27「これ以上ない助っ人じゃね?」②
「うぉぉぉ……またえぐい組み合わせの助っ人が来やがったなぁ」
千手の肩から力が抜けてしまう。
助っ人はありがたいのだが、一登の人選がなぜ彼らを選んだのか気になった。
「なんだぁ、てめぇ。何者だ!」
盛夫がお約束とばかりに現れた三人に尋ねてくれた。
待っていました、とばかりに三人はそれぞれ名乗り始めた。
「――まもんまもん、俺は寛大な男だが、ファミリーが襲われたら残酷になれる男でまもんまもん。――まーもーんー!」
「――ぱぱんぱぱん。ウチの可愛い千ちゃんと嫁のとらぴーに手を出すたぁ、ゆ゛る゛さ゛ん゛! 世界一のパパこと七森さん家の康弘くんだぁああああああああああああ!」
「――ひしょひしょ。七森家の秘書と言ったらこの私! 最近、遠縁の中学生が家に押しかけてきてラブコメみたいな展開になっているんだけど、おじさん困っちゃう! 森山田善次郎!」
ばーんっ、とそれぞれポージングをとった三人の背後で小規模な爆発が起きた。
「なんでだよ!? あと、無駄に名乗りが長いんだよ! あと、森山田ぁ! てめえはいろいろやべえだろ! なんでいい歳をしたおっさんが中学生とラブコメってんだよ! 知り合いの警察呼ぶぞぉ!」
助っ人として現れたのは、七つの大罪の強欲を司る魔族マモンと、七森家当主にして千手の父親である七森康弘。そして、康弘の秘書であり幼馴染みでもある、七森分家の筆頭の森山田善次郎だった。
「一登から連絡をもらったのでまもんまもん。青森に帰る前にちょうどまもんまもんと蓮の働く店で中華を食べていたら、そちらのまもんまもんな紳士康弘くんと善次郎くんとまもんまもんと知り合って意気投合でまもんまもん」
「ふっ、よせやい。マモンくん、あんたの紳士さには負けるぜ」
「まさかこの歳で新たな友情を育むことができるとは思いませんでした。それにしても、千手様、お久しぶりです。とはいえ、何度かお会いしていましたね」
察するに、一登がマモンに連絡を取ったタイミングでちょうどよく康弘と森山田と意気投合したので、三人で助っ人にきてくれたようだ。
「……めちゃくちゃうぜえが戦力としてはありがてえ」
「――さすがお義父様! 娘のピンチに来てくれるなんて、紳士!」
「……俺はもうツッコまねえぞ」
マモンだけならまだしも、縁を切っていた父親と秘書までやってきたので、千手としては頭がいたい。
だが、戦力的にはありがたい。
康弘と善次郎も霊能力者としては強い部類に入っているが、マモンに至っては上位魔族だ。
少なくとも、千手や虎童子よりも実力はある。
「……よくわらねえが、てめえらも敵ってことでいいんだな?」
「――まもんまもん」
「いや、わかんねえよ。ちゃんとわかる言葉で喋れよ」
「息子を守るためならパパの強さは三倍になることを思い知らせてやろう」
「知るか!」
「森山田家の人間として、七森家のご子息である千手様と奥様の虎童子様をお守りするのは至極当然のことです」
「ああっ、もうっ、こいつら意味わかんねえ! 保、俺はやっちまうぞ!」
盛夫はマモンたちの言葉の意味が理解できず、苛立ちがピークとなる。
保の返事を聞くよりも早く、己の力を使った。
「――俺は勇者じゃないが、能力を持っている。魅せてやるぜ、この傀儡術をなぁ!」




