第3記ー1 融和/レイジが見た虹夢の悩み
文字数的に今までより少なめ。
「はあ…はあ…はあ…!」
「ふふふ……」
西暦2314年12月9日午後3時56分、事件は発生していた! 一人の少女が息を切らして、怪人から逃げている。
「はあ…はあ…いや、こないで!?」
「お待ちなさい……デントリーのせいで水みたいなのしかいないのと言われないか最近心配となり私という存在でそんなことはないと引きこもっているところわざわざやってきたこの“ハクシキー”様を楽しませなさい!」
少女を追いかけていたのは、頭にシルクハットをつけ、手にはタブレットらしきものと指揮棒のようなものを持った黒い細身の体の怪人“ハクシキー”。
彼を一言で表すなら『残虐なる雑学王』。その知識は広く深く、
知らないことはほぼないと言っていいほど。
しかし同じレベルで残虐性が高く、時々こうして一人をターゲットとし、
そのものを散々弄んだ後、ゆっくりと◯すようなやつである。
「ええい! 斯くなる上はあれを!……えっと確かあれは違うこれも違う……」
戻って少女とハクシキーとの、追いつかれれば死の追いかけっこ、
少女は一心不乱に路地裏に走り、ハクシキーを撒こうとする。
それを許しまいとハクシキーはタブレットのようなものを操作し何かを探す。
「……そうだこれだ! “チェルォンムカ”!」
「きゃ!?」
探してたものを見つけたハクシキーは何か呪文のようなものを唱えつつ指揮棒を少女に向けた。
すると、少女の周りを囲むように地面に魔法陣が複数現れ、
そこから鎖が伸びて少女に巻きつき彼女の自由を奪う。
体の自由を奪われた少女はバランスを崩して転び、
そこからさらに鎖が伸びて巻きつき、体を地面に貼り付けにする。
「なに……これ…離して! いや! 来ないで!」
「やっと捕らえたぞ〜……しかしこの魔法気を緩めたら消えてしまうな、まあいいか、さあて、何をしてやろうか……」
鎖によって身動きができない少女は、鎖から逃れようともがくが、
少女の力では当然鎖は解けず、恐怖からか少女は叫び声をあげる。
一方、少女をやっとの思いで捕らえたハクシキーは、一歩一歩、少女の恐怖をあおるように近づく。
(もう、だめ……)
「ん? 動きが止まったな? さては諦めばあばあばあばあああ!?」
徐々にせまるハクシキーからはもう逃れられない、そう思った少女は諦めて目を瞑ったが、
その瞬間、足の方でバッチィっと音がなり、
気になって目を開けると雷がハクシキーに向かって落ちていた。
雷が落ち終わると、ハクシキーは煙を上げて倒れ伏した。
同時に少女を縛り上げていた鎖も消え、少女はその場から素早く立ち去った。
「……どう?」
それから数秒後、雷竜に変身した状態の、この物語の主人公、四木虹夢が路地裏に走ってきた。虹夢は自らの横でパタパタと浮いているコウモリに問いかける。
「ふふふ、ばっちり決まったぜ!」
その問いに鋼鉄の翼を持つコウモリ、シザーバットことシザーは上機嫌で答える。実はあの雷はシザーが出したものである。
「だが今の危なかったぞ、雷が捕まっていた少女に当たりかけていた」
「「え?」」
その雷を発した際に少女に当たりかけていたことを指摘したこの金髪の青年が、
雷を司る竜である雷仁竜の人間態、レイジ。
レイジに指摘され、虹夢とシザーは驚く&当たらなくて安心して胸をなでおろした。
二人が安心の吐息を出したのとほぼ同時に、ハクシキーが痺れの残るその体を起こした。
「ぐ、ぐおおお……き、貴様らぁ!」
「うわぁ起きた!」
ハクシキーは起き上がって早々虹夢達に向かって怒鳴る。
それによってハクシキーが起き上がっていたことに気づいた虹夢はびっくりする。
「貴様らのせいで本日のターゲットに逃げられた! 許さん! 普通に殺す!」
虹夢達の介入で少女に逃げられ怒り心頭なハクシキーは、三人に魔法を放とうとする。
「虹夢、やつを上に飛ばして空中で倒せ」
「了…解!」
「ほれディスク」
「ありがと!」
レイジからの指示を受け、シザーから交輝レコード『翔雷』を受け取りつつ、
虹夢はハクシキーへと雷の力を利用した超高速移動で接近する。
「何!?」
「まずはカチ上げ!」
「ぐは!?」
いきなりの虹夢の接近にたじろぐハクシキーを、
虹夢は迅雷龍突牙で上空に向かってぶち飛ばす。
「ぐ、空中ではうまく身動きができない……とでも思ったか! 浮遊魔法を使えば普通に動け……!?」
虹夢によってカチ上げられたハクシキーだが、焦りはなく、
浮遊魔法を使えば普通に動ける、そう言おうとしたその時、ハクシキーは見えてしまった。
既に迅雷龍突牙を雷覇翼斧と雷爪断弓とベース部分に分け、
ベース部分を雷覇翼斧と合体させていた虹夢が構える様子を。
「はあ!!」
そしてハクシキーがまずい、と思ったタイミングで、
ベース部分との合体により雷を纏った雷覇翼斧を虹夢はハクシキーへと投げた。
雷覇翼斧は回転しながらまっすぐハクシキーへと向かっていき、
【轟雷瞬撃 飛】
「ぐわ!?」
きれいに懐に当たり、ダメージを与えつつ指揮棒とタブレットのようなものを破壊する。
ハクシキーは指揮棒をから魔法を使っていたので、これで魔法は発動できない。
「止め!」
これで阻まれることなく止めをさせるようになった虹夢は、
素早くベース部分を雷覇翼斧から雷爪断弓に付け替え、弦を思いっきり引く。
すると雷が雷爪断弓の矢に集まっていく。
【雷鳴鋭爪窮 雷光】
「……!」
ビュッ!!
それが最高点に達したところで、虹夢は弦を離した。
すると雷の矢が凄まじい速度でハクシキーへと放たれる。
「だが、ブラックアウト!」
しかし、ハクシキーがそう叫んだ瞬間、ハクシキーは黒いもやとなり、矢が通り抜けてしまった。
「これこそ私の奥義、ブラックアウト! 発動すれば1分のインターバルを要しますが、少しの間黒い霧となった攻撃を無効化できる!」
そう、ハクシキーが今発動した、ブラックアウトという技は、自身を一時的に黒い霧へと変える技である。これにより『雷鳴鋭爪窮 雷光』を避けたわけだが、実はあまり意味はない。
ヒュン
「ぐは!?」
何故なら、雷爪断弓から放たれる矢は誘導能力を備えているからだ。
それにより矢は再びハクシキーへと向かい、今この瞬間ハクシキーの体を貫いた。
「とりあえず…また、少し…知識は増え、た……」
ハクシキーはそう言い残すと、霧となって消えていった。
「……ふう」
ハクシキーが消え、安堵と共に虹夢は変身を解いた。
「はっはっはっは! オツカレーーー虹夢!」
「う、うんありがと」
変身解除と同時に、シザーは労いの言葉を口にしながら虹夢の周りをパタパタと旋回する。
しかし、虹夢はあまり喜ばず、苦笑いする。
「? おい、何か」
「さあて、かぁえろっと!」
その様子に違和感を感じたレイジは虹夢に聞こうとするが、
その前に虹夢は家に帰るべく走り出してしまった。シザーもそれについていく。
「あ、おい…」
置いて行かれたレイジは慌てて虹夢達を追いかけていく。
「…………今の」
その後、路地の先から少女が顔を出す。どうやらさっきの戦いを見ていたようだ。
「あれ、確か……」
「ありさ!」
ありさ、そう呼ばれて少女、ありさは振り向く。
「お兄ちゃん」
そこには彼女の兄がいた。
「探したぞ」
「ごめんごめん」
ありさは兄に謝りつつ、兄と共に帰路についた。
課題を終わらせないといけないため、全然進んでないけど課題が終わるまで投稿をお休みします。




