第8話、皇国にて、2
リビングで話していると皇室の執事が来て
「殿下、皇帝様がお呼びです。
メルセデス公爵様の御家族も一緒にとの事ですので案内いたします」
執事とクリス様について行くとどうやら謁見の間ではなく皇室の私的な部屋らしい所に案内された。
執事が扉に手を掛けて
「殿下とメルセデス公爵一家をお連れしました」
扉の中から
「許す。入れ」
執事が扉を開けて慇懃に腰を折り
「どうぞ、中にお入り下さい」
クリス様に続いて部屋に入ると皇室の私的に使われる部屋らしく皇都を一望できる広くて豪華なリビングみたいな部屋でした。
部屋には皇帝バーバリアム・リガーウィンと
皇后セリア様がテーブルの周りの椅子に腰掛けていた。
お父様が
「皇帝陛下、お久しぶりです。
この度は助けていただき、誠にありがとうございます」
私も淑女の礼をして
「初めまして、娘のイザベラです、お目に掛かれて光栄です、この度は家族を助けて頂きありがとうございました」
バーバリアム皇帝が椅子から立と上がり
「良い、良い、お主とわしの仲だ堅ぐるしい挨拶は抜きにしよう、それにしても大変だったな、詳しい事は陰の者から聞いている。
息子のジョージアは残念だったな、
イザベラ嬢は赤ちゃんの時に見たがまるで妖精みたいな綺麗で可愛い娘になったな」
皇后のセリア様も
「本当にね~、出来れば私の娘にしたいわ~、そうだ!イザベラ貴女ね、息子のクリスと結婚しなさいよ、そうすれば私の娘になるわ」
私が吃驚して口をアングリしていると
クリス様が
「母上!、暴走しないで下さい、父上も何とかして下さいよ」
バーバリアム皇帝ものんびりと
「ん?、わしも良いと思うよ、ギョームそう思わんか?」
お父様が固まっていたのですが慌てて
「滅相も無い、イザベラが皇太子妃など、私共は今は平民の身なので」
クリス様が
「父上、母上、今日はその位でお止めください。
メルセデス公爵一家は息子のジョージアを亡くし、奥様も記憶喪失になり、大変な時期です。
まずは住む所などを提供して落ち着いて暮らせるようにするのが一番でしょう」
バーバリアム皇帝が今更という顔で
「それならもう決めてある、城内にある前皇帝の隠居して住んでいた屋敷が空き家なので其処に住んでもらうように手配済だ。
それとギョームお主にはわしの相談役になって貰うからからな、爵位は様子を見て決める。
今言った事は決定事項だ、良いな、違背は許さぬ」
「アッ、言い忘れたがヤジャリー王国はギョームが抜けた今はもう駄目だ。
多分もうすぐに戦争を仕掛けて来るだろうがその時はヤジャリー王国は亡ぼすつもりだ」
皇后のセリア様がニッコリして
「イザベラちゃん、落ち着いたら、今度ゆっくりお茶しましょうね~、貴女が娘になるのが楽しみだわ~、ウフフ、ね~ダーリン」
「うん、そうだなわしの可愛いセリア」
私は想像していた皇帝夫妻と違い、甘々な皇帝夫妻に何とも言えない複雑な気持ちだったのですが、こうして私たちの皇国での住む所とお父さまの就職先が決まったのでした。
新しい住まいの屋敷にクリス様の案内で行くと、隠居所と聞いたのでこじんまりした家だと思ったのですが、城内の高台にあり三階建ての真っ白な白亜の結構大きなお屋敷だった。
クリス様が門扉を開けようとすると
「ビィー、ビィー」甲高い大きな音がして吃驚しました。
クリス様が
「おっと、結界を切り忘れた」
ポケットから前世のリモコンみたいなのを出してボタンを押すと音が鳴りやみ、門扉が自動で開いたのです。
クリス様の話によると前皇帝は魔法の研究に熱心で魔法具を色々発明したそうだ。
屋敷に中はまるで前世のヨーロッパの宮殿みたいで落ち着いた装飾で飾られていました。
屋敷内を見て回り私は何回も「ウッソ~」と声を出して叫んだのだです。
何と前世の形は違うが掃除機、洗濯機や冷蔵庫、オーブン、自動で沸くお風呂、その他に何に使うか分からない物があり。
まるで前世の電化製品が全部あったのでした。
クリス様は此処にある物は、前皇帝が隠居してから趣味で作った物なので、使い方が分からずに其のままに定期的に掃除だけして保存していたのだと説明してくれたのです。
私は皇帝様が私が全魔法使いと知っていて誰も住めないこの屋敷に住まわせて此の家の魔法具の使い方を知ろうとしたのだと思い。
あの奥さんに甘々な皇帝のヤジャリー王国に対する発言など、彼の本当の治世者の姿は前世の私の父親で警視だった正義感の強くて思慮深い人間みたいな気がしたのです。
結局、皇帝の思惑通りに全部の魔法具の使い方が分かり、後で皇帝に報告すると大変喜ばれて褒美に50金貨(前世の500万)頂きました。
一般人が使えるように大量生産出来るように研究するように言われたのでした。
ちなみにこの世界の貨幣は
鉄貨、、、、10円
銅貨、、、、100円
小銀貨、、、1,000円
大銀貨、、、10,000円
金貨、、、、10万円
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