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「……ふう。まあ、こんなところか」

 トキヤは今、開かれたコンテナが散乱している砂漠の上にいた。

 敵前線基地の占拠後、すぐに首都から戦闘用ではない特殊なJDが送られてきた。彼女たちは、敵前線基地を一時的な拠点にするため、通信設備や防衛機能の改良を行うJDであり、その道のプロフェッショナルである彼女たちの邪魔をしては悪いと考えたトキヤは自分の仕事をするために、サン、バル、カロンの三人を基地の防衛に残し、ある場所へと向かった。

 その場所というのが、ここ。基地からの脱出後、拠り所にしていた避難用の小型施設である。

 トキヤは小型施設の周辺に投下されたコンテナに残っている敵前線基地攻略の際に使わなかった武装をチェックし、使えそうなものを基地に持って帰ろうと思ったのだ。

 そして、その仕事が一段落したトキヤは青い空を眺め、ぼんやりと物思いに耽った。

「……最初は身投げ同然のつもりでこの地に来たが」

 変わったな、俺も。と、トキヤは苦笑し、そして、今の自分の思いを確かめる。

 ……俺は、アイリスやJD達の行く道をこれからも見続けたいと思っている。いつかは必ず消える命だが、俺の足がこの大地に立ち……。

「――――トキヤくーん! そろそろ帰ろー!」

「――――ああ、今行く」

 ……あいつらが俺を必要としてくれる限りは、な。

 そして、トキヤは砂漠の上を歩き出す。

 砂漠の上では、足跡なんてすぐに消えてしまうけれども、トキヤは足跡をつけ続ける。


 前へと進むために。


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