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エメラルド・アイ ~サイボーグ少女の復讐劇  作者: mf
第一章 女子高生連続失踪事件
6/13

3 休み時間

 一時間目が終わり、休み時間となった。


「あー、やっと終わった」


 智也(ともや)は席を立ち、教室を出ようとした。


「ちょっと待ちなさい」


 その時、智也の制服の首根っこを誰かがつかんだ。


「何すんだよ」

 智也は振り向いた。「げっ、喜美子(きみこ)


「あれほど言ったのにまた遅刻したわね。あんたのせいで恥かいたでしょ」


 ちょっと気の強そうな感じの女子生徒が智也に言った。智也の双子の姉、喜美子である。喜美子は面長で目の大きいボブカットの少女である。身長は一七〇センチ近くと高い方である。ちなみに智也は一八〇センチである。


「俺が遅刻しようとしまいと俺の勝手だろ」


「勝手じゃないわよ。あたしはあんたのこれでも双子の姉さんなんだからね。あんたが悪いことするたびに、そのしわ寄せがあたしに行くの」


「何で同じクラスに双子の姉がいるんだよ、絶対間違ってる」


「やかましい。今日はあたしがたっぷりお説教してあげるわ」


 喜美子は智也を自分の席まで引きずっていく。


「冗談だろ。俺は昼休みにも上原の奴に説教喰らうんだぞ」


「その次はお父さんよ」


「おい、そりゃねえよ」


「喜美ちゃん、先生が呼んでるわよ」


 女子生徒が喜美子に声をかけた。


「え、あたし?もう」


 喜美子は智也から手を離した。


「やった」


「智也、次の時間は逃がさないからね」


 喜美子はそう言うと、教室を出ていった。


「うるせえ、姉貴」


 自分の席に戻った智也は恨めしそうに呟いた。


「さすがにおまえも姉貴にはかなわねえな」


 智也の前の席に白川(しらかわ)が座った。白川は智也の中学時代からの親友である。


「喜美子は昔から親父に柔道習ってたからな。今や三段だぜ。力じゃかなわねえよ」


「おまえの親父さん、警視庁の刑事なんだよな」


「変に正義感の強いところは親父そっくりだ」


 智也がため息をついて、言った。


「おまえとは正反対だな」


「ほっとけ」


 智也はふてくされたように言った。


「久坂君」


 その時、教室の入口で声がした。

 智也が声の方を見ると、裕美(ゆみ)が戸を開けて、立っていた。


「おい、誰だよ、あの子」


 白川が驚いた様子で言った。


「転校生だよ」


 智也が席を立ち、裕美の方へ歩いていった。


「さっきはありがとう」


「いや、おやすいご用だ」


 裕美の素直さに智也は照れてしまった。


「ヒュー、ヒュー」


 まわりの男子生徒がはやし立てる。


「うるせぇっ!」


 智也が一喝した。


「クラスはどこになったの?」


「二年A組。今日は手続きだけだから、このまま帰るんですけど、その前に学校の中を久坂君に案内してもらえたらと思って。駄目ならいいんですけど」


「あっ、いいぜ。時間もったいないから、行こう」


 智也が裕美の背中を押して、教室へ出ようとした。


「智也、逃げるなんて甘いわよ」


 智也の前にまたしても喜美子が立ちはだかった。


「先生に呼ばれたんじゃねえのかよ」


「もう用は済んだの、残念だったわね」


「転校生に学校の中を案内するぐらいいいだろう」


「転校生?」


 喜美子が裕美を見た。


「日高裕美です」


「あたしはこいつの姉、久坂(くさか)喜美子。悪いけど、こいつには用があるの。他の人に頼んでもらえる?」


「じゃあ、俺が」


 白川が立候補した。


「待て、俺だ」


 他の男子も割って入る。


「お姉さんも一緒でいいですよ」


「え?」


「喜美子、生徒会長だろ。困ってる生徒を見捨てるのか」


「……わかったわよ。じゃあ、行きましょう」


 喜美子は渋い顔で言った。


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