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066話 Second Food War

とある日の夜、機械都市ギュノスの高級レストランの個室にて私達は久しぶりに全員で集まり夕食を楽しんでいた。


前日入りで仕入れに来たリオとリナも一緒に夕食を囲む。


円形のテーブルに和・洋・中・おつまみ等の統一性の無いメニューで埋め尽くされたテーブルに、うら若き女性が7人で談笑しながら夕食を楽しんでいた。


しかし、その実態は20歳以上の男性4人と18歳以下の女の子3人の食事会だ。

男性的には人数の合わない合コン的な気分なのかな。


男共はお酒が入っているので、やたらと饒舌になっている。


普段無口なDOS(どっちゃん)も「中の人」の事情が皆に知れ渡ってからは、こういう場では普通に話す様になっていた。


使用していた黒板はアイテムストレージの隅においやられたのだろう。


彼は機械種(アンドロイド)の種族特性で飲食や排泄が不要だ。

その為、食事は行わない。


フェイスタイプの造形的に口が付いて無いしね。


「だから~デカ●タなんて邪道です!オ●シーのパクリ商品じゃないですか!●ロシーとポ●リ割りのオロポとかサウナーに大人気で居酒屋でも取り扱ってましたよ!」


「甘過ぎる!甘さだけを求めるならリ●ルゴールドの方が拙者は好きでござる。後パチモンっぽい商品の中にも稀にいけるヤツとかあるでござる。」


「我は翼を授けてくれる生命の源流一択だな!フハハハハハ!オリジナルの覚醒物質量で販売して欲しい物だな!」


「・・・・・●ンスターの味の方が好みだな。」


何やら、男性陣は炭酸飲料の話で盛り上がっている様だ。


この世界の住民のリオとリナには何の話をしているのか全く理解が出来ていない。

まぁ当然だよね、炭酸飲料なら私はメッ●コーラのブラックかな。


私の横に座っているリオが少し怯えた様子で恐る恐る小声で聞いて来た。


「あの、シノブさん。DOS(ドス)さんはモンスターを丸飲みされるんですか?」


機械種(アンドロイド)を知らないリオらしい勘違いだ。

エナジードリンクのモン●ターと、この世界のモンスターと勘違いしたんだろう。


少しだけ悪戯心に火が付いた。

私はリオに小声で「丸飲みじゃなくて生血をすする方だよ。」と説明したら「ひぇ~」と言って更に怯えて面白かった。


「それより、今夜はお店の方は良かったの?」


週1回の店休日に仕入れを行うので前日の夜は営業しているはずだ。

リナの話では以前働いていた3人の女性兵士が退役し、そのまま就職をしたそうだ。


私と咲耶が居なくなりレジスタンス隊も解体されて全盛期より客足は落ちたが、レジスタンスから村に移り住んだ兵士も何人も居たらしいのでそれなりに繁盛しているそうだ。


・・・良かった良かった。


前日入りすれば、より良い仕入れが出来るし私達にもお礼を直接言いたかったと嬉しい事を言ってくれていた。


最近はマザーブレインの指示で村の周りに防壁が築かれ始めている。


ギュノス国程立派では無いが多少モンスターが凶暴化しても村への侵入が防げる程度には強固な物が出来る予定だとか。


村に労働組合(ギルド)も出来るらしく管理責任者やスタッフも派遣されるそうだ。

ゲームストーリーに関係無く、村が発展していくのは凄いな。


「セブンと言えば、おにぎりでござろう!あのパリパリの味付け焼き海苔は日本人の魂に響くでござろうに!たまに煮卵入りのヤツの濃厚な味のも食べたくなるでござる。」


「コーンマヨネーズパンが1番だろう!人気過ぎてドンドン小さくなってるんですよ!実質値上げですが・・・悔しいけど買っています。」


「甘いわ2人共!あの混沌を具現化した様な具の少ないピザまんの右に出る物は無いだろう!肉まんとピザの両方を冒涜した上に、超熱量(ハイカロリー)と、まさに悪魔の食物!」


「・・・・おでんだな。出汁が良い。」


男共は炭酸飲料から●ブンイレブンの商品の話に変わっていて、またもリオとリナには何の事だか分からない様子でポカーンとしていた。


本当ごめん。


「あの、シノブさん。おでんって何ですか?」


今度はリナが少し怯えた様子で恐る恐る小声で聞いてきたので「神話の神様だよ、倒して出汁を啜るの」って答えたら「ひぇ~」と言って更に怯えて面白かった。


個人的には冷凍食品コーナーの小籠包が好きだ。


「この後皆で温泉でも行かないでござるか?」


「良いですね!行きましょう!」


酔ったサクラが温泉に行く事を提案し咲耶が同意する。


それは流石に口を挟ませて貰う。

リオとリナの貞操の危機だ。


「そこの犯罪者共!流石に口を挟ませて貰うよ!」


このネカマ2人は女湯に入るのが犯罪行為だと言う事を自覚した方が良い。


2人がとんでも無い事を言い出したのでDOS(どっちゃん)が殴って説教をしていたが、それを見たリオとリナは何が悪いのか分からず首を傾げていた。


ごめん2人共、酔っ払ってネカマのオッサンの本性が表に出ただけだ。

彼女らにしてみたら、ただの女子会なのだから。


実は大半が男性ですなど口が裂けても言えない。

しかし現実を知らないリオとリナは皆で温泉に行く事に興味深々と言った感じが伝わる。


「温泉!入ってみたい!大浴場が有るのは知っていたけど入った事無くて。」


「シノブさん行きましょうよ!私言ってみたいな!」


リオとリナが乗り気で行きたいと言う。


その言葉を聞いてサクラと咲耶の目が輝いた様に見えた。

絶対に駄目だ何か良い回避方法は無いだろうか。


「いや、でもな・・・うーん。あ、SPAに行こう!温泉も有るしね。」


「何それ!」


「温泉!」


私の提案にリオとリナが喰いつく。


SPAは確か温泉と違い水着を着用する事が義務付けられている。


水着はレンタルでもすれば良いし。

取り敢えず2人の貞操は守られる。


「そういえば、観光客用にそんな施設が有ったでござるな。」


「悪く無いですね。うん、良いじゃないですか。」


結局私達はSPA施設に行く事になった。

アロママッサージやサウナ、無論温泉も完備している。


私達はテーブルの食事を軽くたいらげ、街の西側に位置する観光用のリゾート区画に向かった。

お読みいただきありがとうございます。

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