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鳴りやまない腹をどうするか

読んでくださりありがとうございます。

連載方法に失敗してしまったので、内容の変更があると思います。申し訳ありません。

 

 はらはらと桜が窓の外で舞っている。

 春の暖かな空気が充満する教室に、お昼休みを報せる鐘が鳴った。

 新学期が始まったばかりだが、高校生活二年目の生徒たちはばらばらと適当に起立、礼をして教室内外に散らばった。


 その生徒たちの一人である才田紫(さいだゆかり)は、お腹を押さえながら机に突っ伏していた。


 「どうした?紫」

 紫の前の席から、ガタンと椅子を動く音とともに聞きなれた友達の声が降ってきた。

 

 「お腹空いた」

 紫は鳴りそうになるお腹を押さえそう答えた。

 前の席に座る明るいブラウンのボブに小豆色のインナーカラーが似合う亜紀は、あんぱんをかじっていた。


 「いつも美味しそうな弁当持ってきてるじゃん。忘れたの?」

 「昨日、お母さんが入院して今日から弁当がない」

 「え、お母さん大丈夫なの?」

 「まあ、病気とかじゃないから大丈夫」

 「そっか。弁当ないなら購買行けば?」

 「財布忘れた」

 「あほだねえー」

 亜紀が鼻で笑う。

 

 中学生の頃、運動部で部活に励みお腹いっぱい食事していた紫のお腹は、高校生の今でも大分大きなゆとりを持っていた。

 そのゆとりは一食抜いてしまうだけでぐるぐると音を立ててしまうのだ。

 あと授業は2時間、果たして自分のお腹は持つだろうか。

 いや、持たせるしかない。なるべく動かないようにしよう。


 紫がそう決意していると、突っ伏していた頭に何かが当たった。

 紫が顔を上げると、机には弁当箱と「食べていいよ」と書かれたノートが置かれている。

 今の紫にとって、その弁当箱は光り輝く宝箱のように思えた。

 紫は弁当に手を伸ばしかけたが、弁当を差し出した人物を見てすぐに突き返した。

 その弁当の持ち主が、隣の家に住む幼馴染の幸良(こうら)京介だったからだ。


 箱ティッシュを脇に抱え、眼鏡とマスクという花粉対策を万全にしているにもかかわらず、ぐすぐすと鼻をすする音が聞こえる。

 

 「」

 

楽しんでいただけたら幸いです。

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