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戦狂のキキ  作者: shio
第五章
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 太刀が二、槍が二――鬼兵四体の内、槍の一体が前に出る。


「グォォォオオオオッ!!」


 力任せに振り回す槍をキキは右に左に流し。

 突いてくれれば懐に入りやすいが、振り回されると間合いに入るのは難しい。ならば、槍を飛んで躱し、頭上を狙うが良いが……


「オォォオオオオオッッ!!」


 槍の直ぐ後ろには三体の鬼兵と無数の鬼が居る。一太刀で斬れない以上、飛び込むのは危ない。

 ――と、誰もが思うだろう。

 キキは手にした刀を空へと投げる。続けて二本、三本と鬼の頭上へと高く投げ。

 ザッ!!

 一本は手に握り、疾風の如く駆け出した。振り回される槍を飛び越え、鬼兵の肩を蹴り、身体を回転させ鬼の群れに入り――降り際に一体の鬼の首を斬る。


 それは舞うように――

 風の鳴く声だけが響き、血が散り飛んだ。


 二体、三体と首を斬り、鬼の身体を蹴り、未だ宙にあった刀の一本を手に取り、上段で振り下ろす。

 噴き上げる血の玉よりも速く地に降り、振り下ろされる鬼の腕を躱し、地に足を滑らせ、袖を揺らし、身体を回転させ。

 それは刹那の刻――鬼と戯れ踊るように、キキは剣舞を舞った。

 腕を蹴り飛び上がり、首を斬り、肩を蹴り、鬼の身体を渡り。鬼は腕を上げ掴もうとするも届かず、キキは一体の首に刀を突き刺すと、高く飛び群れから少し離れた場所へと降りる。

 落ちていた刀を手に取り、そうしてまた、群れの中に飛び込んだ。


「貴様ァアアアアアアアァアアッッッ!!!」


 鬼を掻き分け、鬼兵が太刀を薙ぐ。キキは焦ることなく流し……だが、


「ォォオオオオオオオッッ!!」


 続けて振り下ろされる太刀を半歩下がることで躱し、そして、キキは身体を回転させ刀を斬り上げた。


 ギキィンッ!


 突かれる槍を弾き、尚、身体の回転を止めぬまま飛び上がる。

 続くもう一本の槍を飛び交わし、たんっと槍の柄に足を付け更に高く飛び上がり、囲む鬼兵の頭上を越え――


 ――ィィン


 鬼兵のすぐ後ろに居た鬼二体の首を斬り薙ぎ、けれど。


「囲メッ! 押シツブセェェエッ!!」


 鬼兵が吠え、その声に応えるように鬼達はキキへと一気に襲いかかった。


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