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夜の魔物

 霊的な音が聞こえる者にとって、夜の闇が静かとは限らない。特に真夜中、その場所が大陽の真逆を向く頃には、恐るべき魔物が轟音を上げているかも知れない。


 その魔物の生態?は、夜にしか現れない魔物の中でも随分と変わっているものだ。日中を暗いところでやり過ごすわけでも、異界に潜んでいるわけでもない。


 その魔物は、この上なく力技で、夜の世界に君臨している。つまり……おお、来るぞ。予想通り、このポイントに出没するか。来る、もう来るぞ。


「ゴビュアァアア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッッッ!!!!」


 ……ふう。凄かった。本体は普通のサイズ感、しかし翼長が数百メートルはある、黒いボロ切れの様な怪鳥が、音速に迫る速度で東へと飛んでいった。


 あの魔物は、地球の自転と同じ速度で飛び続けている。だから、ずっと真夜中に在り続けている。夜の魔物は数あれど、ここまでその名が相応しい存在は他に無い。


 さて、次はもう少し緯度を下げて、日本の辺りで観察してみようか。そして、いずれは最速の夜の魔物も聞いてみたい。音の壁を優に超え、赤道上を飛ぶその音を。

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