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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

行くぜっ!俺のターンっ!!!~ダンジョンが出現した現代で俺は俺のデッキで無双する~

作者: ひろ(仮)

これは設定上遊〇王みたいな設定が出てきます。一応オリジナルでだしているのですが問題があるようなら二次創作物に移そうと思いますので教えていただけると助かります。規制の境界がわからない情弱ですまねぇ…!(泣

カードの効果間違えたり誤字だったりいっぱい見つけちゃったのでデュエル開始付近から大幅に加筆・修正しました!話の流れは変わってません!

俺の名前は結城 和葉

こんな名前だけどれっきとした三十四歳しがない会社員のおっさんだ。


さて皆さんはカードゲームというものをやったことがあるだろうか。


ワクワク腕白少年少女たちならもちろん遊戯女王やらMoGやらポケモカやら触れているよね?もちろん私もだ。

昨今では明らかに少年少女より大きいお兄さんお姉さん寄りになってしまった印象があるのだけれど(金銭的な意味で)その美麗なイラスト、綿密な戦略性、1キルして失う友人たち、溜まらない貯金…

そのような様々な要素のあるカードゲームである。


でも楽しけりゃなんでもいいじゃんね?


一枚うん万円の激レアカードを引き当てた時、環境デッキに本気で好きなテーマで1マッチでも取った時の快感、デッキ構築は弱くてもコレクションとして眺めてにやにやするのもいい。


楽しみ方なんて人それぞれだと思うんだ。



でだ、なぜこんな話を冒頭に持ってきたかというとなんですが。


2022年、世界に激震が走る出来事が起こった。


いや、マジで激震も起こって大災害だったわけなんだけど。



世界にダンジョンというものが生まれた。

昨今でよくあるローファンタジー世界の始まりである。


現代社会に異界との懸け橋たるダンジョンの出現、それに伴う魔物の出現、現行の銃火器では歯が立たないこの化け物たちに対抗できるのはダンジョン発生とともに覚醒した原生生物への恩恵『スキル』

人類はもちろんのこと、犬や猫などの動物にも表れた事で異世界VS地球みたいな構図が成り立っていた。

スライムVS鼠!!ファイっ!!みたいなのがダンジョン付近で見られたりする。(その時鼠が電気纏って体当たりしてた、ボル〇ィッカーかな?)


そう、『スキル』

これが結構厄介なもので、単純に『剣術』とか『体術』といった戦闘系のスキルだったり『火魔法』とか『水魔法』とか憧れの魔法系スキルなど人それぞれ、千差万別だったわけなんですよ。

人によっては『釣り』とか『造形師』とか『絵師』とか…それ趣味じゃね?ってスキルが発現してる人もいる。

…ちなみに上記三つは全然当たりスキルである。

『釣り』、『絵師』は召喚系のスキルで『釣り』はどこでも釣りができて(この釣りができるシステムが召喚に分類されてる)、己の釣りあげた魚を使役して戦う。魚は空中を泳ぎ、もちろん『スキル』を使ってくるため意外と強い。難点は釣るという戦うにしてもワンクッションおかないといけないところかな。(日によって1時間2時間平気で待つらしい)

『絵師』はもっと単純で自分の描いたものを具現化する能力だ。

凄腕の『絵師』に任せればめちゃくちゃな性能の剣やら鎧やらポンポン出せるということで引っ張りだこなスキルである。難点は生き物を出せないことと(出来たら美少女だらけのハーレム作れんじゃんくそが!!)一定時間で出したものは消えること、そして絵師のモチベーション次第ということかな?

一本剣の絵をかくのにしっかり魔力を込めて描かないといけないから結構集中力使うみたい。

そして『造形師』、これも召喚ではないけど自分の作った造形物で戦闘ができる使役系のスキルだ。

人によっては大型の怪獣を作ったり、ロボットのプラモデルで戦ったり、コスプレ衣装を作ってなり切ったり結構業が深い人が多い。難点は製作期間が長いほど強い物ができるということで制作の為に引きこもってる人が多いことかな。


そういう特殊な系統スキルを数多く発現する人類だ。一見ハズレスキルか?というものが実は強い!という追放ざまぁ!が発生しにくい世界なのだ。

当たり前じゃんね?昨今のラノベ見るだけでも見たことないスキル、使えないスキルといって追放して後日実は強い最強スキルでした!なんてのが流行っていたのだ。政府がそんなの見逃すわけがない。


ダンジョン発生から政府の動きは早かった。


巷にはびこるありとあらゆるラノベを見分し、作者や有識者オタクを呼び出し今後の政府運営、環境の整備などにいち早く取り組みだしたのである。

この時ばかりは後手に回っていた大国から「クレイジージャパン」と罵倒なのか賞賛なのかわかりづらいお言葉をいただいたほどである。

…実際国民も引いていた、腰の重い日本政府にしては力の入れようがドン引きレベルだったから。総理マジ有能。


そのおかげで一見ハズレスキル?というものはしっかり検証され本来以上の使い方ができるように成ったのである。


そしてどうやって生物がスキルを授かるのか?というととてもお手軽で政府が設立した『ギルド』からダンジョンに入る、もしくはダンジョンフィールドに入ることで生物はスキルを授かるのだ。

ダンジョンフィールドとはダンジョンと同時に世界各地に出現したゲームなんかでいうフリーフィールドである。

比較的弱い魔物が出現ポップするが安全にスキルが貰えるのでここで自分が何を貰えるのか試す人が多い。(そもそも街中にあったりするから望まずにスキル授かっちゃった人も多い)




…まぁ、長々今の時代の話をしたんだけど俺も例にもれず『スキル』を授かった。


それが『決闘者』


いや、言いたいことはわかるんだ。

実際小学校から三十四になるこの年までずっとカードゲームをしていた。それこそそこらの小学生に1キルされてガチギレしたことだってある。高額カード見せびらかして大人マウントとってドヤ顔したことだってあります。デッキ構築で全然関係ない『ただ可愛いだけの好きなカード』を入れて謎のナイトプレイして遊んだりしてました。新しいパックが出れば絶対一枚は全種類全レアリティそろえてバインダーに入れて飾ってます。


…だからってこれはないでしょうよ…どっちかというと俺『収集者コレクター』だと思うんだよね。


さて、この『決闘者』いったいどんなスキルなのかというと一言でいうなら闘技場で戦う人である。


そう、カードゲーム関係ないのだ。特定フィールドである『周りに5人以上観客がいる時』という条件下において一対一の戦いで無類の強さを誇るというものすっごい限定的なスキルなのだ。

補正値は破格のSランク(G~Sまでランクがありそれによって筋力などに補正がかかる)、武器もなんでも使えるようになるという誰が言ったか『これ、動画配信者にとってはチートスキルだよね?』というほんと配信向きスキルだのだ。だって画面越しでも観客扱いされてフィールド展開されるからね。

ただもちろんそんなスキルにも難点はある。


ソロにはつらい。


まず魔物と一対一になるのが難しい、高難度の階層では当然のように魔物も徒党を組む。

それにタイマンじゃないときの『決闘者』はいいとこ『剣士』ぐらいの力しか出ないのだ。

つまりそれ相応の仲間が必要なのである。


「…俺、そんな都合よく頼れる仲間なんていないぞ?」


三十四歳、しがない会社員、貯金無し、結婚無し、彼女無し、友人少な目…うーん厳しい。

体形は普通、背も普通、顔は磨けばいい感じかも?(高校時代の彼女談)いたって普通な俺。一夜にして人気配信者になる!なんて甘いことは現実には起こらないんだよ!(半ギレ)


「てかマジどうしよう、てっきり『収集者コレクター』だと思ってたし初ダンジョンだからって思いっきりネタ装備で来たのになぁ」


今の俺の恰好は全身黒ずくめ!黒のブーツにシャツとパンツ、黒のロングコートに黒髪黒目の黒黒尽くしである。

そして左腕に装着されたデュエルホルスターである。

これ、アニメキャラたちが腕につけてるデバイスのおもちゃ版なんだけど販売からだいぶたってることもあり今ではプレミア価格で取引されている商品である。俺?もちろん当時定価で買いましたが?大事に大事に使ってましたが?

愛用のデッキを装着して華々しくダンジョンデビューしてやろうと気合入れてきたんだよね。


もちろんこんな格好で来たのにも理由はある。

さっきから連呼してる『収集者コレクター』の力が関係しているのだ。

実はこれ、今まで集めたアイテムをゲートから呼び出しそれを使って戦うというはたから見るとゲー〇オブバビ〇ン的なことができる職業なのだ。

もちろん収集物のオリジナルは家にあるままコピーを具現化するだけなのでお財布にも優しい英〇王とは違うとこもあるけどそれを使って高額カード投げつけて戦いたかったのだ。(なぜか投げつけた収集物は爆発する。高額だと威力が上がる。富豪なんかが宝石射出して戦う動画がお姉さま達に人気)


「うーん…こんな事なら『ギルド』で剣でも借りてくればよかった」


腕を組んでうんうんうなっていると後ろから来た少年少女のパーティにクスクス笑われてしまった。

…うんですよね?いい年したおっさんがデュエルホルスターつけて通路の端でうなってりゃそうなる。

通報されないだけマシだな、この時代に感謝だわ~(コスプレみたいな恰好でダンジョンダイブする人は多い、むしろそっちが主流?いい時代だ。)


「とりあえずスライムぐらい倒してからかえろ、素手だからあんまり戦いたくないけどゴブリンとかよりはましだしね」


そう思いなおし一先ず進むことにした。




…ホルスターにセットしたデッキから漏れる光に気が付かずに。











「ぐぉおおおおおおおおおおおおお!?ひいいいいいいいい!!」


何をいきなり叫び声をあげてるかって!?絶賛魔物と追いかけっこ中なんだよ!!

おかしいだろ!?俺タイマンだと強くなる『決闘者』じゃないの!?


Q:何が悲しくて最弱(?)なスライムに俺追われて逃げてんのさ!

A:殴ってもまるで効かなかったしおまけに普通に消化されそうになって皮膚が爛れた!くそいってぇ!!


しかも『ギルド』で売ってた1階層のマップも見ずに走り回ってたせいでもう道がわかんねぇ!

帰還石っていう強制的にダンジョン外に出られるアイテムも『どうせ一階層だけだし大丈夫だろww』って舐めプしたせいで持ってない!


あれ!?俺詰んでね!?こんなとこで俺死ぬの!?待ってくれ、来週には新しいパックの発売日で有給取って開封式する予定なのに!!


「…っざけ!ざっけんな!!こんなとこで死ねっかよ!?」


悪態をつきながら走る、駆る、奔る。

後ろからはスライムの這いずる音が付かず離れずの絶妙な距離で聞こえてくる。

普段の運動不足が祟ったのか若干足を縺れさせながらなんとか転ばないように走る。

あの通路を曲がればきっと出口だ、逃げ切れる!…そんな希望的観測を胸に前に進む。


…しかし無情にも俺の目の前に現れたのは巨大なダンジョンの壁だった。どうやら俺は袋小路の通路に迷い込んでしまったらしい。


「…ぁ、なん…で」


「ぴぎゃぅうう」


絶望感に打ちひしがれ、足をとめ目の前の壁を見つめていると背後から俺を追っていたスライムが奇声を上げながらにじり寄ってきていた。


魔物の表情なんて読めないがどことなく嬉しそうな気配は漂ってくる。くそっ!俺を食えるのがそんなに嬉しいかよ!


思えばこのダンジョンダイブは慢心ばっかりだった。

初ダンジョンで浮かれ、『スキル』もわかってないのに何も準備せず、挙句の果てにネタでおもちゃを持ってきただけだ。いくら『ハズレスキルなんて無い』といったってすぐに使えるわけじゃないんだ。

今時小学生だって知ってる。いや小学生の方が利口だろう。それぐらい俺の考えが甘かった。


くそっ!せめて…せめて最後くらい俺の好きに生きてやる…!どうせ殺られるなら俺は愛用のデッキと共に戦うぞ!『スキル』なんて関係ない!殴ってだめなら蹴りだってなんだって使う!


にじり寄るスライムに俺は体を向ける。そして言ってやった。アニメのキャラのセリフを声高々に。


『こっからは俺のターンだ!!楽しもうぜこの決闘をよぉ!!』





瞬間







世界が爆ぜた











決闘デュエルの宣言を確認、これより命を懸けた決闘デュエルを開始します。決闘開始デュエルスタート!!』






「がぁ!?」


その時俺の左手に装着されていたデュエルホルスターが物凄い熱を発していた。焼ける、溶ける!?まるで燃え盛るマグマの中に手を突っ込んだみたいだ。


おいおい!?俺の愛用のデッキどうなっちゃうの!?や、やめて!?その中には激レアプレミアの……あ、あのカードが!!原作からずっと大好きで一目ぼれしたあのカードが!!いやああああああ!!俺のうん十万がああああああ!?(ガチ泣き)



どろどろに溶けていくホルスターとデッキを目にした俺はどうやら一瞬意識を失っていたらしい。

気が付いた時には左手に機械的な龍を模した黒光りするガントレット、そこから展開される半透明な板状のホログラムスタンバイフィールド、そしてガントレットの手首部分から見える見慣れたカードの束だった。


「…ぉ、おぉおおおおおおおおお!?」


なんだこれ!!なんだこれ!?無茶苦茶カッコいい!?原作の遊戯女王で出てきた専用デバイスみたいだ!!


「…ぴ、ぴぎゅうぅう…」


興奮する俺を見てなのかなぜか今まで追い詰める側だったスライムが何かを警戒するように少しずつ後退していくのが見えた。


ふふん、今更怯えたってもう遅い!このガントレットで殴ってお前をぼっこぼこにしてやんよぉ!利き手じゃないのが辛いとこだが何とかなるだろ、ふへへ!


ニマニマと嫌らしい笑みを浮かべながら俺はスライムに近づいていく。振り上げたガントレットに力を込めて渾身の左ストレートを繰り出した。


「これはぁああ!!逃げ回された俺のぶっんっぎゃああああああああああああああああ!?」


スライムの体内に拳がクリーンヒットした瞬間、ガントレットの隙間からスライムの溶解液が入り込み俺の左手を消化していく。慌てて左手を引き抜くがガントレットという防具のせいで溶解液を拭えず地獄の苦しみを味わう俺。な、なんでじゃああ!?


「ぴ、ぴぎゃう!」


「ひぇ!?」


その隙にスライムは俺から距離を取り警戒態勢に入ったようだ。…俺はスライムの鳴き声で尻もちついたがなぁ!?



「くそ!なんでだ?武装強化されたようなもんなのになんで通用しないんだ!?」


じくじくと痛む左手を抱え込みデバイスの状態を確認する俺、よかった、デバイスやデッキは何ともない。

絶対何らかの力が覚醒したと思ったのにこれじゃあさっきの二の舞じゃないかよ!今は奴さん警戒してるから手を出してこないがこっちに攻撃手段がないとわかったら…や、やべぇっ!?


『…全く、無様じゃな?主よ』


そんなとき俺の左腕…ホルスターに刺さったデッキから声が聞こえた。


「…は?…なん…なんだ?今の声」


まるでAMSRのように頭の中に響いた声はとても澄んでいていつまでも聞いていたいと思う声だった。…というかすみませんめっちゃ好みの声です興奮します。あっやめっ耳はよわ…ふぅ。


『なんじゃ…?急に震えおって…なぜ成し遂げた顔をしておる?…なぜ遠くを見る?』


やめてぇ!!私のライフはもうゼロよぉ!?


「っん!んふ!」


『なんじゃ…気味の悪い主じゃな…」


すみませんごめんなさいこんなことしてる場合やないってわかってるんですがこの頭に響く声のせいで俺はもう理性を保てそうにありません群馬のおやじおふくろもうおれはだめだこんなダンジョンの中で理性が保てずに死ぬなんてなんてむごい死に方だろうでもなんでかなちっとも怖くないのあたい今ならなんだって解放できそうな気がするそうこんな危険地帯でおーぷんますたーべry


『いい加減戻ってこい主よ!』


「あばばばばばばばばばばばばばば!?!?!?!」


理性と性欲がせめぎあい精神崩壊を起こしかけていた俺は突然の電気ショックにより強制的に現実に引き戻された。おっどろいた、なにこのホルスター電気ショック(所有者に)打てんの?怖っ!


『…落ち着いたか?主よ』


「あ、はい」


ようやくこの声に慣れた。…ごめん慣れない。っく!なんてことだ自分の武装(暫定)に精神攻撃を受けるなんて!これが覚醒の代償なのか!?ひどいよ神様!これがボイス作品だったらいくらでもつぎ込んじゃう自信があるよ!もうガチ恋しちゃうのぉおおお!!


『…話が進まん、もう一発いっておくかの?』


「はい、すみません正気に戻りました。現状確認、危険なダンジョンin俺withスライム。おーけー!」


…なんかさっきの電気ショックで頭のネジが何本かとんだ気がするけどヨシッ!


『…ふぅ、まあ良い。手早く説明するぞ?あ奴がいつ動くともわからん。あんな雑魚にやられるのはさすがに妾も我慢ならん』


「はい」


流石に緊張感をもって現実に戻る俺。デッキから頭に響く声はこういった。


『主は勘違いしているようじゃが…主は『決闘者』ではない。…主の馴染み深い『決闘者デュエリスト』じゃ。このヒントだけで……もうどう戦えば良いのか……分かるのではないか?」


その瞬間、俺の中に膨大な量の自分の過去の情景がフラッシュバックした。


初めて構築済みデッキを手に入れて友達と対戦してボロ負けした時。


初めて最高レアカードを手に入れて中学生に奪われた時。


初めて環境デッキを作って友達をボコボコにして友達を失ったとき。


初めて小学生にボコボコにやられた高2の夏。


社会人の初任給でうん万するカードを買いショップで小学生にマウントを取った20代前半。


…あれ?ろくな記憶無いな俺。…なんだろう悲しくなってきたんだけど…。


『主よ、なぜ凹んでおるのだ』


「すみません」


自分のくずぶりを再認識してしまいまして…。





ああ、でも。



戦い方はわかった。



だってそれは俺の人生の中にいくらでもあったんだ。



いろんな奴と戦った。



それが今度はダンジョンに代わるだけだ。




「っし!OK。行こうぜ俺たちのデュエルを見せつけに。ここから俺のターンだ!なぁ、『ティアマト』」


『なんじゃ、妾が誰だかもう見抜いてしまったのか…?詰まらんな…』


そういいながら声は嬉しそうじゃんかよ。ツンデレかぁ?そのうちデレデレにしてやんよぉ(ネットリ)

何がどう作用して『ティアマト』に意思が宿ったのかわからんが俺のデッキの中で会話できるなら『ティアマト』がいいなぁと思ってあてずっぽうで言ったら当たってた件、俺は静かにコロンビアポーズを決めた。


『…』


「あがああああああああああ!?!?」


ごめんなさいすみません真面目にやります。


つっても気になることもある。カードゲームっていうのは基本的にターン制だ。

現実でも同じように敵が待ってくれる訳ない。実際スライムは警戒しているようではあるが攻撃の為にじりじりとこちらに近づいて来ている。

さっき逃げ回った時、そしてガントレットで殴りに行った時に感じたがこれといって俺の身体能力が上がったようにも感じない。…うーむどうするか。


「うん。まぁ、まずはカード引いてからだな!!」


そう、これがデュエルだってんなら俺はカードを引けばいいんだ!まずはそこから!

俺はデッキホルスターから6枚のカードを引く。


…ふむ。『奈落の誘い』『エターナルバリアフォース』『11の怪物 暴竜ウシュムガル』『スプリントシープ』『天命の石板』『キャンセラーX』か。


…あ、これ絶対オーバーキルな気がする…気がしない?


序盤のスライムに使っていいカードじゃない気がするんですが…なんというか大人げないというか…もったいないというか…。

気のせいか、にじり寄っていたスライムがまた後退して行ってるんですけどぉ…。


「うーん、とりあえずコンボ決められるし行けるとこまで行っちゃいますか。『スプリントシープ』召喚、からの効果発動」


『ンメエエエエエエエエエエエ!!』


そうしてホルスターのホログラムスタンバイフィールドに『スプリントシープ』を置く。

すると俺の目の前に光とともに足と毛の長いスレンダーな羊が出現する。


「『スプリントチェンジ』」


『ンメエエエエエエエ!』


現れた羊は助走をつけるために下がり一気に加速、音速の壁を超えると(余波のソニックブームによってこの時点でスライムは瀕死だった気がする)同時にデッキに戻り俺の手札にデッキから魔術カードを一枚、フィールドに羊毛トークンを置いて行った。


俺がデッキから引いたカードは黒魔術『天地創造』


すかさず引いた『天地創造』を発動。


「『天地創造』の効果は自分モンスターを破壊することによりデッキから創生魔術を発動する、その後手札から『11の怪物』と名の付くモンスターを特殊召喚する事ができるって効果だ!

黒魔術『天地創造』の効果により俺は羊毛トークンを破壊し、創生魔術『古代都市メソポタミア』を発動。さらに手札の『11の怪物 暴竜ウシュムガル』を特殊召喚する……!」


そういうと俺の目の前にあった羊毛トークンが爆散しゴゴゴという地響きとともに俺の背後に黄金でできた都市が出現した。

…え?いやどうなってんの?行き止まりの壁だったはずなのに完全に都市が具現化してる……?軽く触れてみたけど本物の金っぽい…。フィールド展開型の魔術カード使うとガチで地形変わるってすげぇ…。


「*****************!!!!!???」


ひぎぃ!?あ、『ウシュムガル』出したの忘れてた!てか、何だこいつ!?イラストで見るとめちゃくちゃかっこいい暗黒竜って感じなのに鳴き声ひっどいな!?精神やられそうになるわ!


「ぐうう…あーくっそ…、『古代都市メソポタミア』の効果発動、『11の怪物』と名の付くモンスターの召喚・特殊召喚に成功した時、デッキから召喚したモンスターとは別の『11の怪物』と名の付くモンスターを手札に加える…えーと俺が呼ぶのはお前だ『11の怪物 蠍人ギルタブリル』」


俺が手にしたのはサソリの尾を持つ死神のような男が描かれたカード『11の怪物 蠍人ギルタブリル』。

このカードはフィールドに『11の怪物』が存在しているとき手札から特殊召喚できる効果を持っている。


「ってわけで『ギルタブリル』特殊召喚っと。ついでに効果発動だ!」


『************っ******!!』


流石『11の怪物』とつくだけあるなこいつも『ウシュムガル』に負けず劣らずな精神攻撃な鳴き声してるわ。イヤホンしてたら鼓膜パーンしそうだ。


「っー!『ギルタブリル』の効果は手札のカウンターカードを墓地に送ることでデッキから『11の怪物』と名の付くモンスターを手札に加えることができる」


いやー、こんなに妨害カードが飛んでこないと展開すごく楽でいいわぁ!やりたいこといくらでもできるとか最高かよ!


「俺は手札のカウンターカード『奈落の誘い』を墓地に送り手札に『11の怪物 海魔ラハム』を加えるぜ」


うへぇ、いつ見ても気持ち悪いなこいつうねうね触手が何とも…クッソ強いんだけどな。


「そして『ギルタブリル』が特殊召喚されたことにより『メソポタミア』の第2効果発動!1ターンに『11の怪物』モンスターが2体以上特殊召喚されたとき『メソポタミア』を破壊し手札の『11の怪物』と名の付くモンスターを特殊召喚する事ができる!こいっ!『11の怪物 海魔ラハム』!」


『**********************************************』




ひへええええ、うねうねして気持ち悪いいいいい!!

で、でもこれで条件は揃った。待たせたな相棒。聴かせてやろうぜ世界にお前の産声を!!


「『ラハム』の特殊召喚により効果発動。手札の魔術カードを墓地に送ることによりデッキから別の魔術カードを発動することができる。

……手札の黒魔術『天命の石板』を墓地に送り俺がデッキから発動するのはこのカードだ…。降臨魔術『優しさが招いた悲劇』」


その瞬間、フィールドにいる『11の怪物』たちが一斉に鳴いた、泣いた、啼いた。

俺も彼らに呼応したのか両の目より涙が溢れだす。嗚呼、どうか心優しい彼女にとってこの世界が優しい世界であってほしいという思いを込めて、俺は絶対君を裏切らず此れから共に在らんという願いを込めて言葉を紡ぐ。


『天地鳴動、世界創生。幾多の怪物たちの母よ、幾多の悲しみ、苦しみを絶え続けた女神よ。その涙を川に、その身を大地に変え『世界』を見守る貴方を今ここに顕現せん。……おかえり……っ!降臨アドベントせよ!!!!『大地母神 ティアマト』!!!!!!!!』



世界の時が止まる。



怪物たちの鳴き声は消え、すべてが静寂に包まれる。


降臨魔術『優しさが招いた悲劇』


フィールドにいる『11の怪物』が3体以上存在するときに発動できる。

フィールドにいるすべての『11の怪物』を墓地に送ることによりデッキ・手札から『大地母神 ティアマト』を特殊召喚する。子をすべて失った母は悲しみに暮れ世界は新たな世界を生成する。


『優しさが招いた悲劇』の効果によって『大地母神 ティアマト』の特殊召喚が成功した時、創生魔術『世界創生』を手札、デッキから発動する。


「…」

『________________________________っ!!』



『絶叫』、『世界』に『神』が『此処』に新たなる『誕生』を告げる。


『彼女』が顕現する。


『世界』の亀裂より現れる巨大なヤギのような角。

海のように透き通った蒼い髪、見ほれるようなプロポーション、竜のような尾を持つ長身の美女。

『彼女』…『ティアマト』は今此処に、世界に産声を上げた。



だがしかし、この世界はあまりにも『彼女』には狭すぎる。


だからこその『世界創生』、巨大すぎる『彼女』と共に戦うためのフィールド構築。

銀河の地平から星々の煌めく漆黒の空間、新たなる世界の誕生を今か今かと待つそのフィールドが彼女のバトルフィールド。


創生魔術『世界創生』の効果はシンプルだ。

『大地母神 ティアマト』が存在しているとき、『大地母神 ティアマト』を攻撃対象にできず、また破壊することもできない。そして『大地母神 ティアマト』の権能…効果をすべて使うことができる。




さあ、役者は揃った。





「行こう、『ティアマト』ここからが俺達の初陣だ!派手に決めようぜ!」


『うむ!…………?………主よ。…………ところで、敵はどこじゃ?』


「へ?……………あれ?スライムは?」


すべてが闇に包まれ、星々が煌めく世界の中。そんな中ポツンと転がる小さな魔石……?あれ?


『のう、主。もうすでに戦いは終わっていたのではないか?』


…………………そうでした。まだ一階層の魔物デスモンネ。


「……確認してなかったけど…どのあたりでスライムさん退場してたんだろ」

『……恐らく『ウシュムガル』が召喚された時点で終わっておったろうな?我が子達の召喚余波で何かが吹き飛んだのは見えた……気がするのじゃ』


ごめん、ノリノリで『ティアマト』まで行きたかったから全然気が付かなかった。(てへぺろ)

でもせっかく『ティアマト』降臨させたしもったいないよなぁ。


「じゃ、じゃあこのまま一階層制覇しようか!」

『………妾が顕現した段階で此の階層の魔物は殲滅されてしまったようじゃな。

地上にも下層にも影響はないみたいじゃが、どうにも決闘デュエルが始まった段階でこの階層全域に結界のような物が張られ、妾の力の影響はその範囲内だけに留まったようじゃ』

「えー…………」



な、なんだ?この不完全燃焼感!まさか覚醒した『決闘者デュエリスト』がこんなに規格外の『スキル』だと思わなかった…。


「……どうしよ、この状況??」



俺の困惑を多分に含んだ独り言に応える者もなく、空しく響いていくのであった。










この日、東京第32ダンジョン(通称浅草ダンジョン)は一階層の魔物が消滅し魔石だけが転がるという謎の現象が確認された。

世間はダンジョンの異常事態か!?と連日マスコミが大忙しで走り回っていたが結局原因不明のまま日常は流れていく。







これはとある『決闘者デュエリスト』の戦いの軌跡である。

お読みいただきありがとうございました!

思い付きと勢いだけで書いた作品ですが楽しんでいただけたら嬉しいです!


今後の作品作りのモチベーションになりますのでよろしければ評価、ブクマ、感想等よろしくお願いします!

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