第5話新たな企み
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5月初旬
転校生の佐藤紫帆はすっかりクラスに馴染んでいた。
相変わらず佐藤さんの周りには人が集まるその可憐な立ち振る舞いには目が留まる。
一限が終わり二限目は音楽で移動教室だった。
「佐藤さん!次音楽だから一緒に行こ!」
無意識に彼女を目で追ってしまう。クラスは移動教室で生徒達が教室から次々と出ていく。
「はーると!移動教室行く前にトイレ行こーぜ!」
一虎は毎回後ろから声をかけて来るが、1ヶ月も経てば慣れるものだ。いや、毎時間どんな時も後ろから声を掛けられたら慣れざるをえなかったのかもしれない。
「うん!いいよ。」
「あっ、そういえばこの間のサイゼで、転校生と一緒に帰ってたけど、なんか進展あったん?」
(全く誰のせいで一緒に帰ったと思ってんだ!話す事が無さすぎて別れ際まで一言も話せなかったなんて言ったらまた、茶化されるから絶対に言わないけど……)
「別になんにもないよ、進展なんて。」
それはあながち間違いではない、なぜならあれから佐藤紫帆とは、話してすらないからだ。
「ふーん、面白くなーいなー!」
全く他人事だ、頭に両手を組んで大股で歩く姿は子供がイタズラに味をしめて何かを企んでる様な歩き方だった。
「起立!……礼!よろしくお願いします。」
音楽室は他の教室と違った匂いがする、甘く重厚な木の香りに、古びた布や埃が混じった独特な香り。でも、そこが何処か懐かしさを思い出させる。
そして今日は体育祭の応援歌を決めて、楽器練習を始める日だった。
意外とすんなり曲は決まり、俺はタンバリン担当になった。
「陽翔ー!見てみて!カスタネット!!
何でカスタネットが赤と青なのか知ってるか?」
その姿はまるで子供がプレゼントを貰った時と同じようにキラキラしていた。
(確かになんでカスタネットって全部同じ色なんだろう?)
「いや、分からいな……なんで赤と青色なの?」
「実はな!……俺も知らーん!!何でこの色なんだよ!」
(あぁ、このクソガキ!そのカスタネットで乳首を掠め取るぞっ!はぁ……)
いかんいかん!俺の身体は今は高校生だけど頭脳は大人……そう!……大人だ。
(一虎はいつもお調子者だけどやる時はやる男だったからな。)
「さー!皆さん席に着いてください!それじゃ応援歌と楽器が決まったという事なので次の授業ではAパートまでを練習します。なので楽器は次の授業までお貸しします。無くさないように!特に……一虎くん!」
先生が一虎の名前を指名すると一虎は呼ばれたのが自分だった事を不思議がってあからさまにとぼけた、それに釣られて周りの生徒達の間で笑いがこぼれた。
「全くあのベートーヴェンちゃんきついぜ全く!だーれが楽器を無くすだって!こーんなっ!派手なっ!カスタネットをっ!無くさな・い・よ!」
「廊下でリズム良くカスタネットを叩いて否定しないでよ!」
下手くそなラッブ混じりの滑舌とそれに反したリズムのあったカスタネットが絶妙にミスマッチしていて少し面白くて笑った。
「あっ!!そうだっ!!佐藤さーん!」
一虎がいきなり頭の上に電球が浮かんだかのように上に飛び跳ね少し前に居た佐藤さんの方へ軽快に走り出した。
嫌な予感しかしなかった。何故なら一限目の終わりに見せた何かを企んでそうな歩きを見たからなのかもしれないが、恐らくその予感は的中する。
遠目で佐藤さんに耳打ちで何かを話している。数秒後、佐藤さんは首を縦に振り、そのタイミングと同時に奴が不敵な笑みを浮かべてこちらを向いた。
やはり、嫌な予感は的中したと言ってほぼ間違いないだろう、いや、間違いであって欲しいとほんの少しだけ淡い期待を抱きたいと思った。
一虎は満面の笑みを浮かべながらこちらの方へスキップをしながら向かって来てる。俺は今バナナの皮を持っていたとしたら100パーセント奴の足元に投げて転ばせて、青甲羅を頭上からぶつけた、だろう。あっ!持ってなくてよかったと、少し安堵した。
「はーると!今日の!放課後さ!お前ん家で!運動会の応援歌の楽器練習する事に決まったから!!よろしくな!!」
(ああ!!誰か!!こいつにキラーをぶつけてください。その後に!スターで100往復して土に埋めて下さい!!そもそも運動会て!幼稚園児と小学生しか言わんぞ!!身体も子供で脳ミソ幼稚園児以下が親友てこの先心配しか無いい!!!)
こうして陽翔は一虎の悪巧みに呑み込まれて行くのであった。
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