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断罪寸前の悪役令息に転生したので、ヒロインの幸せを願うことにします。  作者: 陽七 葵
第六章 時空を超えて

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タイムリープ 三回目①

 三度目のタイムリープを実行するまでには二回目よりも更に時間を要した。魔力量云々ではなく、それ以前の問題が発生した。


 二度目のタイムリープで夜会に行かなかったおかげで、俺とリュシエンヌは婚約していなかった。成功ではあるのだ。成功ではあるのだが……。


 俺とルイスは時間を移動している張本人なので記憶はタイムリープ前と変わらない。しかし、周囲の人は違うのだ。


 つまり、リュシエンヌと婚約していない今の状況は、アスランと出会うきっかけすら無くなったことになる。


 タイムリープにはアスランの協力が必須である為、俺は一からアスランを飼い慣ら……信頼関係を築かなければならない。


 一週間近くかかってしまったが、ヴァレンティンに仲介に入ってもらって何とか元通りの信頼関係を築けた。


「じゃあ、アスラン明日よろしくね」


「うん。ルイスなら断るけど、セシルのお願いだったら仕方ないね」


 アスランの本能がルイスを敵とみなしたようでこの二人は結局仲良くなれなかった。


◇◇◇◇


 そして今、三回目のタイムリープが実行されようとしている。ティムが悲しそうに俺とルイスを交互に見ながら言ってきた。


「本当に良いの? もう魔法も使えなくなっちゃうよ? 僕にも会えないよ?」


 悲しそうなティムに俺は言った。


「ティムと会えないのは寂しいけど、リゼットを何度も危険な目に合わせられないよ」


 何故ティムと今生の別れをしているかと言うと、デイヴィッドがリゼットの父親に婚約話を持ち込んだのが、あの遭難事件の翌日だったのだ。


 つまり、その婚約話を無かったことにするにはそれより前にリゼットと政略結婚する必要がある。日にちはいつでも良いのだが、せっかくならリゼットの命の危機も無かったことにしたい。裸で抱き合ったことも。


 しかし、そうなるとティムとの出会いもなくなる。ティムと出会わなければ、魔法どころかティムと話すらできない。


「ティム、俺はこの三回目のリープできっと幸せを掴み取る。だから、ティムが次に加護を与える人が幸せになれるよう助けてあげてね」


「もちろん!」


「じゃあ、行くよ」


 ティムと別れを済ませると、ルイスの合図で過去にタイムリープした。これが本当に最後のチャンス。


◇◇◇◇


 俺とルイスはリゼットの屋敷の裏手にいた。そして、目の前にはフードを被った怪しい男、つまりヴァレンティンが屋敷の中を覗いていた。


 ルイスがヴァレンティンに聞こえないように小声で聞いてきた。


「セシル、あれどうする?」


 俺もヴァレンティンの動向を観察しながら小声で返した。


「付いて来られたら話がややこしくなりそうだから放っておこう」


「そうだね」

 

 俺はヴァレンティンにそっと背を向けた瞬間、何かを踏ん付けた。


 バキッ!


 小さな小枝だったが、音はよく響いた。案の定、ヴァレンティンは振り返って俺とルイスに気付いてしまった。


「何してるんだ? コソコソと」


 ヴァレンティンの気の抜けた問いに、ルイスが苛立ちを隠せないでいる。


「お前に言われたくないよ。リゼットをコソコソ覗き見してるのはお前だよね。僕達は堂々と正面から会いに行くから、じゃあね」


 ルイスは俺の手を取って足早に屋敷の正面に向かおうとすると、ヴァレンティンも付いてきた。


「待ってくれ。僕も一緒に行きたい。頼む、僕も連れてってくれ。僕一人ではリゼットは会ってくれないんだ」


「嫌だよ。今からセシルが婚約申し込みに行くんだから。帰ってお祝いの品でも選んでなよ」


「え、でもセシルはセルベル侯爵令嬢と婚約の話が進んでるのだろう? そっちはどうするんだ?」


「「は?」」


 俺とルイスはタイムリープした時間と元の時間での出来事は分かるがその中間の情報が全くない。なので、夜会でセルベルとの関係を断ち切らなかった今の状況は知らなかった。


 タイムリープ前のヴァレンティンにある程度の情報は聞いている。しかし、俺とセルベルの婚約なんてそんな重要なことは一切口にしていなかった。


 俺とルイスは一旦ここにいるヴァレンティンの話を聞くことにした——。

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