一
――見られているのは気付いていた。初めは幼い子供の物珍しさに見られているのだと思っていたが、あまりに長く見られていたためキキは顔を向け首を傾げた。
「どうかしましたか?」
「ぁ、いえ……」
視線を向けていた一人、和可は慌てて首を振り、けれど、誤魔化すこともできず、
「……私達より幼き子がいることが初めてで」
戸惑いを含めたまま素直にそう呟いた。
「キキ……殿は」
「キキで構いません」
「そうですか……では、キキ」
「はい」
見上げ返事をするキキ……キキは自分達より背が低いためそれは当然なれど。
(私達より小さい……)
そのことを改めて感じ、和可はなんとも言えない気持ちが起こっていた。それは、興味津々で見つめている宇加もそうだろう。
これが普通の場であれば、そして、キキも普通の幼子であれば自分達も姉のように振る舞えたかもしれない。けれど……
(ここは戦う場で、今からこの子は戦いに行こうとしている)
しかも、
(たった、一人で)
「――和可様?」
首を傾げるキキ……その仕草があまりに愛らしく、急なことに和可は僅かに頬を染め、首を振った。
「なんでもありません。ごめんなさい、じっと見つめて……」
咲久夜からキキが陰陽師の仲間となった簡単な経緯は聞いた。可哀想という情が起こり、照灯のように護ってあげたくなる気持ち、不幸だった分可愛がってあげたいという気持ちもよく分かる。
けれど……キキは同情を求めておらず、しかも、十数の鬼を一人で倒せるほどの強さ、技の強さと心の強さを持っている。それは、おそらく自分達以上の力。
だからこそ、どう接していいのかを迷っていた。年上ではあれど、キキを見たままの幼子のように接していいのか……




