二
「……小さい」
和可が悶々としている横で、宇加はそっと手を伸ばすとキキの頭を撫で頬を触っていた。
「あの……宇加様?」
「でも、痩せすぎかも……もっと御飯を食べた方がいい」
いつも通りの宇加と、困った顔をするキキ。その二人を見て、和可は思わず笑ってしまった。
「ふふ、ごめんなさい、キキ。でも、痩せすぎだと思うのは私も宇加と一緒です」
何を考えこんでいたのだろう、と自省する。捨て子として育てられ、陰陽寮に来ても武家の男達と共に過ごす毎日……それが幼い子にとってどんな生活だったか。痩せた体躯が全てを語っている。
だからこそ、自分の事よりキキのことを第一に考えるべきだった。
「今日の戦いが終わったら御馳走を作りましょう。戦場なのであまり豪華にはできませんが、美味しいものを作ります。だから、沢山食べてください、キキ」
「照灯様も上手だけど、和可の御飯もおいしい」
「……有り難うございます」
キキは少しだけ視線を落とし、お礼を伝えた。暖かく優しい空気……慣れてなく、それがむず痒い。だから、キキは困ったようにはにかんだ。
――その表情に、初めてキキが年相応に見え。
「キキ……」
和可も手を伸ばし、自然と頭を撫でていた。




