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終末世界を何度でも

掲載日:2025/12/14

どうも、からあげ大佐です。創世輪廻譚とは関係ない普通の短編小説を書いてみました。いわゆるポストアポカリプス系の小説です。どうぞ読んでみてください



私は歩いている

道を、ただひたすらに


ここは「東京」という場所だったらしい

道に突き刺さる青い看板にそう書いてある


なぜあんな高いところに

看板があるのかを今の私は知らない

人が多かったにしろ

どうしてこの道がこんなに大きいのかを私は知らない


とても高い建物が立ち並んでいる

これを作ったのは「ジューキ」という怪物らしい

昔、誰かが教えてくれたような気がする


このあたりは植物がとても生い茂っている

建物を構成しているとても硬い鉱石を貫通して

巨木が反り立つ姿は圧巻だ


夢中になって見ていると空が赤く染まりだす

今日もまた夜がやってくる

暗くなればとても寒い


「.....今日はこのあたりにしようかな」


いい感じの空洞があったのでそこを仮拠点とする

リュックサックをおろし、テントを立てる

どんな硬い場所でも簡単に固定できる万能テント


周りの気温に対応して涼しくも暖かくもなる寝袋

しかも着たまま走れるのだ、便利


無事にテントを張り終え、仮拠点が完成する

吊るしたランタンに飛行小型機械虫

通称「ナノムシン」が群がっている


「うげぇ...機械避けになる薬草とか探しておくべきだったなぁ...」


手で軽く払うも対して意味はない

諦めて火を起こす用意をする

といっても飛んでるナノムシンを掴んで叩けば済むが


「ほっ、うへぇ...もぞもぞしてるぅ...コンジャは機械虫が多いから火起こしが楽でも...」


薪を集めたところにナノムシンを置き

棒で潰す。パチっと火花が走り薪に火が灯る


「ナノムシンを捕まえるのが気持ち悪くて慣れないなぁ...」


軽く手を拭いてご飯を作る用意をする

鍋を取り出し火に焚べる

鍋に小分けにされたプウㇲとマトマ

スタラパをいれ煮込む


「あーいい匂い。やっぱしこれだよね〜」


完成したリョーリを鍋のまま直接食べる

液体と固体の中間のようなそれを

軽く切ってくちに入れる


「ふー、ふー、あぢっ!、むぐっもぐ、もぐ」


ドゥルリとした食感が口いっぱいに大きく広がる

少しの酸味がちょうどいいバランスで

舌をやけどしながらもつい頬張ってしまう


「はー!ごちそうさま!」


食べ終わり満足気に鍋を置く


「やっぱりこれだね。無味無臭で体内で膨らむタイプもあるけど...こうやって味がついてたほうが絶対いいもん」


誰に対しての文句なのか

コンコンと鍋の残りを焚き火に放り入れて

リュックサックにしまう


外はすっかり暗くなり、一寸先は闇が広がる

だが空は満点のホシ空。

闇との対比が素晴らしくきれいだ


「....ツキってやつも見てみたいな....」


満点のホシも星ではない

太古の文明が現存した時代に

打ち上げられた完全自立人工衛星

自分でエネルギーを作り、自分で判断し

気象情報を送信する

今では返事の来ない手紙を送り続けている


「さてと、そろそろ寝ようかな。ずっと火をつけてたら夜型の機械に襲われちゃうよ〜。」


足で焚き火を蹴り、火を消す

ランタンや荷物を持ってテントの中に入る


テントの中は外から見たときとサイズが違い

ベットや棚、机がある普通の小部屋になっている


「さーてと...日課の日記を書きますか〜...ふふ、いまのだじゃれってやつかな」


少女は机に向かい古く、

ぼろぼろなノートを広げペンを握る


以下、日記の内容


43832日目。ラバの月。第21の日。晴れ


今日はコンジャの中でも

特に大きいと言われてる「東京」にきた

とても広く大きい道が多くあり

見上げるほどの建物が立ち並んでいた


ほとんどの道は草花が地面を突き破っていたし

建物も巨木の一部に組み込まれていた。驚きだよね


ついついいろいろなものに見入ってしまって

食料調達を忘れちゃった。テヘ

でも今日食べた

科学合成食料(ミートソースパスタ味)

はすごくおいしかった!

昔の人たちはこんな美味しいのを

いつも食べてたのかぁ...いいなぁ...


明日は絶対に食料調達をする!

そんでもって、途中一瞬だけ見えたあの...赤い...塔?の方に行ってみる!


それじゃあ、明日も後悔しない生き方と

笑って話せる行動を誓って

おやすみなさい!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


1通り書き終えて、ペンを置く

「私たちの日記帳」と書かれたノートを机の中にしまう


「ふぅ....あー疲れたー!」


ベッドにそのままダイブし

電源が落ちたかのように眠りにつく

人類の消えた東京は不気味なほどに静かで

穏やかだった



日が上り、あたりが暖かく照らされていく

少女も目を覚ましベットから起き上がる

昨日書いた日記帳を手に取り開き読む


「あー!そうだそうだ。赤い塔だったね、あれなんなんだろう...」


パタンっとノートを閉じテーブルの上に置く

リュックサックを持ちテントの外に出る

軽く背伸びをして、軽い体操をする


「んー!これをやんなきゃ始まらないよね!」


テントの固定具を外す。

すると空気が抜けたようにしぼみコンパクトに収まる

それをリュックにしまって背負う


「準備オーケー!出発!」


昨日見た赤い塔の方向に歩き出す

道は草が生い茂り少し歩きずらいが

慣れた足取りでどんどん進む


途中途中で入れる建物を見つけては立ち寄る

なにかおもしろいものはないか

忘れていた食料調達を目的にもして


「んー....あ!なにあれー!」


キョロキョロと周りを見渡している時

なにか気になるものを見つける

足早に近づくとそれは何かをかたどった銅像


「うーん?...なんだろこれ....こういうと、き、は〜」


なにやらリュックをガサゴソと漁って

薄型のパッドのようなものを取り出す

背面に大きなレンズが一つついていて

側面にはハンドルのようなものが左右についている


「ふっふっふ!万能チェキ君!」


ハンドル部分をしっかりと握り

その銅像に向ける。

勢いよく引っ張るとそれは横に伸び

カメラが銅像をスキャンし始める


「これはカメラで抑えたものがなんなのか調べてくれる道具なのだ!って誰に話してるんだろうね〜」


スキャンが終わったのかハンドルを元の形に押し込む

すると万能チェキ君から音声が流れ出す


「古代に生息した犬の銅像。待ち合わせ場所として重宝された」


そう言い終わるとピタッと喋らなくなった

犬の銅像。苔むしてところどころ割れてしまっている


「イヌ...待ち合わせ場所かぁ...そか、君はずっとがんばったんだねぇ....偉い偉い」


頭を軽く撫でる

撫でた衝撃か、それとも風化か

顔の左半分が崩れてしまった


「わぁ!?わ、私しらな〜い!!!」


全速力でその場から離れる



だいぶ走って遠くまできた

入れそうになっているお店?があったのでそこを探索する


「これって...なにを売っているとこだったんだろう...」


壊れて風化しているが、いろいろな棚

カウンター、ガラス張りの扉?がある

ところどころ床に容器やゴミも落ちている


「うーん...古代語は読めないなぁ...万能チェキ君も古代語の翻訳機能はないし.....」


鮮やだったであろう袋状のものを手に取る

パンパンに膨れ上がっていて、中にはなにか軽いものが入っているようだ


「爆発させて注意を引くものかな?えい!!」


壁に向かって投げつける

パンっと勢いよく弾け中にあったものが散らばる

時間が立ちすぎていたのか変色してなにがなんだかわからない


「うわぁぁ...きもちわるーい....」


そこから離れるように別のものを見に行く

外の道側の棚の辺りにはボロボロぐちゃぐちゃの紙が散らばっている


「うーん....本?かな....売っていたのは....あ!」


そのなかで唯一ある程度形が残っているものを見つける

色褪せ、なんなのか分かりづらいが....

裸体に近い女性が表紙を飾っていることはかろうじて分かる


「これって、いわゆるアダルト本ってやつかな....昔の人達はこういうので興奮してたんだなぁ...」


崩さないように壊さないように

慎重にページをめくっていく

様々な写真、イラスト、漫画が載っている


「あたりまえだけど、なにも感じないなぁ....」


古代の文明は高い技術力を持ち

国を、世界を発展させていった

人々はどんどん幸せになっていった


「こういう感じで人類は子を成してたんだね」


人々の幸福が増すにつれ

端的に言えば性交による快楽を求めなくなっていった

少しずつ少しずつ、性交をする者は減っていった


「そのまま人は数を減らしていって...絶滅....か」


ページを閉じ、立ち上がる

正直こんなものは興味がない

今は食料だ。


〜〜〜食料調達中〜〜〜


「いよっし!食料調達完了!!」


リュックにパンパンになるくらいの食料をみつけだした


「さぁ!赤い塔を目指してあるこー!」


そうして赤い塔を目指しててくてく歩き始める

景色はほとんどが変わらなかったが

正面に見える赤い塔が少しずつ大きくなっていくのは

見ていてとても壮観だった

「だいぶ近づいてきたけど....夜も近づいてきちゃったな....」


仕方ないのでこのあたりで夜を越すことにする

いつも通りの仮拠点を立てる


ランタンを吊るし、腰を降ろす

光るランタンに飛行小型機械虫

通称「ナノムシン」が群がっている


「うげぇ...機械避けになる薬草とか探しておくべきだったなぁ...」


手で軽く払うも対して意味はない

諦めて火を起こす用意をする

といっても飛んでるナノムシンを掴んで叩けば済むが


「ほっ、うへぇ...もぞもぞしてるぅ...コンジャは機械虫が多いから火起こしが楽でも...」


薪を集めたところにナノムシンを置き

棒で潰す。パチっと火花が走り薪に火が灯る


「ナノムシンを捕まえるのが気持ち悪くて慣れないなぁ...」


軽く手を拭いてご飯を作る用意をする

鍋を取り出し火に焚べる

鍋に小分けにされたルレカを入れて煮込む


あたりにスパイシーなかおりが広がる

軽くかき混ぜて完成する


「いただきまーす。あ〜む、んー!おいしー!」


スパイシーで辛味のある味が口いっぱいに広がる

液体状の科学合成食料はするすると喉の奥を通っていく


「んぐ、もぐ、はふ...あちち。ふぅ、ごちそうさまでした!」


サクッと片付けを済まして、火を消し

テントの中に入り、ノートを取り出す

慣れた手つき、同じ行動


以下、日記の内容


43833日目。ラバの月。第22の日。晴れ


今日は昨日の言ってた通り赤い塔を目指して歩いた!

途中でイヌの銅像を見つけたよ

どうやら待ち合わせ場所にされてた場所だったんだって

ちょっと壊しちゃったけど大丈夫だよね!.....多分


いろいろなものがおいてあるお店にも立ち寄った

よくわからない袋とか液体の入ったプラスチックなんかが転がってた

あんまり興味はそそられなかったけどアダルト本ってのも見つけた

昔の人達の性的興奮ってどんなのだったんだろ

ま、関係ないけどね


食料もたくさん集めたし、明日は赤い塔を目指すだけで良さそう!

じゃあ明日も後悔のしない生き方と

笑って話せる行動を誓って

おやすみなさい!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そうしてそのままベッドで眠った



朝日が上る、ベットから起きる

日記を再度読み込む


「赤い塔、なにがあるのかたしかめなくちゃ!」


サササッと準備を終わらせて赤い塔目指して歩き出す

歩行型機械獣が道の端を歩いている

赤い塔に近づくに連れて増えてきている気がする


「巣でもあるのかなぁ....」


てくてく歩いてついに

赤い塔の真下までたどり着いた

どの建物よりも高く、見上げるほどだった


「うわぁ!たかーーーい!!!」


遠くから見ると赤が目立ったが

近くで見るとだいぶボロボロで緑がかっている


「すごいすごーい!あ、階段がある...登ってみようかな」


そのタイミングで背後になにか重たいものが上から降ってきたような

ずしぃんという音が響いた

恐る恐る振り返る


「な、なに....?」


そこには戦闘攻撃型機械獣。通称「ハンター」

の中でも特に大きいボス個体

体長はゆうに10Mはあるだろう


「キャ....キャーーーーー!!!!!」


勢いよく走り出し、階段を全速力で登る

その背中をハンターが追いかける

頂上にたどり着くまで鬼ごっこは続く

武器を持たない彼女は戦えない

ハンターは相手が止まるまで追いかける


「はぁ......はぁ.....もう、無理」


頂上までたどりついてしまう

逃げ場はもうない、体力の限界

そこそこ距離を取れたのかすぐ後ろには来ていない


「はぁ、はぁ....うわぁ!たかーい!!キレーーー!!!」


疲れて見えてなかったが、とてもきれいな景色だった

遠くまで見える景色、緑で生い茂る世界

それを見ながら少女は落下していた


「あれっ」


足場がもう限界だったのだ

もっとよく景色を見ようと立ち上がった時

足場が崩れて落下していた


「うそ、うそうそうそ!!!」


ガンっ!ゴキっと支えのポールに激突していく

最後には


ガシャン!!!!


地面に落下をした

地面にはリュックサックの中身と

機械の部品がばらまかれていた




どこか遠くの知らない場所

液体の入ったカプセルが開き少女が出てくる

少女は服を着て、リュックを背負い

そして「私たちの日記帳」

と書かれたノートをもって外に出ていく



その背後には、同じカプセルが無数に並んでいた

43833日ぶりの解放だ






どうでしたか?終末世界を何度でも。は逆にあまり語らないことで考察の余地を残してみました。色々なことを隠してみましたがしっかりと考えられるように伏線を散りばめています。色々考えてくれるととても嬉しいです、読んでくださりありがとうございました

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