酒と言う名の花火
今俺は妻子たちと共に、夜空に打ち上げられた色鮮やかな花火を眺めている。
そして花火を眺めながら飲む酒は格別の一言だ。
何?ちゃんと花火を楽しんでいるのかって!?
勿論だ!
それに俺は酒と言う名の花火も既に楽しんでいるぞ。
俺はな、酒も花火も同じものだと思っている。
夜空に咲いた一輪の花は人々の心を魅了する。
しかしその花は瞬く間に儚く散っていく。
酒も同じだ。
口の中で花火のように広がっていく豊かな味わいは、一瞬で消え去ってしまう。
だがな、酒も花火も一度花を咲かせば、その余韻はいつまでも冷めきらないことだろう。
咲いた花はやがて散り、また次の年に花を咲かす。
しばしの別れだが俺は待っているぞ。
まあ、酒に関しては毎日俺の口に花を咲かせてくれるがな。
それにしても、もう夏は終りか……
皆、何を思いながらこの花火を眺めているのだろうか……?
豊田楽太郎です。
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