表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦狂のキキ  作者: shio
第四章
88/461

二十


「はは、許せ。代わりに大事な役目もある」


 咲久夜は志伊と伊奈へと顔を向ける。


「志伊、伊奈。お主達二人はまず自身を護れるようになれ。己を護れぬ者に他者を護ることなど出来ぬ。鬼を前にしても生き残れるようになれ」

「はい」

「分かりました、咲久夜様」


 それぞれに応える志伊と伊奈に頷き、咲久夜は次に那都と宇加へと視線を向けた。


「那都、そして、宇加。二人に伝えた通りだ、頼めるな」

「はい」


 咲久夜の考えが分かり那都と宇加は共に頷いた。

 陰陽の術であれば照灯と和可に長があるが、体術であれば那都と宇加のほうが優れている。戦う以前に志伊と伊奈を動けるようにしろということなのだろう――二人の命を護る為に。


(二人を鍛えるときはあるはず、京の鬼がすぐに動くことはなかろう。万が一、京が動いたとしても)


 和可と宇加を分ける理由もそこにある。どちらかに何かがあったときにすぐに伝達を頼めるように。


「那都、分かっていると思うが、野分が近いかも知れぬ。もしもの時は上手く使え」

「はい、心得ております」


 地の利はこちらにある。陣を護るにしても退くにしても、野分は味方になってくれるはずだった。普通の鬼や鬼兵ならば問題ないはずだった。

 まずはこれで笠形山は良かろう、そう思い、最後に咲久夜は幼子を見た。


「キキも良いな」

「はい」


 キキは変わらず返事を返した。そのことに、咲久夜は苦笑する。


「まったくお前は……旅に出るのだ。もう少し楽しそうにしても良かろうに」

「……申し訳ありません」

「いや、謝ることはない。が、ゆっくり旅を楽しむということも教えねばならぬな。今のような時だからこそ、僅かな時間でも心に楽しみを持たねば」

「ずるいですよ、咲久夜様。私達は留守番させて」

「すまぬな、那都。だが、久しぶりの出雲だ。面倒事は姉上に任せてわしは少しゆっくりさせてくれ」


 咲久夜は笑った。


「吉備も危険は少なかろうし、お主らには悪いがゆっくり旅をさせて貰おう」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ