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227話 全人類の墓場

SPは残り半分。

回復手段は自然回復しかない。


ダンジョンの特性からSP回復量はかなり少ない。

残り半分のSPを温存し全快の状態で破壊神ヨグトスに挑むのが理想だけど・・・

魔人ハスタは強力なシールドで守られている。


前回戦った時も防御シールドは銃撃耐性も高いのでDOS(どっちゃん)の装備する貫通性能の高い【アグネイヤ】でもシールド突破後でなければ本体に傷付ける事は出来なかった。


私の【破壊刀イレース】とサクラの持つ【(しん)童子切安綱(どうじぎりやすつな)】しか強固なシールドを突破する術は無い。


「シノブは待機、SP温存して下さい。先行はサクラとデイア頼めるか?DOS(ドス)はニーリング姿勢で待機。咲耶は防御障壁を張り待機、セーニアはシノブを守れ。」


「了解。」


「りょ。」


「了解。」


「分かった!」


ミカさんが指示を出しDOS(どっちゃん)が中距離でニーリングと言う膝立ち状態で待機。


最前線は魔法攻撃反射する防具を装備するデイアが盾役(タンク)を務める。

そして協力なシールドを破壊出来るサクラが最前線で斬り込みシールドを破壊後全員で集中攻撃で倒す。


盾役(タンク)はデイア殿、お願いするでござるよ。」


「物理攻撃は避けるからな、当たっても知らんぞ。・・・行くぞ!」


デイアは浮遊しながら高速移動で魔人ハスタに向かい飛ぶ、サクラは【縮地】を使用しながら後方を負う形で走る。


破壊神ヨグトスが指をパチンと鳴らすと魔人ハスタはニヤリと微笑み、強化シールドを展開。

そして魔人ハスタを包み込むシールドから6本の触手が出現する。


「魂と肉体も含めた強制破壊攻撃も有る、シールドを破壊しても油断するなよ!」


DOS(どっちゃん)が皆に向かって大声で叫ぶ。アルラトの魂を消滅させた【破壊刀イレース】と似た攻撃を持っている。

触手は攻撃力は高いが、武器破壊能力は無かった。武器破壊可能になる条件が【破壊刀イレース】と同じく直接接触なら、魔人ハスタが「壊す」と意識的に攻撃する事が条件だと思う。


ミカさんがセーニアを私の護衛に指名したのは、魔人ハスタとの体術戦闘を警戒したからかも知れない。


魔人ハスタは巨大竜巻と真空の刃を複数発生させて応戦する。

しかし、その全ては魔法による攻撃なので最前衛で進撃するデイアにて全て反射される。


反射した風魔法は全て魔人ハスタのシールドに吸収される、以前戦った記憶が残っているか分からないが魔法反射を驚いている様に見える。


デイアとの間合いが近付いた所で触手攻撃へと行動が切り替わるが、触手も風魔法扱いの設定らしく全ての触手攻撃を弾き返す。


物理攻撃範囲ギリギリの距離で2連続の極大攻撃魔法(アルティメルスペル)【マジクアンダイン】が炸裂する。


巨大な電撃に紛れ、間髪を入れず後方からサクラが【(しん)童子切安綱(どうじぎりやすつな)】を使用した居合斬り【朧三日月(おぼろみかづき)(きわみ)】を使用し魔人ハスタのシールドを斬り裂き、同時に左腕を吹っ飛ばした。


驚愕の表情を浮かべる魔人ハスタは弾かれた触手の態勢をなおしシールドの修復を始めた。

しかしクリス君の赤黒い炎を宿した【ドラグスレイヤー】が特殊技能(スキル)天業ノ黒(てんごうのくろ)】がシールドの修復速度を越えて脇腹を裂く。


「なんだ!?こいつらは!!」


「再登場の敵はレベルインフレに取り残されるのは王道でござるよ!!」


態勢を崩した魔人ハスタは触手で地面を弾く様に後方に飛びのき苦渋と怒りの表情を浮かべて睨む。


脇腹を抑え蹲る魔人ハスタを見て破壊神ヨグトスは感心した表情で話し出す。


『素晴らしい。以前の戦いで学習したのですね、皆さんは能力的には強くなる事はないはずですが、実践経験からより効率化された最善の動きをしている。数日と言う短時間で、もはや魔人ハスタでさえ余裕で戦える程に強くなっている。』


確かに、デイアが魔法を全て反射しているのが大きいが3人の魔人との戦いは相手の攻撃方法や行動パターンを経験した分、以前よりも格段に予測がし易い。

どんな攻撃が来るか、どんな攻撃をすればよりダメージが当てれるか分かるからだ。


破壊神ヨグトスが指を鳴らすと魔人ハスタはあっさりと影の様に黒く染まり消滅した。

そして破壊神ヨグトスは満足そうな表情で拍手をする。


「消えた?下げた・・・のか?」


「何かを企んでいるかも知れん、警戒を!」


『皆さんに面白い物をお見せしましょう。』


破壊神ヨグトスが指を鳴らすと周囲の星々の姿が消えて、赤い空が映し出されて外のフィールドが映し出される。

360度パノラマモニターの様に周囲が外の情景に変貌していた。


これは上空100メートル位の景色だろうか?

かなり高い位置から大陸を見下ろした視点だ。

皆が周囲を見渡す。


この景色は見覚えが有る。

あのドーム状の施設と周辺の広大なキャンプは機械都市ギュノス国だ。


『これは20分前の映像です。』


機械都市ギュノス国の周辺に黒い影が現れて見覚えの有る姿を形成した。

守護神「メジード」と暗黒神「ザナファ」と第2形態の古代神「カノプス」が現れる。


「神」を冠する巨大モンスターが機械都市ギュノス国の周囲を取り巻く難民キャンプの住民や守護機械兵(ガーディアン)を暗黒神ザナファが地獄の業火で焼き尽くし蹂躙する。


「なんて事を…!」


守護神メジードの魔法により機械都市ギュノス国を覆うドーム状の強固な防壁が一瞬で倒壊し崩れ落ちた瓦礫で多数の住民が潰されて死んでいく。

多くの人が逃げ惑い、多数の衛兵や機械兵が倒れているのが見える。


「街が・・・街が!」


「なんてことだ・・・!!」


古代神カノプスが透明な翼を大きく広げ聖属性魔法を使う。

都市を幾億もの光が瞬き、私達が居るフロア全体が真っ白い光で包まれる。


目を開けるとギュノス国は跡形も無く消え去り其処には膨大な瓦礫だけが残された廃墟が有るだけだった。


そう、其処に居た全ての生命が複製された3大神によって全て、エネルギーへと変換されたのだ。

その後、守護神メジードと暗黒神ザナファは巨大なエネルギー体に変化し消える。


その後場面が次々と目まぐるしく切り替わり、生き残った人々がモンスターに殺される映像が流れる。


助けたくても助ける事が出来ない。

ただただ見ているだけしか出来ない絶望を皆と味わう。


そして、恐らく最後の攻撃と思われる古代神カノプスの聖属性魔法がこの惑星レナスディア全ての生きとし生ける物・・・生物、植物、そして無機物にまでターゲッティングロックをして発動する。


惑星全体が巨大な光に包まれて、大爆発を起こす。

そして、惑星だった物を残し・・・全ての生物が消滅した。


・・・古代神カノプスも含め、その惑星の全てが消えた。


そして周囲に映った映像がフェードアウトする様に暗くなりフロア全体が暗闇に包まれる。

その暗闇の中に無数の星々がゆっくりと現れ始める。


最初に映っていた宇宙空間の様な場所だ。

最初の時よりも星の数が増えている様な気がする。


この星はもしかして・・・。


『シノブ・・・貴女はこの光景を見た事が有るんじゃないですか?』


「・・・・魂のストレージ。」


いつか夢で見た光景。

ここはエネルギー変換された魂の保管場所だ。


この星に見えていた大小煌めく光の粒は、この世界で生きていた全ての人々の魂だ。


その光景はとても美しくて儚い光を宿し、煌めく宝石箱の様な風景は宇宙その物に見えた。


その景色を見た私の心には「感動」では無く、「絶望」と言う感情で塗りつぶされていた。

お読みいただきありがとうございます。

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