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地下帝国 ~導かれし者たちの~  作者: 井吹 雫
5/9

~目覚め~4

 今日の夜は久しぶりに配信!

 こっちの活動も去年から始めた配信活動も、今後は上手く両立していけたらと思います!




『――教卓の後ろに段ボールが用意してあります。その中には戦える武器が入っているのでご確認を――』


 なんて画面の中の仮面男が言い終わらないうちに、透子がツカツカ教卓の後ろへと向かって歩いていく。

 まるで、置き場所なんて既に知っているかのような透子の仕草。

 迷うことなく教卓の後ろに隠されていた段ボールを見つけると、透子はしゃがみ込んで段ボール箱を開け始めた。


「……そうだな。これだけの物があれば、戦うのには十分だ」


 そう言って再び立ち上がった透子。

 きっと、教室内の生徒達にも確認させたかったのだろう。

 百聞は一見に付かずというべきか。

 透子は物色した段ボール箱を持ち上げると、箱いっぱいに詰め込まれている中身を桜達にも見せてくれる。


――……確かに、それだけたくさんあれば、少しくらいは――


 決してその中身の使い方を知っているわけではない。

 しかし、もはや既に考えることを辞めてしまったからなのか。

 思考が停止仕掛けている桜達は透子が見せてくれた中身を確認すると、映像でしか見たことがない物ばかりなのに、無意識に頷き納得してしまう。


『――ただ、そこに用意した物を使って戦えば良いという訳でもないですからね』


 そんな桜達へ更に追い打ちを掛けるかのように声を発した仮面の男。

 思わず反射的にテレビの画面へ目を向けると、仮面男は分かっているとでも言うかの様に説明を続けた。


『――この学校は災害や緊急時に直ぐさま逃げられるよう地下へと続く道が用意されていたのはご存じですか?』


 先程、一瞬だけ垣間見られた高揚は何処に行ってしまったのか。

 既に最初の頃の流れるような口調に戻っていた仮面男から発せられた地下へと続く道。

 しかし、その事実を知っている者は勿論誰もいない。

 お互いが顔を見合わせ、様子を伺う桜達。

 すると、そんな様子を察してか仮面男は再び話し出した。


『――その道へと続く扉は偉い人……とでも伝えておきましょう。その方の部屋に設置されています』


 静かに語る画面の中の仮面男。

 もしかしたら桜達一人一人の様子を見ているのか。

 仮面男は画面越しに話しながら、教室内にいる生徒達の表情をゆっくり視界へと入れていく。


『――しかし。その扉は解除コードを入力しなければ開くことはありません。そこで君たちには探してきてもらいたいのです』


 なんて、桜達を諭すように言葉を並べていく仮面の男。


『――この学校の教師である何人かがそれぞれ解除コードへと繋がるヒントを保管している事は調べがついています。だから君たちはそれを見つけ出して、地下へと続く扉のコードを解読して欲しいのです』


 丁寧ではあるけども、やはり何処か他人行儀でもある仮面男の言い回し。

 仮面男の言いたい事は分かった。

 しかし桜は、どうしても気になってしまうことがある。


――なんだろう……。やっぱりこの人の話し方、何かが引っかかる――


 皆が必死に頭を働かせている中、一人違う事を考えてしまっている桜。

 仮面男の流れるような話し方。

 口調や言葉使い、全てが誰とも一致はしない。

 しかし桜は、この何処か心地よいと感じてしまう仮面男の話し方に、何故か引っ張られてしまっている。


――駄目だ、思い出せないっ! 何か大切なことの筈なのにっ……――


 そうやって考えを巡らせていたからか。

 一人だけ皆とは違う表情をしていた桜に気が付いた仮面の男は、桜へ向かって声を掛けた。


『――ああ、きちんと正解のコードを入力して扉を開くことが出来たら皆さんは助かりますよ』


 それは他人行儀が故のまやかしなのか。

 それとも本当のことなのか。

 桜の思いとは裏腹に、仮面男は皆へ向かって話し出した。


『――無事にコードを解読して地下へと続く扉を開くことが出来たらまた話しましょう。それでは頑張って下さい――』


 なんて言い終えると同時に、仮面男を映していたテレビは音を立てて画面を消す。

 そのまま一気に静寂が訪れた桜達がいる教室内。

 地下へと続く扉に、解除コード。

 それを手に入れる為には、やらなくてはいけないこと。

 それぞれが静かに、ゆっくりと視線を交わしながらも最終的にたどり着く視線の先。

 透子が未だ持ち上げている段ボール箱の中身の物。

 それを見つめる黄宙高校の生徒達は、誰もが口を開かずに呆然としながらも、仮面男が言っていた言葉を必死になって捉えようとした。




 明日も更新致しますねー!

 相変わらずサクサク話が進まなくてすみません。汗

 そこがやっぱり作者の力量かー!泣

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