77「いい人が損することって許せなくね?」②
「……ありす様、小梅様、花子様、たもんたもんとお話に割ってしまうことをお許しくださいたもんたもん」
「……その語尾にがくっと力が抜けるじゃが」
「そ、そうね、でも、別にいちいち了解なんて取らなくていいから話してちょうだい」
「ありがとうございたもんたもん」
多聞は唇を噛んでいるありすを一瞥すると、小梅と花子に話し始めた。
「この多聞もありす様の仲間たちに何度かお会いしたことがございたもんたもん。しかしながら……小梅様と花子様がおっしゃるように、あまり仲間とは思えまたもんたもん」
「多聞!」
「申し訳ございたもんたもん! で、ですが、仲間とは助け合うたもんたもんな存在です! あの者たちは、ありす様が自分たちのために何かをするのが当たり前だと思っていましたもんたもん! してもらうだけの関係は、決して平等なたもんたもんな関係ではありません!」
「――多聞っ! もうやめてっ!」
ありすが悲痛な声を出した。
多聞は小さく謝罪すると、それ以上言葉を重ねることはなかった。
「……はぁ。なんというか、後味が悪くなりそうな話になりそうじゃのう。ありす、おどれもそんな大きな声を出して多聞の言葉をとめるっちゅうことは、自分でもわかっているんじゃろう?」
小梅が優しくありすに声をかけた。
俯いていたありすが、ゆっくり顔を上げる。
「悪かったわね、私も少し言いすぎたわ。あなたが責任感が強い子だってわかったのに、追い詰めるようなことを言ってごめんなさい」
花子はありすに謝罪をした。
別に、ありすを責めたかったわけでも、追い詰めたかったわけでもない。
ただ、仲間であるはずの他の者たちが、ありすに丸投げしていることが気に入らなかっただけだ。
「……謝罪していただくことでは、ございません」
「ありす、俺様からのアドバイスじゃが、助けて欲しいときは素直になるんじゃ。強がっていられたら、俺様たちもどう助けてええのかわからん。初対面じゃし、ありすは夏樹に助けを求めてきたから俺様たちじゃ物足りんのかもしれんが、一応は天使じゃ。紀元前から生きている年上じゃし、それなりに力もあるんじゃから頼ってもええんじゃ」
「小梅の言うとおりよ。一応、私もそれなりに強い天使だからね。新たな神々なんかには負けないわ。だから、もっと心を開いて欲しいの」
ルシファー姉妹の気遣ってくれる言葉に、ありすはぽろぽろと涙をこぼし始めた。
ありすは小梅と花子に顔を向けて、心から助けを求めた。
「お願いいたします。どうか、わたくしを助けてください。もうわたくし、何をしたらいいのかわからないのです。みんなのためにと頑張っていましたけど、もうどう頑張っていいのかわからないのです」
「――任せるんじゃ!」
「よく言ってくれたわね。ちゃんと助けてあげるから安心なさい!」




