ショートＳＦ劇場

仙人の食事

　仙人が霞(かすみ)を食べて過ごすと言っても、地仙と天仙ではその実態が大きく異なる。

　霞とは、細かい水滴、または塵(ちり)から成っている。前者を対象とするという意味では、どちらのクラスの仙人も同じだが、その利用方法を異にしている。

　地仙は、日光と二酸化炭素も利用しての、光合成を行っている。その合成素材として水を使うわけだ。

　そして天仙は、電気分解によって水素を得ての、核融合を行う。得られる物質もエネルギー量にも、それこそ天と地ほどの開きがある。