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異世界から帰還したら地球もかなりファンタジーでした。あと、負けヒロインどもこっち見んな。  作者: 飯田栄静@市村鉄之助
十三章

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66「語尾を主張すればいいってもんじゃなくね?」①





「小梅ちゃん!? 急に夏樹みたいにイベントだなんて叫んでどうしちゃったの!?」


 エプロン姿のサタンが慌てて玄関に走ってくる。


「い、い、イベントが向こうから来たんじゃ」

「……え? まさか、そんな」


 魔王サタンでさえ、動揺を隠せなかった。

 夏樹が二度寝して身体を休めている最中、まさかイベントが自ら訪ねてくるとは思わなかった。


「イベントが勝手にやってくるのは夢の中だけで勘弁してやれよぉ」

「と、とりあえず、話を聞くなり追い返すなりしなけりゃいけないんだ。玄関を開けて……先手必勝だ、いいな?」

「さすが魔王じゃのう! ならば、このスーパーミラクルハイパー小梅様パンチを」




「――――こちらに戦う意志はございません。わたくしはお話をするために参りました」




 玄関のドアの向こう側から落ち着いた少女の声が響いた。

 どうやら小梅とサタンが騒いだため、来訪者に声は筒抜けだったらしい。


「……とりあえず、顔だけで見てやるんじゃ」


 小梅がそう言って玄関を開けた。

 そこには、水色のワンピースの白いカーディガンを羽織った少女がいた。

 年齢は、十六、十七くらいだろうか。どこか儚げに見えるのは、印象に残る白い長髪のせいだろう。

 そんな少女の一歩後ろに控えるのは、黒いスーツに身を包んだ、左目に眼帯をした三十歳ほどの女性だった。

 女性は少女を日差しから守るため、日傘を差していた。


「――ごきげんよう」

「……ご、ごきげんよう?」


 小梅は震えた。

 元お嬢様キャラだった過去を持つ小梅だからわかる。


(――此奴、生粋のお嬢様じゃ。きっとなんとかグループの令嬢とかそういうレベルのお嬢様じゃっ! 元お嬢様キャラとして負けるわけにはいかないんじゃ!)


 勝手に対抗心を燃やす小梅は、短パンとTシャツにサンダルを履いた姿で仁王立ちした。


「それで、全身から全力でお嬢様アピールをしとるおどれはどこのどいつじゃ!?」

「お嬢様だなんて、お上手ですわね。わたくしは、百合園ありす。彼女は私の護衛をしてくださる、八咫多聞ですわ」

「――八咫多聞でございまたもんたもん」

「なんじゃかマモンのパチモンまで現れたんじゃが! おどれら個性強すぎじゃろう!」


 少女――百合園ありすが楽しそうに微笑む。

 女性――八咫多聞は個性が強めの語尾をしながら、表情を動かさなかった。


「先ほど途中まで申しましたが、わたくしは「帝国」に所属しておりましたが、「帝国」の方針を受け入れられず仲違いしていまい、現在はわたくしが「女帝《empress》」を名乗り特別な力を持つ人たちと一緒に行動しております」

「……新興組織が派閥争いとか失笑もんなんじゃが!」

「耳が痛いですわ。本日は、勇者である由良夏樹様をスカウトに参りました」

「たもんたもん」

「喋ることがないんなら黙っとれ! 無駄に主張するでない! 話に集中できんじゃろう!」


 小梅の後ろから様子を伺うサタンは、きっと夏樹の二度寝は終わるんだろうな、と察した。






 シリアス先輩「いや、たもんたもんって……響がまもんまもんに似ているからシリアスじゃね!?」


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 なっちゃんの大冒険をぜひぜひ応援して下さい! 何卒よろしくお願いいたします!


挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
マモンさんと八咫多聞さん会わせたらえらいことになりそう。まもんまもんたもんたもんまもんまもんたもんたもんまもたもんまもたもん…セネガルのドラムアンサンブルも呆然。
 まさか!?話に聞いていたまもんさんの生き別れの母親の姉の娘の従妹の友人の父の弟の友達の八咫多聞さんが現れるなんて!?
女帝、ね……こいつの作った組織の名前「アルカナ」とかじゃね? 漢字表記なら神秘あたりかなぁ…
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