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第15話、イザベラまさかの告白

クリスは母親の皇后さまに呼ばれて母親の部屋に来ていた。


「母上、お呼びと聞きましたが何の御用でしょうか?」


「格別な用事は無いわ、貴方と一寸話したかったのよ。

それでイザベラちゃんとはその後どうなのかしら?」


「う~ん、それがここ1か月近く会えないのですよ。

屋敷に会いに行ってもいつも留守なのですよ

会ってくれるように事付けはしているのですが」


「ふ~ん、そうなの、あの子パーティーで倒れてから一寸変ったわね、何か思い当たること無いかしら?」


「彼女は王国に家族をひどい目にあわされて、兄のジョージアを殺されひどく怒っていました。

だから復讐を考えて魔法や剣の訓練をどこか目につかない場所でしているのかも知れません」


「そんなイザベラを見て貴方はどう思っているの?」


「本音は復讐なんか辞めて自分の幸せを考えて欲しいのですが、説得は難しいと思います」


「で、貴方はどうするつもりなの?まさかただ見ているだけのつもりなの?」


「いえ、ヤジャリー王国は戦争を仕掛けてくるのはわかっているのでイザベラ壌を守りながら彼女と一緒に戦って王国を潰すつもりです。

其れで彼女の復讐も終わるのですから」


「それなら良いわ、男らしくグイグイ行くのもいいけれど、大きな愛で包みこまれるのも女は嬉しいものよ、私のダーリンがそうなのよ、ウフフフ」


「もう~、母上の惚気を聞きに来たわけじゃないのでもう帰ります」


「クリス、貴方なら大丈夫よ、自信を持ちなさい、イザベラちゃんを私の娘に必ずしてよ」


クリスは何のために呼びつけたのかと思いため息をついたのだった。



イザベラの家では母親のリーシャが父親のギョームに記憶が戻った事を報告していた。


ギョームは

「やっぱりな、最近のリーシャはおかしいと思っていたよ。

記憶が戻ってジョージアの事など辛くないか?大丈夫なのか?」


「はい、記憶が戻ったばかりの頃は辛く悲しかったですが今は前向きに考える事が出来るように成りもう大丈夫です。

ただ、復讐のことばかり考えているイザベラが心配です」



周りの人達がイザベラの事を心配してるとは知っているイザベラで有ったが。


それでも復讐の鬼と化して魔の森で魔物と魔獣を相手に戦い実力を付ける為に訓練を続けていたのだ。


そんなある日イザベラが家に帰ると玄関にクリス皇太子が立っていて

「イザベラ嬢お帰り~」


イザベラは思いがけないクリス皇太子の出迎いに驚きドギマギして

「クリス様、私あのう、、魔物の血が付いていて汚いですし匂いも醜いので、ゴメンなさい」


クリス皇太子の横を通り抜けて行こうとしたが、クリス皇太子がイザベラの腕を掴み抱き寄せて

「そんなの気にならないよ、どんな姿でもイザベラは、イザベラだよ」


イザベラはこんなに汚れて匂う身体を抱きしめられて羞恥と歓喜で固まってしまい顔を真っ赤にしていたが

「ゴメンナサイ、せめて汚れを落として着替えさせてください」


そう言ってクリス皇太子の腕を抜け出してお風呂場に直行したのでした。


私はお風呂場の鏡を見ると真っ赤な顔の自分の顔が映り慌てて全身を洗い湯船に浸かるとクリス皇太子に抱きしめられた事を思い出して胸がドキドキしたのです。


何とか正常に戻り簡単なワンピースに着替えてリビングに行くとクリス様が優しく微笑み

「もう大丈夫かな?、急に押しかけて来てゴメン、どうしても話したいことがあってね」


私に1ヶ月ぶり位に会ったクリス様は文句を言うどころか蕩けそうな優しい笑顔で私を包み込んでくれたので私は心の中で

「やっぱり、私はクリス様が大好きなんだわ」

と思ったが心と反対の事を言ったのです。


「汚れて魔物の血と匂いの付いた私が嫌になったでしょう?でも王国に復讐する時は人間の血にまみれる私をみてもっと嫌になると思いますよ。

そんな血で汚れる私よりも清純で心の綺麗な女性の方がクリス様にはお似合いです。

私はクリス様の隣に立つには相応しくありませんので」


クリス様は私の言葉を静かに聞いていたが

「私はそんなイザベラの事も含めてイザベラのすべてが大好きで心から愛しているよ。

私も今迄、皇国を守る為に何度も戦い、人間の血にまみれて来たのだよ、イザベラはそんな私が嫌いかな?」


私はクリス様の思いがけない告白の言葉に狼狽えてしまい思わず本音が出てしまいました。


「えっ?クリス様の事を嫌いになるなんてそんな事、絶対に有りません、私もクリス様が大好きで、愛しています」


言ってしまってから

「此れって、告白の・・・恥ずかしい~」


前世の26年を含めて42年恋愛に縁のなかった私は対処しきれずに顔を真っ赤にしてクリス様にされるがままに抱きしめられて軽いキスをされて気を失いそうになったのでした。


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