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断幕
すべてを思い出した。
嗚呼、そうだ。
僕は人間を殺すことが目的だったんだ。
琳はじっと真っ暗な虚空を見つけた。
ダメだ……
なぜ、あの人は僕を助けたのだろう?
「あの時、見捨ててくれれば、こんなに悩まなくて済んだのに」
こんなに、苦しまなくて済んだのに
こんな世界を生きなくて済んだのに
呟いたところで現実は変わらなかった。
琳は外へ出て真っ暗な空を見上げた。
「クリフ、様」
敬愛する彼の名を呟くも、答えてくれる人はいない。
目を閉じると、長い金色の髪をした男性が浮かぶ。
「僕、は……」
琳はそのまま走り出した。