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人工子宮を考える

 真面目に人工子宮を開発しようと考えてみる。すると、完全に機械で構成された培養装置、その中は培養液で満たされていて、ぷかぷかと浮かぶ胎児にはヘソの尾が繋がってる⋯⋯なんてのは、現実的でないと理解される。


 人工子宮が開発されたとして、胎児の体は何から作られるか。まずはそこから考えよう。体の元にするだけなら、ES細胞やiPS細胞を使えば十分だ。しかし、その場合でも胚盤胞の中に移植するなどして、別の細胞との共存が欠かせない。


 具体的には卵黄(のう)や胎盤になる細胞が必要で、後者については胚盤胞の外側の細胞がそれだ。そのため、普通の受精卵からでも、核移植した受精卵からでも、再構成した胚盤胞でも何でもいいが、そうした状態までは「生身」を用意しなくてはならない。


 胚盤胞まで発生が進むと、次のフェイズは着床だ。ここもまだ、機械で置き換えることは難しい。胎盤は、胚盤胞の外側の細胞だけでなく、子宮内膜の細胞と相互作用をして、一緒に作り上げるからだ。なので、子宮内膜までも「生身」が求められる。


 子宮内膜より外側まで来ると、機械で置き換えることにも現実味が見えてくる。適切な圧力や母体由来のホルモンを胎児に与えるくらいなら、難易度はそう高くないだろう。そうした装置と、子宮内膜を模した生体シートの組み合わせが、最初期の人工子宮になると思われる。


 人工的な感じを高めるために、子宮内膜の生存と胎児の成長に本来は欠かせない「血液」は、人工のもので考えてみよう。これには、合成ヘモグロビンを培養液に混ぜ込んだ、人工血液を使えばいい。胎児とのガス交換と、胎児への栄養供給さえ出来ればそれでいいはずだ。

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