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ドテンプレ転生ファンタジー「死の先にて」  作者:
第二話「アタック・オブ・ザ・キラー幸子EX」
27/27

08:キラー幸子EX改めエグザが帝都に居座る

「レフ殿下、話題の地下迷宮にて危険な古代兵器を無力化!」


 皇帝の孫による久方ぶりのニュースに、再び帝都が湧いた。


「何でも魔神の眷属を一撃で動けなくしたらしい」

「え? 封印されてた魔神をやっつけたんじゃないの?」

「いや俺は魔神を従えたって聞いたぞ?」


 と、噂はどんどん面白おかしく脚色され、帝国中に広がっていったのであった。



 で、当のレフ本人はどうしているかというと――非常に途方に暮れていた。

 その理由は自分の横で控えている緑髪の美少女――要はキラー幸子EXである。

 あの後、レフは脱出用のテレポーターを起動させるべく操作盤を調べていた。

 その際に、何か操作を間違えたのかキラー幸子EXを再起動させてしまったのだ。

 慌ててレフがSTOPボタンを押そうとする。

 だがその前に彼女は配電盤まで一歩で間を詰めると、


「操作盤が動かせる程の人間なら、取引をしないか?

 そちらが望む操作法を教えるから、その操作盤をいじって私を自由にしてほしい。

 勿論その後のあなたたちの安全も保障する」


 と魔神語で言ってきたのだ。

 どうやら、彼女は操作盤を操作することが出きないらしい。

 少なくとも自身の拘束を解く操作は不可能なのだろう。


「――キラー幸子EXさん、その安全保障を担保するものは?」


 レフが少し考えるようにしてそう尋ねる。

 ひとまず、話に乗ることで危険に陥るという【確信】は感じない。

 だがだからと言って無条件で信じられるような話でもない。

 向こうがその気になれば、こちらなどひとたまりもなく皆殺しにできるのだから。


「私にまだ名がないのは認めるが、流石にその呼び方はどうなんだ?

 まあいい、とりあえず今は質問に答えるとしよう。

 担保という意味では存在しないが――」


 というと、彼女は操作盤をカタカタといじる。

 6人が入ってきた向かい側に、光る扉のようなものが出現した。


「別に外に出て暴れるくらいなら自由の身にならなくてもできるんだが、

 多少は恩を売っておいた方がいいと思わないか?」


 そして、レフに向かってにっこりとそう微笑んだ。

 レフは彼女を無視するとえらいことになると【確信】し、取引に応じたのであった。



 そうして、解放された彼女がレフを通じて帝国の食客となり今に至る。

 食客と言っても何か大したことをやるわけではない。

 とりあえず皇室に身分を保証してもらっているだけである。

 あの戦闘力なら竜とも十分戦うことができるだろう。

 だが、正直なところ彼女に命令を強制させる手段が現状存在しない。

 どうやら彼女も魔術師と同様、食事や休息を必要とはしないようなのだ。

 つまり、生活の糧で縛ることはできない。

 貴族のように名誉にも興味がない。

 恐怖で押さえつけることも不可能だ。

 そのため軍からお呼びがかかることもなく、猫のように帝都をぶらつく毎日である。


「しかし、君が現地の権力者の一族とは思わなかったな。

 いや、お互い運のいい出会いをしたものだ」


 彼女はレフの横に座り、のうのうとそんなことを言い放つ。

 因みに彼女はEXをもじってか「エグザ」と名乗ることにしたそうだ。


「そうですねエグザさん、非常に癪ですが同意せざるを得ません」


 こいつホントにどうしてくれようか。

 そう思いながら、レフの遺跡探索は幕を閉じたのであった。




「第二話:アタック・オブ・ザ・キラー幸子EX」~完



さて、次はこの作品とは違う作品にチャレンジしたいと考えております。

そのため、こちらはいったん完結という形にさせていただきます。

今まで応援ありがとうございました。

これからもよろしくお願い申し上げます。

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