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戦狂のキキ  作者: shio
第三章
50/461

二十


「それに、キキに何かあったら助けないと」


 だったら、私が残る――そう言いそうになって、宇加は代わりに深く息を吐いた。

 どちらにしても、だった。和可はつねのようには動けない。そして、報せは急がなければならない。

 であるならば、自分が行くしかなかった。咲久夜達を早くここへと連れて来れば、全員が無事に助かる。


「宇加、なるべく急いでね。キキも心配だし……それに」

「それに?」

「……もしかしたら、今までとは違う鬼が出てくるかもしれない。隠れていた鬼もそうだし、何か変な感じがするの」

「うん……分かってる」


 倒れている鬼を見つめる。木の枝を渡って行こうとした自分達を、飛び上がり枝を薙ぎ払い阻もうとした。そんな鬼は今まで見たことがない。


「――何だか、不思議だね」

「?」


 不意に放たれた言葉に、宇加は和可を見つめた。


「今まで鬼の倒れたところなんて何度も見てきたけど……この鬼は全然苦しんでなさそうで、死んだことも分かってないみたい」


 再び宇加は鬼へと視線を向けた。

 確かに、鬼の形相とはよく言うが、今までの鬼はまさに怒りや憎悪などといった鬼の形相をしていた。

 けれど、目の前の倒れている鬼にはそれがない。苦悶すらその表情にはなかった。


「キキは、本当に不思議な子」

「……うん」

「行って、宇加。キキを絶対死なせちゃいけない」

「分かった」


 宇加は強く頷き――そして、風と共にその場から姿を消した。


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