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とうとうアナザーストーリーの公式サイトから、タレントが新しくデビューするという告知が来た。


少し、実感が湧いてきた。

そしてなぜか、私の胸までドキドキして、手のひらに少し汗までかいている。

お兄ちゃんが、いよいよ世の中に出る――その瞬間に、私も立ち会うことになるのだ。


告知を見て気づいたことがある。

同期は二人いるらしい。

ああ、いい人だといいな……でも、こればかりはどうしようもない。

一応私は、お兄ちゃんに「デビュー前のお兄ちゃんの同期の人達のことは絶対に私に教えないで」と釘を刺してある。

私だけが知っているのはずるいし、不平等は嫌だから。お兄ちゃんのことを知ってる時点でアウトかもだけど。

どんな人かは、私にも予想はつかない。

けど、お兄ちゃんが自分の力で仲良くなれる人だと信じたい。


さて、お兄ちゃんは初配信で何をやるか、まだ悩んでいるようだ。

とりあえず、VTuberとしての設定やプロフィールをパワポに打ち込む作業から始めているらしい。

趣味、好きなこと、ちょっとした癖……

全部整えてからでないと、初配信は始められないって思ってるんだろう。


私は画面の前で、ふと思った。

「ネタ、ネタかぁ……」

ふむ。いいことを思いついた。

お兄ちゃんが配信で使わなくても、VTuberデビューのお祝いにできるかもしれない――そう思うと、やるだけやってみようかなという気持ちになった。


引き出しから、昔もらった可愛いレターセットを取り出す。

ピンクに小花模様のもの、淡い水色で星が散りばめられたもの、うさぎのイラストがついたもの……

どれも思い出深くて、全部可愛い。

どれにしようか、真剣に悩む。


机の上で、レターセットを一枚一枚手に取りながら考える。

お兄ちゃんは喜んでくれるだろうか。

少しでも笑ってくれたら、それだけでいい。

「よし……これに決めた」


心の中で、そっと呟く。

「お兄ちゃん、頑張ってね。応援してるよ」


まだ初配信は始まっていないけど、私はすでに胸がいっぱいだった。

彼の新しい一歩を、こうして一緒に見守れること――それだけで、今日も世界がちょっとだけ優しく見えた。



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