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041話 星に願いを

「貴女のおっしゃる通り、我が国が保有していた封印宝玉は破壊されていました。」


「・・・そうなんですか。」


「厳重な警備の基に結界の有る部屋に安置され、遥か悠久の昔から封印されて来た。誰も侵入した形跡も残っておらず、警備兵も異常は見られなかったと証言していた。」


「自然に壊れたって事ですか?」


「分からない。だからそなたの話を聞きに参ったのだ。」


そう話すデイア姫は落ち落ち着かない様子で何度か長い脚を組み替える。


余りに綺麗な脚だから女の私でも組み替える度に視線で追ってしまう、あのネカマ2人確実に視線は釘付けになっているに違いない。


しかしまぁスタイルが良い・・・

私は細身なのでウエストには自信が有るんだけど、腰からお尻に掛けてが貧弱だから魅力的なボディラインじゃないんだよなぁ・・・くすん。


「どうした?何か落ち込んでいる様に見えるが大丈夫か?」


「はい、大丈夫です。デイアさんが美しすぎて自分に自信が無くなっただけですので。」


「そんな事は無いシノブさんはとてもキュートで私の好みですよ。」


私好みって、どんなフォローだよ。

しかも自分への謙遜は一切無しとか流石に姫と言った所か。


「改めて、今後起きる世界崩壊の事を詳しく聞きたい。予言の力で見たと言う先の未来を。」


取り敢えず覚えている限りのストーリーモードの内容を予知夢で見た風に伝えた。


今回みたいに私とサクラのパーティーと、DOS(どっちゃん)と咲耶のパーティーと別方向から攻略を進めて無い限り今後のストーリーが大幅に変化する事無いと思う。


ふとギルドマスターのミカさんと破壊神ハーデス(ハーちゃん)の事を思い出した。


彼女達は無事だろうか?

今の所、他のプレイヤーと出会ってない所を見ると、やはり「深紅の薔薇」以外はこちらの世界に転移していないのだろうか。


「俄かに信じられない、しかし貴女が嘘を言っているとは思えません。何か対策は有りますか?」


「周辺地域のモンスター討伐と自軍の強化を進めて有事に備えるのが得策ですね。後、食料の備蓄計画も。」


戦争が回避出来るのは良いけど、自国の守りを固める位しか助言出来ない。


デイア姫が付いて来てくれれば、レイドボス戦が格段に楽になる事は間違いないけどお父上が許してくれないんじゃないかな?

・・・ゲームシステム的に。


彼女はNPCなのだから恐らくストーリー進行の大筋に関わる行動は制限されるんのだろうか。


ストーリーなんて無視して暗黒神ザナファの存在するアビスダンジョン50階層にクリス君やデイア姫等の強い能力を持った全勢力で攻め込めば一番簡単なんだろうけど。


そんなドリームチーム的な事は強行出来ないんだろうな。


「明日、国王に謁見して貰う。今の話を貴女の口から再度説明して下さい。戦争の終結と協力関係の締結。そして軍事力の強化を進言するのだ。」


「ええ!?デイア姫が伝えてはくれないんですか?私なんて一般人ですよ!?」


「私は半信半疑と言った所だな。国の方向性を決めるのは、あくまでも国王だ。自身の口で伝える機会を与える、自身の言葉で伝えるが良い。」


「自信無いな・・・。」


「オスロウ国王に化けていたモンスターとの戦闘の事は、国王に話して有ります。そう邪険にされる事は無いでしょう。」


「そうでしょうか、猫の姿の方が神格化されるかな?」


「猫の姿ですか?」


百聞は一見にしかず。

私が【黒猫スーツ】を着るとデイア姫の目が一瞬輝いた様に見えた。


「可愛い!!」


デイア姫が【縮地】でも使ったかの様な素早さで私に抱き着く。


この私が回避出来なかった。

流石はレイドボス能力保持者と言った所か!?


暫くスリスリ、モフモフとされていると、満足したのかデイア姫は冷静さを取り戻す。


「コホン。すみません、取り乱してしまいました。」


「いえ・・・大丈夫です。」


一通りは無しを終えたデイア姫は、照れ隠しをする様に「コホン」と咳払いをして早々に退出して行った。


私は明日の事を考え頭を悩ます。

相手を説得するなんて経験は今までに無い。

・・・困ったな。


済崩し的に明日国王様と謁見する事になる。

要は私が国王に説明をして戦争を止める様に進言しろと言う話だ。


デイア姫から伝えてくれれば話が早いと思うのだけれど、何か理由が有るのだろうか。


改めてデイア姫が引っ掛かった入口の罠を造り直しベッドに横になる。

暫くすると自動的に天井の光が薄暗くなり、ベッド脇の小型クリスタルスタンドが薄く点灯する。


凄い技術だ。

しかもこのベッドの材質が変!


いや、なんて言うかウォーターベッドっぽい寝心地に似てる。


大型百貨店で販売していた展示用のウォーターベットに寝そべった時の寝心地にそっくりだ。

捕獲したスライムでも入っているのだろうか。


柔らかなバスローブにダメになりそうなベッド、魔法技術を惜しみなく使用した恵まれた環境。


もし現実に戻れなければハイメス国で暮らそう。

予言者としての地位は無理だけど暗部の忍者として雇って貰うか。


いや、でも食事はオスロウ国の方が美味しい。

悩ましいな。


ベッド脇の窓から見える夜空には満天の星空が広がっていた。

現実の夜空に似ている、実家でも良く眺めていたなぁ。


そう考えていた時に、夜空にスッと一筋の流れ星が視界を横切る。


リアルでも1時間位夜空を眺めていると流れ星ってかなり頻繁に見る事が出来る。

流れ落ちるのは一瞬だから願い事を3回言うのは不可能だけどね。


もしも願いが叶うなら現実世界に帰りたいと願うとして一番短い文章は何だろう?「現実帰還」×3かな。


流れ星は一瞬だ、四文字は難しい。

・・・「胸」×3なら、なんとか行けるかも。


馬鹿な事を考えている場合ではない。

国王の説得と今後のプランか。


ハイメス国で話を付けて停戦から終戦に持ち込んでから、1度オスロウ国へ戻り終戦を伝えてから機械都市ギュノス国へ向かうか。


ギュノス国が鎖国していなければ、中に入るのが楽で良いんだど。


あふっ、眠い・・・久しぶりのお風呂でリラックスしたせいか急に睡魔に襲われる。


体を良く動かして、視覚をゲームなどで刺激して無いのも有るのだろうか。

でも明日話す内容を纏めないと・・・


よし!目を瞑って考えよう、と思いながら深い眠りへと誘われて行った。

お読みいただきありがとうございます。

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