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短編実験シリーズ

⑤旦那様

作者: 山田りく
掲載日:2026/05/21

 男が朝早くに目が覚める。


 頭を抑え目を閉じる。


 頭が重い。


 なかなか寝付けない。


 男は外の様子を見ようと窓辺へと向かう。


 カーテンを少し開けると窓の外に女が2人がいた。


 おしゃべりをしているようだった。


 女2人をじっと見る。


 ふと、昨日のハンスの様子を思い出そうとする。


 頭が痛くなる。


 飲み過ぎたのだ。 

 

 ため息と共にゆっくりと立ち上がるる。

 男はそっとカーテンを閉めた。


 部屋がまた静寂に包まれる。


 鳥の声が聞こえる。


 男に眠気がまた戻る。


 そうしている内に屋敷が少し騒がしくなる。

 屋敷の者たちが起き出したようだ。


 遠くに聞こえる慌ただしさが男の眠気を加速させる。

 

 男の呼吸が整っていく。


 しばらくして悲鳴が聞こえた気がする。


 合わせて屋敷の音が増える。


 男は眉をひそめた。

 まだ起きる時間ではない。


 そして2度寝した。

この作品は「説明を削ることで何が残るか」を観測するために書かれました。

出来事そのものではなく、出来事に対する優先順位や距離感だけで物語が成立するかを試しています。

結果として、情報を減らすことで“理解”よりも“温度差”が前面に出る形になりました。

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