第4話紫帆と沙織前編
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(沙織……)
「君が想ってた人見つけたよ。」
「紫帆九州に引っ越すってホントなの?」
沙織は少し寂しそうな顔で紫帆を見上げた。
「そんな寂しそうな顔しないの!二度と会えなくなるわけでもないんだしっ!いつもの笑顔見せて!!」
そう言って沙織の顔や頭を優しく撫でた。
「そうだね、二度と会えなくなるわけじゃないんだから……でも寂しいものは寂しいよ!!だから毎日電話してね。」
「全く!しょうがないな――私は沙織の彼氏だからね、その願い叶えてやろう〜!」
2人は無邪気な笑顔を見合わせながら笑いあった。
「あ、そうだ!この間言ってた彼氏出来たって誰なの?」
紫帆は大きな瞳を星の様にキラキラさせながら顎に手を置き沙織を見つめた。
「うん……とても良い人で、なんて言うんだろう?少しだけおっちょこちょい?なのかな?」
沙織は少し頬が赤く染まり、口元が緩み、自然と笑みが溢れていた。
「もぉー!ご馳走様でした!でも、私の沙織を射止めるなんて!一度会って見極めないとね!!」
「お父さんじゃないんだから!」
沙織が軽く突っ込むと紫帆もつられて笑った。
「あっ、もうこんな時間だ!沙織と居るといつも時間があっという間だ!」
「それはこっちのセリフだよ、紫帆……いつもそばに居てくれてありがとね!」
「それじゃ私お家に帰るね!沙織寂しくて夜泣きしないようにね!」
「お母さんじゃないんだから!こういうのを天丼って言うのかな?」
他愛のない会話でいつも笑顔にしてくれる、私は恵まれてるな……
次の日教室には沙織の姿は見当たらなかった。
「みんなおはよ〜」
あれ、沙織の姿が見当たらないなー。
うーん、珍しいな一回も遅刻なんてした事無いのに。
「さー!みなさん席に着いてー!ホームルーム始めます」
「あーそれと、今日は白瀬さんは体調不良で欠席になります。」
え?!昨日はあんなに元気だったのに、帰りにお家寄ってみようかな。
授業の終わりのチャイムが鳴り響いて紫帆は誰よりも早く帰りの支度をして、沙織の家へ向かった。
夕日の光が町を包む……赤々しくぼんやりとした風景――その時紫帆は変な胸騒ぎを感じていた。
沙織の家の前に着くとインターホンを鳴らした、1回……2回……先程までの嫌な予感が胸の中からじわじわ込み上げる、
紫帆はたまらず沙織に電話をかけた。
お願い沙織!電話に出て!
「はっ!!もしもし沙織!!今どこにいるの?」
堪らず大きな声で聞いた。
「もしもし紫帆?大丈夫?」
そこにはちょっと心配そうな声をした沙織が居た。
「もぉー!!今日連絡もなしに学校休むし!家に行っても居ないし!どこで何してるのよ!」
「お母さんでもないのに、そんな事言わないでよ……」
「何?沙織、なんか言った?」
「明日はちゃんと行くから……お父さん達が呼んでるから行くね。」
「まっ!……っ……てよ、まだ、話したい事があったのに……。」
携帯を見つめながら胸に手を当てた紫帆は今にも泣き出しそうに涙をいっぱい溜めていた。
沙織……電話での様子がおかしかった……一体私の知らない所で何があったの。
――
次の日いつもより少し早めに起きて学校に向かった。
外はまだ、少し薄暗く街灯の明かりが少し寂しそうに見える。
登下校は電車に乗って30分位で、電車を降りたら普段見るはずのない景色が目に映る太陽が静かにゆっくりと街に暖かい光を包み込む様に広がっていく。
人は……この景色を見てどう思うのだろうか、大体の人はただの朝日だと見向きもせず仕事や学校に行くのだろう。朝日なんて言うのは年の始まり、元旦に見る初日の出くらいのものなのかもしれない……でも、その僅かな人の中には、初日の出の感動以外の感情が込み上げてくる人は居る。
太陽の眩しい光がとめどなく広がり包み込む……
それはまるで――
昨日までの後悔も、胸の奥で固まったまま動かなくなっていた気持ちも、この光の前ではひどく小さく見えてしまう。
朝はただ来るものじゃない。
“今日を始めるんだ”と告げてくるものだ。
それでも、ほとんどの人は気づかない。
気づいていても、見ようとしない。
でも、私は──
この光が好きだ。
まるで、あの日見失ってしまった自分を、もう一度思い出せる気がするから。
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