第1話、波乱の前夜
現在皆様からご指摘などがあり、最初から内容を見直して書き直しております。
あらすじは変わりませんが内容や表現の仕方が変わると思いますが宜しくお願い致します。
ヤジャリー王国の王都ベアーズの貴族街の王宮に近い、高台のメルセデス公爵家のテラスから街の夕暮れの景色を見ながらため息をついているのは、メルセデス公爵家の長女イザベラの私です。
自己紹介いたしますね。
私はは16歳で身長165cm透き通るような金色の髪、青色の瞳、妖精のように綺麗で均整の取れた身体の可愛い美少女です。
(恥ずかしいのですが、周りの人達の評価です)
めったにいない全属性の魔法が使え、特に聖の魔法が得意で現在は空位の聖女候補5人に選ばれています。
ヤジャリー王国の前王は賢王と呼ばれて国民の評判も良かったが、現王の国王ドウショナは若いときは綺麗な顔立ちでした。
しかし、今は肉の垂れ下がった、側室を10人以上も侍らす色ボケした好色な王で、国民からは陰では愚王と呼ばれている55歳の王様なのです。
貴族たちは本来の役目を忘れて私利私欲に走り、そんな王国を何とか支えているのは私のの父親で宰相のギョーム・メルセデス公爵です。
父親は前国王の弟殿下の長男で王位継承権3位の人物です。
だが最近は政敵でもある、もう一つの公爵家ジャキィー・キタナァラ公爵が金に物を言わせて勢力を伸ばしていて、何事に対しても宰相のギョームの政策に反対して困っているのです。
そんな中で明日は王宮で聖女を決める、聖女認定の儀の日なのです。
私自身は自身は別に聖女になりたい訳でも無く、ただ権力争いの場である王宮に行くのが嫌だった。
テラスで溜息をつきボンヤリと王都の夕暮れの景色を見ていると
「イザベラどうした?大丈夫か?」
声を掛けられて振り返ると、近衛騎士団の隊長をしている兄のジョージアが心配そうに私を見ていた。
「大丈夫よ、ただ明日の事を考えると憂鬱なだけよ」
「そうか、最近の王国は政情も不安定でどうもおかしいからな、父上も困っているみたいだしな」
「でしょう、明日の聖女認定の儀が無事に終わるといいけれど」
「それもそうだが、婚約者の王太子との仲はどうなんだ?」
私はは8歳の時に国王の要請というか命令で王太子のアホバァン・ヤジャリーと婚約させられていたのです。
王太子は見た目は金髪の綺麗な顔立ちで貴族令嬢たちの憧れる綺麗な美貌なのですが、性格は短気で我儘で権力主義者の男なのだ。
イザベラは「ハァ~」とため息をつき
「王太子の事は、言わないでよ、あんな男、大嫌いよ、側に寄られると鳥肌が立つ位よ」
ジョージアもため息をつき
「僕も王太子が此のまま国王になったなら王国の国民が可哀そうだと思うし、反乱が起きるかもしれないな」
「そうね、今の国王も駄目で、宰相のお父様が何とか王国を支えているけれど。
お父様が宰相じゃなかったなら王太子と結婚する位なら私は修道院に逃げ込むわよ」
兄のジョージアも妹のイザベラを溺愛しているのでどうにかして王太子との婚約を破棄出来なものかと考え込むのだった。
テラスから馬車が入って来るのが見えて、早い時間なのに珍しく父親のギョームが帰宅したみたいでした。
二人も父親を迎えに一階の玄関に行くと母親のリーシャも出て来ていて
「あなたお帰りなさい。
こんな早い時間に珍しいですわね」
父親のギョームは疲れた顔で3人を見て
「食事の後で話がある」
と言い食堂に向かったのです。
食事が終わると母親のリーシャが心配そうに
「あなた、先ほどの話とは、どんな話ですの?」
父親のギョームは少し考えていたが思い切った様子で話し出した内容は。
王宮の執務室で仕事をしていたが、陛下から呼ばれて行くと陛下、王太子、政敵のジァキィー・キタナァラ公爵がいた。
陛下が
「わしも歳なのでそろそろ引退を考えているのだ、元気なうちに王太子に実権を譲り経験を積ませて引退するつもりだ。
王太子の後見人にはジァキィー・キタナァラ公爵になって貰い、新しく執政官の役職を設けて執政官についてもらう」
ギョームは陛下に
「此れは相談ですか?決定事項ですか?」
と尋ねると陛下は
「わしの決断で決めた決定事項だ」
国王の次の地位にある宰相のギョームに何の相談も無く王国の重要な事が決められていたのだ。
父親は今日の王宮での出来事を話した後に
「ジァキィー・キタナァラ公爵が金をばらまき、陛下に又若い美女を宛がって私を追い落としに掛かったのだろう。
私は宰相を解任されて閑職に付かされるだろうな」
兄のジョージアは激高して
「そんな馬鹿な~!!、父上が宰相を辞めたなら王国は終わりですよ!!!」
私は父親の話を聞きながら考えていたのでした。
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