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天の恵み

 絶え間なく降り注ぐ隕石の雨によって、文明社会は崩壊した。とは言っても、あらゆる資源(レアメタル、化石燃料、肥料の元になる鉱石など)を使い尽くしてしまい、文明活動が著しく衰退していた状態に、とどめが刺されたといった感じだが。


「おじいちゃん、あったよ!」


「おお、これは大きいな。偉いぞ〜」


 数多の隕石によって破壊されたビル群の中で、老人と子供が見付けたのは、隕石であった。


「これはプラチナじゃな。う〜む、重い」


「がんばって、もってかえろうね!」


 地球上の文明を終わらせた隕石群は、様々な資源の塊だった。普通の鉄隕石、ダイヤモンドで構成された星の欠片、成因不明なレアメタルの塊。後者の中ではウランを多く含むものが、復興期たる今、原子力発電の燃料として特に役立っている。


「よっこら、しょ! よし、戻ろうか」


「うん!」


 老人と子供が荷車を引いて、地平線まで続く荒野を歩いていく。隕石の雨がそう変えたわけだが、この荒野は一時的なものである。リンと窒素とカリウムに富んだ隕石も世界中に降り注いだので、歴史上でも類を見ないほど、地球の土壌は栄養豊富になっているのだ。文明社会は、そう遠くなく復活する。

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