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第三話 俺の彼女の様子がおかしい

 そんな結花の様子がおかしくなったのは、それから一週間ほど経ったある日のことだった。

 「……結花の様子がおかしい」

 俺はそれに気づき、そして俊に相談を持ちかけたのだった。しかし俊は首を傾げる。 

 「……そうか?俺にはいつもと同じようにしか見えないんだけど……」 

 しかし俺はそれを聞いて悲しそうに首を振った。 

 「いや、確かにおかしいんだ。……だって、俺に少し怯えているように見えるし、俺を避けてるみたいだし、なんてったって……昨日のアニメの話をしてこない……」

 「それはおかしい……のか?三木が男に怯えてるのはいつもだと思うけど。まぁ確かにお前にもその様子っていうのはおかしいかもしれないな」

 俊はそう言うと、俺の話に少し真剣に考え込み始めた。そして俺に尋ねる。

 「……何か言ったとか?喧嘩でもした?」

 しかし俺は首を振る。

 「いやっ、それは無かった。昨日はいつも通りアニメと次のデートの話をして一緒に帰った。その時は、何ともなかったんだ」 

 俺はそう言うと頭をくしゃくしゃと掻いて、そして結花に何があったのかと考え始めた。


 昨日までは何とも無かった。結花の様子が突然おかしくなったのは今朝のことだった。

 今朝偶然にも昇降口で結花と出会った俺は、いつものように結花に声をかけた。

 「おはよう、結花」

 しかし、その時結花はその俺の声にびくりと肩を震わせたのだった。

 その様子に俺はまず疑問を持ったのだが、もしかしたら突然の男の声に俺だと気付かなかったのかも知れないと思い、俺は再び声をかける。

 「大丈夫。俺だよ、達樹だよ」

 俺がそう言って結花の隣に肩を並べると、しかし結花は怯えたように俺から少し離れて挨拶を交わしてきた。

 「た、達樹くん……おは……よ」

 結花は恐怖に満ちた表情をしていた。それは、結花が普段男に向けるような表情だった。

 俺はそんな結花の様子に驚き心配そうに尋ねた。

 「結花っ!?いったいどうした……っ」

 「ごっ、ごめんなさい!」

 しかし結花はそんな俺に頭を下げると急いで走り去ってしまったのだ。

 そんな去り際に見えた結花の表情は、恐怖の中に少し涙が浮かんでいた。


 結花が男に恐怖心を示すのはいつもの事だ。しかし、普通に会話が出来るようになって手まで繋げるようになった俺にそんな態度を示すなんてどう考えてもおかしい。

 きっと俺と別れた昨日から今日の朝までに何らかの出来事が結花に襲いかかったはずなのだ。しかし何度考えても原因は分からない。

 そういうわけで、俺は今朝からずっと悩んでいた。結花に襲いかかった出来事とはいったい何なのか。

 すると、そんな俺を見ていた俊が心配そうな俺を見かねて声をかけた。

 「まぁ、俺も俺なりに考えたり調べたりしてみるよ。だから、なんだ……元気出せよ?」

 「……あぁ。そうしてもらうと助かる。……ありがとう」

 俺はそう言って俊に微笑みかけると、今度は片肘ついてまた考え込みはじめた。


 結花は昼休みにいつもの場所にも昼食を食べに来なかった。

 俺は一人パンを囓りながら物思いに耽る。そして、気分は最悪なまでに沈んでいた。

 今日もいつものように噴水が太陽の暖かな光に照らされて宝石のようにきらきらと輝きを見せている。そんな中、俺は暗い顔をしてずっと思案を巡らせていた。

 ……もしかしたら、あの時のごめんなさいは……。

 俺はそんな最悪の状況までも考える。しかしその考えが浮かんだときは直ぐさま俺は首を振った。

 ……いや、そんな筈はないっ。そんな筈は……。

 しかし俺はその後完全にそう言い切れる立場に居ないことを思って、口籠もり表情を陰らせる。

 そして、俺は一つの考えに辿り着いた。

 ……俺は結花にとってなんなのだろうと。

 結花は前に言った。俺のことがずっと気になっていたと。俺の笑顔を見るのが心の支えだったと。俺が助けにいったときは嬉しかったと。……俺のことが―――大好きだと。

 しかし今となってはそれが結花の本心だったと言い切れる自信がない。もしかしたらずっと結花は俺と恐れていたのかも知れない……。

 しかし俺は首を振る。こんな思考を繰り返す俺に嫌気が差した。

 そんな筈はない。そんな筈はないんだ。あれは、間違いなく結花の本心の筈なんだ……。

 俺は自分にそう言い聞かせる。そして決意した。結花にはきっと俺を避けなくてはいけない理由があるはずなんだ。俺はそれを取り除いてやらなくちゃっ。

 ―――俺は結花の事が好きだ。愛しているんだ。だから結花が何処に行ったって、どう思っていたって、俺は結花を信じる。結花を助け出す。

 そう決意すると、俺は最後の一口を口の中に押し込み教室に向かって歩き出した。

 今日も太陽は暖かに微笑みながらこの世のあらゆるものを皆平等に照らす。そんな光を浴びて小鳥は平和に囀り、蝶は嬉しそうに花から花へと飛び移っていた。

 しかし、そんな太陽は皆に対して味方であるわけではない。

 俺が決意を固め教室へと歩き出した刹那、俺にとってこの世の終わりを告げる天使の喇叭のように携帯の着信音が鳴った。

 俺はそれを聞くと携帯を開き受信ボックスを確認する。

 ―――その時の俺は、そのメールの内容を知らなかった。知るよしも無かった。

 だからこそ、俺はメールを開いたことを後悔する。それはあまりにも唐突で、そしてあまりにも衝撃的な内容だった。


  別れましょう。さようなら


 俺はそんな文章を目の当たりにして、思わず立ち止まってしまった。

 ……え?

 そして、文章の意味が分からずに暫くそれを眺めながらその場に立ち尽くす。

 ……ワカレマショウ?サヨウナラ?……なんだその言葉は。どういう意味だ?

 俺は暫くその文章を見つめていたが、その意味を理解することが出来ない。全く、今俺がどんな状態にたたされているのかさえ分からない。もうすべてが理解出来なくなってしまった。頭が一瞬で真っ白になって、今目に映っている文章がその真っ白な空間に意味も分からず渦巻き始める。ぐるぐると渦巻いてはその文は消えずにその場に残留し、そしてまた改めて同じ文が渦巻き出す。その繰り返しが長く感じられる時を永遠に占領していた。

 しかしそんな長く感じられた時は、実際にはそんなに長くはなく。初めのメールが来てから少し経った時にまた俺の携帯が鳴った。同じ送信者からだった。

 

 だからもう、私に近寄らないで下さい。


 そこにはそう書いてあった。俺はそれを見て目を覚まし、今の状況をすべて理解した。

 ……あぁ。俺、フラれたのか。……あの、俺の大好きな結花に。

 それを理解したあと、俺は涙が込み上げてきた。しかし、こんな場所で泣くのはみっともないと思って必死に涙を押し込める。すると、その後には後悔ばかりが残った。

 それは無惨に心の中に積み重なっていき、そして俺の中に重く深く突き刺さった。しかしそれをどうしようとももう取り除く手段はない。すべては過去の自分の責任であり、今の自分には後悔という思いはどうすることも出来ないのだ。

 俺はそんな自分に怒気を感じて拳を強く握りしめる。そして仕方なく、陰った表情を見せたまま俺は教室へと歩き出した。

 しかしその時、またもや俺の足を止める着信音が鳴った。俺はそれを聞いて驚き携帯を手にする。

 それは着信音からして通話であった。画面を開いてみると、そこには俊と名前が書かれていた。

 俺はそんな突然の友人からの電話に訝しみながらも通話ボタンを押す。するとそこから聞こえだしたのは、少し慌てたような俊の真剣そうな声だった。

 「もしもし達樹?おい、早く今から言う場所に来てくれ。三木がどうしてあんな様子なのか少し手がかりが掴めたぞ!教えてやるから三階の視聴覚室まで来い」

 俺はそんな俊の言葉を聞くと校舎の中へと走り出した。先ほどとは別人のように目に魂を宿して表情を険しいものへと変えながら。


 空がまるで闇に飲み込まれたかのように昼間の青から一面の黒へと色を変えた同日の夜。俺はとある用事の為に近所のコンビニへと来ていた。

 闇のように黒がこの世を支配する夜の世界だというのに、相変わらず現代の夜はコンビニから発せられる白い光と灰色の道を我が物顔で闊歩する車のライトでほの明るい。今日も月が空にボンヤリと浮かび、星は姿を掻き消されていた。

 俺はそんな世界で、コンビニの光にボンヤリと照らされながらある人物と待っていた。パーカーのポケットに片手を入れ、携帯を意味もなく弄りながら俺は其奴を待つ。

 しかし俺はかれこれこの場所に一時間ほど待っていた。実は俺は、今日その人物がこの場所に来るのかも知らないし、その人物の顔も名前も知らなかった。所謂待ち伏せというものである。その人物がこの場所に来れば、当然俺は目的の人物なのか判別出来るのだが、しかし俺は其奴の顔は分からない。俺は静かに耳を澄ませ、息を潜めて獲物が来るのを待っていた。

 生暖かい風が俺の前を吹き抜ける。地面に捨てられていたコンビニのレジ袋がカサカサと音をたてて転がった。その音に近くを通りかかった野良猫が耳をぴくりと動かし、闇の中でよく輝く宝石のような目を見開いてこちらを見ていた。

 その時、俺の耳にも興味のある声が届いた。俺はその声に緊張を感じ、密かに注意を払い耳を澄ませる。すると俺の耳にはその―――下品で汚い男の声が響き始めた。


 「でさー、オレあんときパネェきんちょーしてよぉー、んでこーふんしまくりだったんだわー。マジだわマジー」

 「マジかよそれっ、ウケるんだけどーっ。爆笑ー。あれ?ゆーかちゃんはまだかにゃ?」

 「うわっ、キモっ!にゃとかありえねー。ウゼー」

 「もう来んじゃねぇーの?約束破るような悪い子ちゃんじゃねぇだろ?あんなかわいーお顔して、汚ったねー事は何もしてねー今時ありえねーくらいのチョーピュアなゆーとーせーだかんなっ」

 「ホント今も昔も変わんないわー、マジありえねーくらいっ。そうゆーのみるとさ、オレむしょーにこーふんして汚してやりてーんだけどっ。なぁ、いっかいお持ち帰りさせろよー。いっぱつやらせろー」

 「ばーか、お前にはやんねーよっ。それにそれはカネが無くなったときのさいしゅー手段にとっとくんだから、まだ汚させねぇーよ」

 「うわー、なんかサイテーなゲス彼氏みてーなセリフー」

 「やめろよー、オレがゆーかちゃんの彼氏になんだからー」

 「はぁー?マジでいってんの?馬鹿じゃねぇの?お前に彼氏がつとまんのか?精々お前じゃ一晩付き合ってぽいだろ。しかもいっぽー的に」

 「はっ?ナメんなよ?いっしゅーかんはもつわー。もたせるわー。それからぽいするわーっ」

 「けっきょくぽいすんじゃん」

 「だってあきるじゃーん。それに世界の人々がオレのことをまってんだよっ」

 「うわキモっ。ちゅーにびょうっぽ。マジキモイ。近寄んな」

 「おいっ、キモイから近寄んな。そんな会話をはくちゅーどうどうすんな。キショい」

 「はくちゅーどーどって何語?」

 「日本語ぉー」

 「どーゆう意味?」 

 「はくちゅーでどーどーとすんなっつー意味」

 「はくちゅーって何」

 「しらねぇっ」

 

 そんな低俗な会話を繰り広げているのは、見るからに頭の悪そうなだらしのない田舎者丸出しの格好に身を包んだ三人の不良で、年は俺とあまり変わらなそうだった。耳などには趣味の悪そうなピアスがぶら下がり、髪は不自然に金色や赤、茶色に染まっている。

 出来れば絡まれたくないと思う典型的な不良だ。絡まれたら最後、無事では帰れないと思っても良さそうである。

 しかし俺はそんな不良たちを見つけると口角を上げ、そして自らその不良たちに近づいていった。俺は不良たちの前に道を遮るように立つと、口元に笑顔を残したまま其奴らに話しかける。不良たちは突然の障害物に顔をしかめ俺のことを鋭く睨んでいた。

 「……あぁっ?誰だてめ……」

 「なぁ、聞きたいんだけど」

 俺はあくまでも口元に笑みを残したまま口を開き、そして不良たちに尋ねる。

 「ゆーかちゃんが、なんだって?笑い声さん?」

 そう尋ねた俺の顔には、口元の笑みとは裏腹に憤怒が浮かんでいた。いつも穏やかに佇んでいる瞳は、まるで獣のように鋭く尖ってぎらりと不良たちを睨め付けていた。


 「三木が昨日不良に絡まれてるのを見たっていう奴が居た。そいつはバイトの帰りに通りすがっただけらしいんだけど、確かに三木だったらしい。それに珍しくお前としか話さない三木が其奴らと会話をしていたって。しかもはっきりと自分の意見を主張するように。……まぁそれはそんな感じに見えたってだけなんだけど。でも確かにきちんと会話をしていたって。その目撃者は残念ながら女の子で怖くて本当に遠目に見ただけなんだけど、……三木は相当怯えてたらしいぞ?」


 俺は俊にそう言われたとき確信していた。この事件の黒幕は笑い声たちであると。

 結花が俺以外の男と会話するなんてよっぽどのことが絡まない限りないだろう。それもはっきりと結花が自分の意見を主張するなんて普段じゃまずあり得るはずがない。それと相当怯えていたという目撃情報、俺と突然別れを切り出したこと・・・・・・。それを纏め、そして俺はこう推理した。

 結花は昨日コンビニへと出掛けた。しかし昨日は偶々運が悪かった。結花は昔自分を虐めていた笑い声たちに会ってしまったのだ。

 結花は驚いて、そして逃げようとした。結花は途轍もなく怖かったはずだ。怯えていた筈なんだ。しかし、笑い声たちも驚いた。何しろ結花があまりに可愛く成長していたし、それに―――何ていったって勝敗は無かったにしろ昔ボコボコにされた男の彼女が目の前に現れたのだから。

 笑い声たちは知っていた。現在俺らが付き合っていることを。そして思いついた。結花を人質にして俺を誘き出そうと。

 笑い声たちは結花を捕まえて取り囲むときっとこう告げた。達樹を連れてこいと。しかし結花はそれを聞いて抵抗した。結花は俺を痛い目に遭わせたくなかった。きっと結花は必死に抵抗したのだろう。

 笑い声たちは相当困ったはずだ。彼らは結花が恐怖に耐えきれずに俺を差し出すと思ったからだ。しかし結花は抵抗した。俺を差しだそうとはしなかった。俺が結花にこの場に連れてこられて居ないからそれは確かだろう。それどころか、結花は俺をふってまでも自分に近寄らせようとしなかった。それは結花なりに俺を助けようとしたのだろう。それはかなり必死だったに違いない。

 その為に笑い声たちは俺を呼び出すことが出来なくなった。だから今度は、危害を加える予定では無かった結花を使う事にした。金をあるだけ巻き取り、そして最終的にはきっと俺をおびき寄せるために痛い目に遭わせて人質に使う筈だったに違いない。

 俺はそう推理すると、今日もその笑い声たちが同じコンビニに現れることを予想してここに待ち伏せていたと言うわけだ。

 まぁ、この推理が外れていたら俺はとんだ自意識過剰の妄想癖の変態だろう。しかしそれでも俺はここに来ずには居られなかった。少しでも俺の思ったことが事実である可能性があるならば、結花が一人で苦しんでいるのなら、俺は結花を助けたい。

 そういう思いで俺はこの不良たちの前に立ちふさがっていた。これが外れであったら俺はもう為す術がない。

 しかし強ち俺の推理も間違っていないようだった。

 不良たちは俺を見ると最初訝しそうに睨んでいたが、しかしその後思いだしたように口元に笑みを浮かべた。そして不気味に嬉しそうに微笑んだ。

 「あぁ、誰かと思ったら達樹くんか。お姫様をきゅーしつした王子様……だったよね?」 「それがどうした?早く質問に答えろ。結花に何をした」

 俺はそんな不良たちに動じず睨み付けたまま尋ねた。しかし不良たちは笑うばかりで質問に答えようとしない。そして不良たちは俺に向かって告げたのだった。

 「あ、そーそー。俺たちさぁー、実は達樹くんのこと探してたんだよねぇー。……あの時の借り、まだ返してなかったもんねぇ?」

 「……ちょっと来て欲しいところがあるんだけどぉー?いーいー?達樹くん?」

 そう言って不良たちは俺を睨みつけたまま下品に笑うのだった。相変わらず、笑い声たちは下品で不気味な笑い上戸だった。


 場所は変わりコンビニ裏の公園にて。俺は怒気を纏いながら不良たちと睨みあっていた。

 不良たちも相変わらずの表情で俺のことを睨んでいる。

 生暖かい風がその間を流れ、闇に染まった樹木がカラカラと音を立てる。遊具たちはその音にただじっと無表情で、闇の中からその目を無気力に夜空へと向けているのだった。

 そしてそんな中、俺はもう一度質問を繰り返した。獣のような目は、よりいっそう輝きを増した。

 「……結花に何をした」

 するとそんな様子がお気に召したらしい不良たちは口から笑い声を盛大に漏らしながら質問に答えた。

 「くはははっ!まだ何もしてねぇさ。ただ、ちょっと怖がらせちゃっただけかなぁ?金だって昨日持ってた二千円しか貰ってねぇし、身体にはまだ肩しか触れてねぇ。……まぁ、お前から俺らんとこきてくれたしぃ、これからはお前次第で手を出さないって誓ってもいいいよぉ?」

 俺はそれを聞くと微笑んだ。そして返事をする。

 「そうか。じゃあこれからは結花に指一本触れないって誓って貰おうか?」

 それを聞くと、不良たちは俺の近くによりながら一歩的に条件を伝えてきた。そして楽しそうに不気味に笑う。

 「じゃあ土下座しろよぉーっ。俺らに喧嘩売ってすいませんでしたぁーってぇー」

 「すみませんでしたぁーじゃねー?もうしましぇーんっなんつーのはどー?」

 「あひゃひゃひゃっ!そりゃ傑作ぅっ!じゃあ生まれてきてすみましぇーんってのはどぉ?」

 「くははははっ!てめぇ俺を笑い殺す気かぁー?殺すぞこらぁー」

 俺はその条件を聞くと馬鹿馬鹿しそうにクスッと微笑み、そして返事をすると不良たちの前でしゃがみこみ始めた。

 「分かりました。じゃあ……」

 そして俺はしゃがみ込むと体制を整え―――不良たちに向かって思いっ切りローキックを繰り出した。すっかり油断をしていたらしい不良たちの足に、その攻撃は見事に的中する。驚く不良たちを尻目に、俺は言葉の続きを口にした。

 「じゃあ、誓って貰えるようにお前らを動けなくなるまでボコボコにしてやろうか」

 そう言うと俺は態勢を整えてふらつく不良たちに鋭い蹴りを一蹴してやった。


 斯くして俺と不良たちとの喧嘩が始まった。夜闇に溶けた公園から男たちの太い声と肉体に鋭い衝撃が刻まれていく鈍い音が鳴り始めた。

 俺は、あの日から何もしてこなかったわけではない。笑い声たちが必ず優等生に育つなんて考えられなかったし、実はあの日俺は結花を自分の手で救い出せなかったことに悔いていたのだ。

 だから俺は笑い声たちが報復にくるであろう事を予想してそれなりに身体を鍛えていた。喧嘩こそしたことは無かったが、しかし俺は地道に自分を鍛えてきた。

 結花と付き合い始めてからは、前よりも必死に自分を鍛え始めた。結花に何かあったときには今度こそ俺が守ってやりたいと思ったからだ。あの日守れなかった分まで余分に。

 しかし結果的には、結花が人質に捕られる事を想定して何らかの対策を取らなかった自分に腹が立っていたりする。あの日結花を守れなかった事を除いて後悔があるとすれば、そこまで利口でなく回転の悪い頭脳であろう。

 俺は不良に腹、頬と鋭い拳を叩き込むと足を上げ空気を切る様にその足を廻して後ろにやってきた別の不良と共に薙ぎ払う。

 するとそこにもう一人別の不良がやってきて俺の後頭部目掛けて肘を打ち込んできた。俺はそれを確認するとその一撃を避け、そして攻撃が外れたためにバランスを崩したその隙を狙って腹に一発拳をねじ込ませる。するとその不良は苦しそうに腹を押さえて倒れていった。

 暫く俺たちの闘争は続いた。品のない音が響き続け、そして風に促された樹木が俺たちを見て蔑むようにカラカラと音を立てる。闇の中を徘徊する猫は、俺たちをみて驚いたように跳んで逃げていった。

 しかしどんなに身体を鍛えていたって、一対三は分が悪すぎた。不良たちにダメージを与える事こそ出来たが、俺も同じように攻撃を受けてしまった。

 俺は息を切らせて少し後方へと下がると、息を整えながら相手の様子を窺っていた。不良たちは一人が地面に転がっている他は、俺と同じようにしてる。が、流石は経験の違いか、不良たちの方が俺よりも少しばかり余裕があるように見えた。

 「おいっ、達樹ぃー、早くさっさとくたばれよ……うぜぇーんだよ……」

 「てめぇ、オレらにこんなことして、ただですむと……思ってんのかぁ?……あぁん?」

 「それはこっちの台詞だっつーの。……さっさとくたばれよ。……それで俺に……二度と結花に手を出さないって・・・・・・誓え」

 俺らは息を切らせながら眼を飛ばす。すると俺のその様子を見た不良たちがちっと舌打ちをし、再び俺に向かって襲いかかってきた。俺はそれを見て拳を構える。

 しかしその時、急に世界がグラッと揺れた。俺は頭部に違和感を感じ、頭を抑える。

 どうやら先ほど頭部に打撃を受けたときに少々負傷したらしい。頭を抑えた掌には生暖かい血液がベットリとこびり付いた。

 俺はそれを見るとふっと微笑んで、その場に倒れてこんだ。

 俺がバタッと音を立ててその場に倒れると、不良たちはしめたとばかりに微笑んで俺に次々と攻撃を仕掛けてきた。身体の至る所に鋭い衝撃と鈍い痛みが響き続ける。

 俺はそんな中、意識を段々と薄れさせながら自嘲的な薄笑いを浮かべ思った。

 ……あぁ。今の俺、最高に格好悪ぃなぁ。……自分から勝手にやってきて、勝手に意気揚々と吠えた癖に……。俺ってやっぱり弱いのな。

 ……いつも大切なものは守れなくて……。

 ……今回も、俺は結花を守れないのか?

 そう諦め始めて俺の心は哀愁を帯び始めた。

 その時だった。

 「た……達樹……くん?」

 男の笑い声と悲鳴、そして肉体から鈍い衝撃音が鳴り響く闇に沈んだ夜の公園で。その時、一人の少女が通りかかった。

 その少女は公園内で繰り広げられていた乱闘を見ると、信じられないというように驚き手に持っていたトートバッグを落とした。

 あまりの衝撃の光景に驚き放心して、無意識のうちに少しずつ前へ前へと歩き出す。

 「う、嘘……だよね……?だって、近寄らないでって言って……そんな、達樹くんが、嘘だ、嘘だよ……そんなの、なんで……」

 そう言って少女はゆっくりと歩き出すと、少し歩いたところでその場にガクンと膝をついた。

 「何で……何で……」

 そう呟きながら少女は涙を流し始めた。涙は止まることを知らず、するすると流れ出る。そんな少女の涙は周囲の街灯や建物から洩れた光で照らされて、光を帯びながら神秘的な滝のように流れ続けていた。

 不良たちはそんな少女の声を聞いて少女の姿に気がつくと各々の動きを止めた。俺の身体から彼らの手足が離れる。

 そしてそんな驚きを隠せない様子の少女に向かって、不良たちは笑った。嘲るように下品な笑みで。そして少女に向かって言い放ったのだった。

 「あぁ、ゆーかちゃん。遅かったねぇー、……いろんな意味でよ」

 「くはっ!……こいつはばかでよー、ゆーかちゃんが必死に助けよーとした事もむだにしてさー、一人で勝手に喧嘩売って来たんよー」

 「だからまぁーさ、あんのじょーこのザマでさぁー、ザマぁーみろっつーわけよ。あひゃひゃひゃっ!」

 結花はその不良たちの姿を見てそして声を聞くと、恐怖に怯え身体を細かく震わせながら再度驚きを見せた。結花にとってこの展開は全くもって予想外のことだったのだ。

 「え……?何で、そんな……。私に近づかないでって、言ったのに……何で、達樹くんは……」

 結花はそう言いながら涙を流し続けていた。結花は嘲笑う不良たちと地面に倒れ込み血を流している俺の姿を見て恐怖に身を震わせている。

 俺はそんな結花の姿を少しぼやけ始めた視界の中に捉えた。そして涙を流す結花を見て俺はその姿にはっと心を奪われる。

 ……結花が泣いている……?あの日と同じように、怯えながら。

 ……俺はそれを、今回も救えないのか?あの日二度とこんな事はさせまいと誓った筈なのに。この日のためにずっと自分を鍛えてきたはずなのに、俺は目の前で泣いている結花を救えないのか?

 俺はそんなことを心の中で自問自答すると、あることを決心して拳を固く握りしめ、そしてゆっくりと傷だらけの身体を動かして震えながらも不良たちの前へと立ち上がった。 不良たちはそんな俺の姿を見てギョッとした。血にまみれている俺が立ち上がるなんて夢にも思っていなかったらしい。

 俺はそんな不良たちを尻目にふらつく身体を何とか起こすと結花に向かって告げた。

 「……結花の馬鹿やろうっ!」 

 「え……?」

 俺は起きあがると突然結花に向かって怒鳴った。結花は目を丸くする。俺はそんな結花に向かって、言葉を続けたのだった。

 「俺に何の相談もしないで、勝手に悩んで、勝手に解決しようとして……。心にも無いようなこと……そんな悲しいことなんか言うなよっ!」

 そんな俺の怒鳴り声を聞くと、結花はそれで少し目を覚ましたらしく俺に反論した。

 「だ、だって私はもう、達樹くんを痛い目に遭わせたく無かったんだもん!只泣くことしか出来ない私の前で、恩人が傷だらけでいるところなんて、もう見たく無かったんだもん……」

 結花はそう言うと悲しそうに涙を手の甲で拭いながら鼻を啜った。俺はそれを聞いて、会話を続ける。

 「でも!たとえ結花がどんな風に思っていたとしても、俺は結花に頼って欲しかった。俺はあの日、俺は結花を助けてあげられなかったことが、苦しかったんだ、悔しかったんだ。だから、今度こそは結花を助けたい。……俺は、今度こそは結花を守るんだっ!!」

 俺はそう言い切ると不良たちに向かって真っ直ぐに鋭い拳を繰り出した。

 不良たちは突然の俺の行動に驚き、どうすることも出来ずに俺の攻撃を正面に受けた。

 不良がグハッと悲鳴を上げる。するとそれを見ていたもう片方の不良が俺に向かって驚きの声を上げた。

 「ちょっまっ、ちょっまっ!はぁ?なにすんだてめぇー!いきなりとかずりーぃだろうがぁー!」

 俺はその声に再び口元だけ微笑むと、瞳に獣のような光を取り戻しながら言い放った。  「……は!倒れた奴を寄って集って踏みつけるようなやつに言われたくないねっ。……ましてや女の子が目の前で泣いているのに、それを笑いながら眺めているようなお前らは、虫螻以下だっ」

 俺がそう微笑みながら言うと、不良たちはどうやら癪に障ったようで、頭に血を上らせた。

 「はぁ?またいきよーよーと吠えやがって……っ!クソがっ」

 「じゃあその口が二度ときけなくなるように、オレらがぶっとばしてやんよっ!」

 不良たちはそう言い放つと、俺に向かって襲いかかってきた。不良たちの鋭い拳が俺に向かって飛んでくる。

 しかし俺はそれを見ながらもなお、口元に笑みを残したままだった。獣のような光の籠もった鋭い目で不良たちを睨み、そして俺も拳を構える。

 その時、不良たちは俺に向かって鋭い拳を繰り出してきた。俺は、それを鋭い目つきで見ていた。

 刹那、その闇に溶けた夜の公園に鈍い音が響き渡った。少し急に肌寒さを感じさせる風が吹いた。その風に樹木が驚いたようにカラカラと音を立てて揺れる。そんな中で、遊具たちは終始沈黙を続けていた。


 田舎町のさして大きくもない夜の公園に、男の荒い呼吸音が響き渡る。公園の地面には息を荒げた傷だらけの三人の男が転がっていた。その男たちの風貌はどう見ようとも柄の悪そうなもので、その男たちだけを見ると、一見そこは只の不良の喧嘩の後の様に思われた。

 しかし、そんな男たちの中心に佇んでいるのは、地面に横たわる男たちと見比べれば至って善良そうな一人の少年だった。身体のあちこちに傷があり、そこからは赤い血が流れている。

 少年―――つまり俺は、己の血に所々染まりながらそんな公園に息を荒げながら何とか足を踏ん張り地の上に立っていた。どうやら、俺は不良たちを倒したらしい。

 俺はその事実に気がつくと、ふうっと肩を下ろしてその場に膝をついた。緊張が解け、そしてその後にはただただ激痛と疲れがやってくる。

 すると、少し離れた場所に座り込んでいた少女が、そんな俺を見てこの場に近寄ってきた。俺はそれを見ると、近くにいる不良たちの事を思いだし、少女の男性恐怖症を配慮して少女にゆっくりと近づいていった。

 「……達樹くんっ!大丈夫っ!?」

 先ほどまで恐怖に怯えながら泣いていた少女―――結花が俺にかけた第一声は、そんな言葉だった。俺はそれを聞いて、微笑みながら答えを返す。

 「あぁ、何とか……って、ボロボロだけど」

 それを聞いた結花は、そんな俺の言葉に緊張を解いて俺に笑みを見せた。俺はその表情を見てはっと心を奪われ、そして微笑む。

 すると、そんな俺を見ながら、結花が言った。

 「……ありがとう。私を、守ってくれて。……すっごく嬉しかったよっ」 

 「どういたしまして。結花」

 俺はそのお礼にきちんと返事を返した。そして、俺たちは微笑み合った。

 しかしそのうち、そんな結花の表情は段々と悲しそうなものへと変わっていった。俺はそれを見て最初は驚いたが、しかし次の結花の顔を見て安堵の微笑みを見せる。

 「達樹くーん……っ、ひぐっ……怖かったよー。……うっ、うわぁーんっ!」

 結花はそう言ってまた泣き始めてしまった。俺はそれを見て、結花に声をかける。

 「結花はずっと一人で頑張ってたんだもんなぁー。……俺を守ろうと必死で考えて、悩んで……。怖くてしょうがないのに、男に囲まれながらも必死に抵抗したんだっ。……怖かったよなぁ。ごめんなっ、その時助けてあげられなくて。……よく頑張ったな、結花。偉いよ」

 俺はそう言うと結花の事を抱きかかえようとした。しかしすんでのところで結花が男にあまり触れられない事を思いだして止めた。……それに俺血だらけだし。

 しかしその時、その可愛らしい顔に涙をぼろぼろと流し続けている結花が、俺の胸に飛び込んできて、そしてそこで自分の顔を隠すように涙を流し始めた。

 俺はそれを見てとても驚いた。一瞬、何が起きたのか分からなくて戸惑っていたのだが、しかし結花の泣き声を聞いてすべてを悟り、そして俺は結花を優しく抱きかかえた。

 闇に溶けたように暗い夜の公園に少女の泣き声が響き渡る。樹木がそんな少女を慰めようとか、風に促されてカラカラと音を立てた。遊具が闇の中でただじっと沈黙を続けている。

 しかしそんな夜の公園にも、光がないわけでは無かった。公園の角に立てられている街灯や周囲の建物から洩れる光でボンヤリと照らされている。

 少女の泣き声が夜の公園に響いている。しかしそれは何処か暖かく、安心感をそそられるようなものだった。


 今日も空は相変わらず白い雲を気ままに浮かばせながら何処までも青く透き通る。そんな空には時々飛行機が横切り、忙しそうに目的地へと向かっていった。

 木々が大分緑を帯び始め、日差しも鋭くなり始めた季節に。俺はそんな日差しに目を細めながらビルの森の中を結花と共に歩いていった。

 あれから一ヶ月ほどたったある日。俺は例の如く池袋へと来ていた。

 本来ならあの日別れたことになっているのだが、しかしあれは結花の本心では無かったし、そのことについてはお互いに理解していたために見事俺は結花と復縁を果たしていた。

 あの後、俺は不良たちに言ってきちんと誓いを守って貰った。きちんと額を地面につけて謝って貰い、ついでに結花に謝罪もして貰った。その後の不良たちの逃げようと言ったら言うまでもない。思わず声に出して笑ってしまった程だった。

 そしてその後俺は結花を家まで無事送り届けると、自宅までたどり着き、玄関まで足を踏み入れたところで力尽きて倒れた。当然傷だらけの俺をみて家族は驚いたのだが、俺が理由に困って咄嗟に転んだだけだと説明すると、そうかと笑ってその後は何も聞かずに暫く看病してくれたのだった。

 「達樹くん!ほらほら早くっ!」

 俺がそんな回想をしていると、結花が少し後ろに歩いていた俺に気がついて声をかける。 俺はそんな結花を見ると、結花に駆け寄り手をしっかりと握りながら結花に話しかけた。

 「そんなに急がなくたってアニメイトは逃げないぞ?」

 「……へへっ、そうだねっ。それに今日はいつもより早く来たもんねっ」

 「あぁ。だからさ、ゆっくりと歩こうな。お喋りしながらゆっくりと」

 「うんっ!ゆっくり行こっかっ。……でね、昨日のアニメなんだけどね……」

 俺たちは手を繋ぎながらゆっくりとサンシャイン60通りを歩いていった。

 いつもの如く、このデートは途轍もなく疲れるのだが、まぁいい。結花の笑顔が見れれば俺は十分満足だ。結花が俺の手を離さずしっかりと握っていてくれる。それだけで。

 人生は楽じゃない。辛いことだって沢山ある。何度挫折しそうになるかも知れない。

 しかしそれでも、俺はせめて結花の手が俺から離れない間だけでも、きっと俺はそれを乗り越えて見せようと思う。それがきっと、俺に―――人々に平等に課せられた試練なのだから。―――俺は、これからもどんなことがあっても結花を守っていくよ。

 俺はそう心に決意し、結花の手を離さずしっかりと握るのだった。 



 あとがきっ!



 こんにちわっ!小野宮夢遊と申しますっ。

 この度は『俺の彼女は乙女系っ!?』をお読み頂きありがとうございますっ!

 どんな些細なものでも、苦情でも批判でも構いませんので、感想を頂けると幸いですっ。


 本作は如何でしたでしょうか?実はこの作品は私の最初でそして最後と思われる恋愛ものでした。

 第一話から第二話の間がかなり開いてしまったので大変申し訳なく思っています。その件につきましては、誠に申し訳ございませんでした。

 恋愛ものを書こうと思い立ち、投稿したは良いのですが、私が恋愛経験が皆無に近かった為と、男性の気持ちはおろか女性の気持ちもあまり分からなかった事が災いしてどうしても筆が進まなかったのですっ。

 今後はそのようなことがありませんように気をつけようと思います・・・・・・。(毎回言っているような気がするのですが、今度こそは有言実行を目指しますっ)


 今作のヒロインである結花は、実は少しだけ私自身がモデルでした。(といっても、男性が苦手な点とアニメ好きな点のみ。)その設定にいろいろなものを継ぎ足して出来上がったのが、この結花という少女でした。結花は虐めという過去のトラウマにより男性恐怖症になってしまったという少し暗い過去を背負ったヒロインでした。その過程で、寂しさなんかを紛らわそうとしたのか、中学の友達が影響だったのかは私にも分かっていませんが、相当なアニメオタクになってしまったという、前代未聞なヒロインでもありました。実はこのことからこの作品はもう少しコメディチックに書くつもりだったのですが・・・・・・、書いているうちに見事脱線し、大分シリアスな話になりました。アニメオタクという設定は、実はその頃の名残なのですっ。

 続いて主人公ですが、主人公である達樹(主人公名字不明という前代未聞な設定)は、小学生の頃に虐められている結花を助けられなかったことに後悔を引きずっているという少年でした。偶然高校でそんな結花と再び出会いを果たし、見事交際が始まったわけですが、今回は結花を救えたので本人は過去の呪縛から解放され何か主人公を繋いでいた鎖がきれたようですっ。本人は大分満足そうなので、私もよかったと思っていますっ。

 そんな二人が何より巡り会えたことに私は喜びを感じています。二人にはいつまでも幸せにいて欲しいですっ。(多少二人の相思相愛ぶりに嫌気が差したりしていましたが、そのことは今回はあまり触れないようにしようと思います)


 そんなわけで、いろいろなことがありましたが、何とかこの話が完結致しましたことを喜ばしく思います。これも本作を読んで頂きました読者様、皆様のおかげです。本当にありがとうございました。

 これからももし宜しければ小野宮夢遊の作品を読んで頂けると幸いです。

 この度は本当にありがとうございましたっ。

 これからも執筆や勉強等頑張ろうと思いますので、よろしく御願いしますっ。

 それでは、さようなら。お体にお気をつけください。



 H23 12月31日

 ずっと溜めていた今期のアニメを消費しながら 

 

 


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