エピローグ
────以上が私による、ミユキとホームラン侍の思い出を書いた手記である。視点のブレや、書き手である私の主観や贔屓が出た箇所もあるだろうが許していただきたい。ミユキから聞いた話も元にして書いたが、軍事衛星の形状など私は知らないのだ。
その後の顛末を細かく記すつもりはない。ホームラン侍は短いながらも愉快に、最期まで笑顔で生涯を閉じた。ホームラン侍は私たちにとっての姉であり英雄であったし、ミユキは私たちにとっての母であった。一番、ミユキに甘えていたのは侍であったと私は思う。
何処だろうが、私たちがいる場所が家庭であり、私たちと共にホームラン侍は人生を駆け抜けたのだ。彼女が幸せであったなら何よりである。
『あたしが死んだら、身体を調べな。パワーの秘密がわかるかもしれねぇ』
遺言に従い、私たちは信用できる専門家の助けを借りて、分析を行い────その膂力を継承した。私は今も、繰り返し頭を撫でてくれた、あの侍の手を覚えている。きっと生涯、忘れないだろう。
私が頭を撫でてもらったように、サムライの名を継いだ私たちは愛を継承し、悪を葬らんとして戦い続ける。ボディを新調して背丈が伸びた私たちは、各地で名乗りを上げるのだ。
「ホームラン侍、参上! かかってきな、野郎ども!」
時代と場所が変わっても、野球と侍は不滅である。最期の瞬間まで笑顔で、私たちは生き抜いてみせよう。




