表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦狂のキキ  作者: shio
第五章
96/461


 ひゅっと息を吸い、そしてまた、駆け出す。鬼八体は斬った。けれど、それは普通の鬼。

 残りの鬼の中には鬼兵が混じっていることも分かっていた。鬼兵を一太刀で斬るのはまだ難しい。しかも、鬼の集まっている中で戦うのは危険過ぎた。


(ならば)


 鬼兵以外の鬼を全て倒し、戦う場を作る。

 一体、二体と首を斬り――けれど、


「赤子ォォォォオオオッッ!!」


 振り下ろされる太刀をキキは右に流し、後ろに迫る鬼の爪を身体を回転させ掻い潜り一気に退いた。


(――鬼兵が前に出たか)


 驚くことではない。知があるのなら囲んで追い詰めるくらいしてくるだろう。

 それでも、キキに焦りはなかった。鬼はこちらの動きには付いて来れない。時間はかかっても鬼を一体一体倒して行けば良い。

 ただ一つだけ……自分が退きながら戦い、鬼が押してくれば当然咲久夜達も動かざるを得なくなる。それは避けたい。

 ふっと息を鋭く吐いた。二十数体の鬼、それを自分一人で押し返す。

 刀の血を腕で挟み拭い――そして、


「――ぁあああっ!!」


 咆吼し、鬼を見つめた。黒曜の澄んだ瞳、その奥に何を宿し、そして、見る者に何を伝えたか。

 幼き声の咆吼、一人立つ小さき童女。それで鬼が畏怖し止まるはずなどない……そんなことは起こるわけがないと誰もが思った。

 けれど、


「グゥゥゥゥ…………」


 低く唸り、鬼の足が止まった。

 ざっとキキが一歩踏み出すごとに鬼も一歩退き――


退ケッ! 我ラガ相手スルッ!!」


 四体の鬼、鬼兵が前へと出る。だが、


 ――ィィン


 鬼兵の横に居た鬼の首から血が噴き出した。


「ナッ!?」


 驚く鬼兵の横で三体の鬼が声なく倒れ、ざざっと足を滑らせ幼子は新たな刀を手に取る。


「――グァアアアァアアアアアッッ!!!」


 怒りに絶叫し、鬼兵四体が一斉にキキに襲いかかった。


「ォォォォオオオオオオオオォオオッッ!!」


 鬼兵の声に押されたのか、他の鬼達も動き出す。 


「…………」


 キキはにこと微笑んだ。これで鬼は自分しか狙わないだろう。後ろに居る咲久夜達へと向かうことはないはず。後は自分が前へと出れば良い。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ