始まっちゃうわよ?」
「先生にお腹痛いから休むって言っておいてくれるか?」
「そう、お大事にね」
そう言うと天使ちゃんは教室へ歩いていった
「てめぇゆりっぺを無視するたぁ良い度胸だな…」
痛い。ハルバードが刺さってます。刺さってますよお兄さん。
「痛い痛い…で、昨日の続きなんだが…入隊するぞ?」
ゆ「……まぁ細かいことはいいわ。私たちはあなたを歓迎する、ようこそ
藤「死ぬのはお前だ戦線」
日「走馬灯戦線」
松「決死隊戦線」
岩「絶対絶命戦線」
「「「「へ!!」」」」
息あってねぇなオイ…
ゆ「……そうだ!こいつにも考えさせてあったのよ!
時間はたっぷりあったわ。聞かせていただきましょうか」
滝「……何を?」
ゆ「死んでたまるか戦線に変わる新しい部隊名よ!」
ふむ……
滝「日本解放戦線」
ゆ「パクリだし日本解放しないし」
滝「せんせーぼくもう死んだ世界戦線で良いと思いますー」
ゆ「……そうね」
その後戦線メンバーが改めて自己紹介。
野田に殺されそうになるが…コイツ入隊する人全員にこんなことやってるのか?
そしてみなが解散していく時岩沢がゆりに話しかけた
岩「なぁゆり……滝沢なんだが陽動班にもらってもいいか?」
ゆ「何故かしら?体力はありそうだし戦闘班にいれようかと思っていたのだけれど……」
岩「つまりはそれだ。ガルデモは女だけだし楽器運んだりだとかでどうしても人手不足だからな。」
ゆ「一理あるわね…滝沢君はどっちが「陽動班がいいです、マム」…あ、そう。いいわ、なら今後は岩沢さんの指示に従いなさい」
滝「イエス、マム」
奏とは戦いたくないしなにより…
岩「OK、決まりだ。んじゃメンバー紹介するからついてきな」
滝「了解」
ガルデモのライブを…近くで見るのが夢だったんだ…
----移動中
岩「なぁお前…楽器は何かできるか?」
滝「ん?いやよくわからない…何か弾けたような気はするんだが…」
なんかこう…モヤっとしてるな…『この世界』の事はわかるのに自分の事はわからんとは…
岩「ああ、記憶が無いパターンか…幸せだな」
滝「岩沢は…あるんだよな、その口調からするに…あ、いや辛いだろうし…言わないでくれ」
岩「ああ…気をつかわせてわるいね…」
自嘲するような笑みを浮かべ彼女は言った。
やがて空き教室の一つの前にくるとこちらに向き直る
岩「アタシたちが普段使ってる教室はここだよ」
岩「みんなー、新人連れて来たから挨さ
関「ギャー!!あの音楽キチの岩沢さんがオトコ連れ込んできた!!」
……関根…
入「ほんとだー。誰ですか?岩沢さんのコレだったり?」
少女制裁中…
ひ「…で、誰なんだいそいつ」
関根と入江が岩沢に頭をグリグリやられている中ひさ子が口を開いた
岩「新入りだよ。昨日来たらしいんだが陽動班に貰ってきた」
関「つーかこいつよく見たらケッコーイケメンじゃねーか!音楽しか見えないとおもってたまさみもやっぱり恋する乙女なのか、っていだいいだいいだだだだだだ!!」
岩「やかましい関根!
……やっぱりアタシら女子だけで機材もったりと力仕事はなにかと大変じゃない?だから、さ」
ひ「なるほどね…
でもあんたはこっちでいいのかい?」
滝「ああ。争いは得意じゃないしさ、むしろありがたいよ
…まぁこんなに可愛い子達に囲まれるなんて予想外だったけどね」
ごめんなさい嘘です。知ってましたとも。ええ。
入「可愛いだなんて…」
ひ「言われて悪い気はしないな」
関「姉御には最初で最後でしょーぜ」
ひ「関根お前後で顔貸せよ」
岩「滝沢にベース弾いてもらうか…」
関「まさみィ……あたしを捨てるのかー!?」
入「タンバリンならあるよしおりん」
関「お前もかみゆきちィッ!?」
滝「……ハハ」
……途切れる事を知らない会話に思わず苦笑してしまう
その後ガルデモのみんなは場所を岩沢&ひさ子ルームに移し(女子寮!女子寮ですよ!)俺の歓迎パーティーを開いてくれた。
最初は軽いお菓子パーティーのような感じでワイワイやってたんだが…
滝「…酒はいいのか酒は?」
関「男が細かいこと気にすんなよぅ……私だって酔いたい時くらいあるのさニュフフ」
いや学生だとかそんな事より何故あるんだ…作ってるのか?
というか関根、入江の胸揉むな。男子がいるんだぞ
ひ「なんだぁ?お前だけは私に最後まで付き合ってくれると信じてたのによぉー」
入「ひさ子さん、わたしもう無理ですー…
しおりんもやめてー」
岩「ちゃうねん…うちはただあったかご飯が食べたいんや…」
関根は?ひさ子は泣き上戸で絡み上戸という面倒なやつで真っ赤な入江になだれかかっていて…岩沢は1人なんか壊れてる…
かくいう俺もだいぶ飲んでしまったんじゃないか…?頭がガンガンする…
滝「ちょっと風にあたってくるわ」
本来ならここで1人近くに来てロマンチックな事になるんだろうが……
ほろ酔いどころか完全に酔いが回っている彼女らじゃ期待するだけ無駄だろう……
まぁ素直に今は酔いを覚ますことに
滝「ふぅ……女子のパワーってすげぇな…ってかもうこんなに暗く…」
そしてそこまで言って気づいた。
今は寮は当然閉まっている。そしてここは女子寮。
滝「……………………」
嫌な汗が流れ出す……
どう考えても絶望的なシナリオしか浮かばない……
戦線メンバーに朝見られるだとか……
コンコン ガチャ
『周りの生徒から苦情が出てるから静かに…ってここお酒臭いわ』
……最悪のパターンのようだ……
関「ゲェ!天使!」
奏「中を見せてもらうわよ」
チラッと覗くと関根が抵抗していたが突破は時間の問題だろう…他のヤツら寝てるし…
ゴスッ
あ、撃沈した
奏「やっぱり…没収ね…
でもなんでコップが5つ…?」
……拙い。
ベランダには何もないし…
ガタッ
奏「誰かいるの?」
-翌朝-
少し飲み過ぎたかな…頭が痛い……
とりあえずひさ子達を起こして…って滝沢どこいった?
ひ「…頭いた…」
岩「…滝沢は?」
入「襲われてませんよ?……ってああ、いませんね」
まぁいいか……帰ったんだろ
-女子寮前-
奏「滝沢君、どうしてここで寝てるの?」
滝「………………落ちた」
奏「そう……女子寮から?」
滝「……チガウヨ」
奏「昨日女子寮にいたのね?」
滝「…………チガウヨ」
奏「そう、滝沢君は変態なのね……」
視界がブラックアウトする直前、ハンドソニック、と言う声が聞こえた気がした。