表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界から帰還したら地球もかなりファンタジーでした。あと、負けヒロインどもこっち見んな。  作者: 飯田栄静@市村鉄之助
十三章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1319/1385

13「膝枕は青春の奥義じゃね?」①





「――――A hui hou!」


 がばっ、と由良夏樹が目を開けて叫んだ。

 視界には青空が広がっている。


(――もしかして、まだ常夏のビーチに?)


「な、夏樹くん? 目が覚めた?」

「お兄ちゃん、どうして急にハワイ語でまた会いましょうって大きな声で叫んだの?」

「……今のハワイの言葉だったの!?」

「う、うん。よく使うよね?」

「どこで!?」


(あ、帰ってきてりゅー。なんか一週間くらい常夏のビーチにいた気がしゅりゅー)


 よいしょ、と夏樹が身体を起こす。


「おや?」


 後頭部にやわらかな感覚があったので振り向く。そして、また身体を横たえた。


「なんでまた寝ちゃうの!? ツインテールする!?」

「い、いや、せっかくすみれさんが膝枕してくれているからおかわりしようかと思って」

「……つまり青春ね?」

「青春です!」

「ならいいわ!」

「やったー!」


 夏樹はお言葉に甘えて青春すみれの太ももを堪能することにした。


「……夏樹くん、さすがにそれは」

「ちょっとどうかなーって」

「あのね、俺は大変だったの! 陽キャとふんどしと僕っ子と一緒で大変だったの! 俺の中に常夏のビーチと売店があって大変だったのぉ!」

「何を言っているのかまったくわからない」

「うん。全然わからないよね」

「あまり青春っぽくないわねぇ」

「お世辞にも青春とはいえない時間だったよ。ていうか、俺ってどのくらい意識を失ってたの?」

「えっと」


 一登がスマホの画面を確認してくれた。


「五分くらい?」

「五分!? あんな濃厚な時間が五分!? ――お得すぎるだろ」

「やっぱり夏樹くんが何を言っているのかわからないよ」

「俺だって気絶している間に起きたことがなんだったかよくわからないんだよ!」

「夏樹くんのことだから、また愉快なことになったんでしょう? 何が起きたの?」

「……実は、俺の中に陽キャがいたんだ」

「うん、まあ、夏樹くんは陽キャだもんね」

「……違うよ? なっちゃん人見知りさんだもん! 陽キャじゃないもん!」

「陽キャな人でも女の子の膝枕おかわりとか平然とできないから」

「……なん、だと」

「ほら、恥ずかしかったり、するじゃない? やっぱりちょっと異性との触れ合いっていうのは」

「……一登が何を言っているのかわからない。すみれさんがしてくれると言っているんだからお言葉に甘えただけですけど! そこに恥ずかしさはない!」

「かっこ……よくはないかな。うん」


 一登との会話のおかげで無事に帰ってこられたのだと実感した。


「ねえ、お兄ちゃん」

「うん?」

「どうしてウィジャボードとウェットティッシュを持っているの?」

「――え?」


 杏の指摘に、視線を手に向ける。

 すると、右手にはウェットティッシュが、左手にはウィジャボードがしっかりと握られていた。


「……ひえっ」


 道理でしっとりしているわけだ、と納得した。

 同時に、やはり今までの出来事が夢ではないと確信した。


「ちょ、夏樹くん! 降霊術だけは絶対にやらないって約束したじゃん! 夏樹くんのことだから歴史上の偉人とか、奇人とかを呼び出しちゃう可能性があるから手を出しちゃダメって言ったでしょう!?」

「違うよ! このウィジャボードは俺の意思で持ってきたわけじゃなくて! 祐介くんに力を与える眼鏡をかけたクール系イケメンふんどし大地の神から無理やり渡されただけで」

「何言っているの!?」

「だよね! 自分でも何を言っているんだろうって思うよ!」


 せっかく現実に戻って来れたものの、気絶中の出来事をどう説明しようかと夏樹は悩んだ。





 ――太ももはとても柔らかかった。





 シリアス先輩「最後のいる!?」

 なっちゃん「いる」

 シリアス先輩「な、なんて澄んだ瞳をしているんだ」


 ブシロードコミックス様より「異世界から帰還したら地球もかなりファンタジーでした。あと、負けヒロインどもこっち見んな。」1巻が発売しました!

 :コミカライズ最新話(8話―②)公開となりました! ぜひお読みください! 

 なっちゃんの大冒険をぜひぜひ応援して下さい! 何卒よろしくお願いいたします!

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
本当の事を言っても妄言にしか聞こえないの可哀想…でもないな。
あ・・・ありのまま今起こった事を話すぜ! 『おれは常夏ビーチで陽キャと褌とボクっ娘に絡まれていたと思ったら いつのまにかすみれちゃんに膝枕されていた』 な・・・なにを言っているのかわからねーと思うがr…
しっとりウィジャボードは、祐介くんを騙して商品化させたい。「ほおら、大地の力が漲って来るだろう」とかのキャッチコピーで。あ、私は買いませんけど。いや要らないって‼ しっとりを顔面に押し付けないでー。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ