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第捌幕 ―類似―

「ねえ、アーク」

「なんだ?」

 玲に話しかけられ、アークは首をかしげた。

 彼女から自分に話しかけるとは珍しい。

「今日、暇?」

「ああ、暇だけど?」

 どうしたんだ?と問う前に玲はアークの腕を引っ張った。

「いって、何すんだよ!」

「ちょっとついてきて」

「は?」

「ついてきてほしいところがあるの」




 玲に連れてこられた場所は火山近くにある洞窟。

 彼女曰く、この先にいる精霊と契約すれば、異民族に対抗できる力を手に入れることができるらしい。

 だが、失敗すれば死ぬ可能性もあるとか

「それくらいリスクがなければ信じられねえよ」

 つぶやくとアークは剣を抜いた。




 一方その頃―――

「そういえば、セフィ君って、アークのつれている女の子に似ているわね」

 サラは休憩中にそうフィアールに言った。

 たいして、彼は首をかしげる

「アークが女を連れ込んでいるのか?」

「ちがうわよ。 彼が怪しい男に襲われていた女の子を助けてあげたみたいなの」

「ほう」

 返事はするが、フィアは興味がなさそうだ。

 さっさと自分の仕事に移ろうとしたとき……

『フィア将軍!』

 精霊ハクアの声が聞こえて顔を上げた。

「何事だ?」

『なんか、炎の力が動きました』

「は?」

『炎の祠にいる精霊が、とある男と契約して力を与えたって……』

「……どういうことだ?」

 フィアが促すとハクアは簡潔に説明した。

 曰く、この世界にはそれぞれ不思議な力を封印した祠があり、それを精霊が守っているとか。その精霊と契約することで祠の力を使うことがでるようになるらしい。ハクアは虫の知らせのようなもので封印が解かれたことを感じ取ることができるらしい。

『もし、敵方があの力を手にしたら、今以上に戦がつらくなります。どうかお気をつけて』

 それだけ言って去ろうとしたとき、彼の顔色が変わった。

『近づいて、来ます。』

「「え?」」

 二人は緊張する。

 もし、敵だったら―――どうなるのか?

「……ハクア?」

『あ、主』

 先ほどまで部屋で寝ていたセフィルが顔を出した。

「ハクア、変な夢見た」

『どんな夢ですか?』

「金髪の綺麗な人が出てくる夢。最近よく見るんだ。……あれって、僕の記憶に関係あるのかな?」

 その言葉にハクアは一瞬顔色を変えた。

 だが、すぐにいつものようにセフィルの頭をなでる。

『い、いいえ。 わかりません。 ですが……早く思い出せるといいですね』

 そうして立ち上がった時、ハクアは炎の封印を解いたものが扉の向こうにいることを感じ取った

『……』

 扉から顔を出したのは……

「あーつかれた」

 アークだった。

 彼とともにいた少女、玲はおつかれと彼の肩をたたき、部屋の中を見た。

 その時、セフィルと目が合う。

「琳?」

 たしかに彼女はそうつぶやいた。

 








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