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その日一日中、ロイドとアリアス夫人の執事は今回の一件に際する証拠作りに励んだ。

晩にある、アリアス一族の食事会にて夫人の横暴を暴露するためだ。

ロイドは一所懸命で、執事もまた、一所懸命だった。昼過ぎに始めた作業は夕方までかかったが、これはかなり早い方である。

何故なら、夫人は自分の執事に仕事を丸投げしていたため、ほとんどの情報や資料は執事が所持していたからだ。

ロイドは、自分に協力してくれた夫人の執事に対して心から感謝した。これで、重税に苦しむガイヤ村の住民たちを解放することが出来るし、フランソワの無実を証明することが出来るからだ。






「そういえば、母は例のルビーの指輪を、本当に紛失したのですか?」







「ルビーの指輪ですか。こちらについてきてください」






執事は多く語らず、ロイドを宮殿のとある一室に案内した。そこはアリアス夫人の部屋だった。執事はズボンのポケットからカギを取り出し、ロイドを招き入れる。

何か、ルビーの指輪についての秘密がここに眠っているのだろうか。







「ここでございます」







宮殿の中の部屋にしてはさほど広くない一室の真ん中の、あまりの存在感を放つ金庫を指差した。

執事は再びカギを取り出し、金庫を開ける。

するとそこには、なんとルビーの指輪があったのだ。






「……」








ロイドはさほど驚かなかった。というより、ほっとした。というのも、フランソワが指輪を盗んでいないということは、とっくのとうに分かっていたからだ。むしろ、アリアス王家の象徴である大切な指輪が、夫人の一存によってどこかに売られてやしないかと心配していたくらいだったのだ。

ロイドは無言でルビーの指輪を手に取り、大事に自分の胸ポケットにしまった。







「こんなことまで、教えてくれてありがとうござます。アリアス家の人間として、感謝します」






ロイドの感謝に、執事は恐縮しきっていた。












その頃フランソワは、自宅でナタリーと一緒に僅かばかりの食事をとっていた。






「お母様、私の分も召し上がって」






「ダメよ、あなた若いんだから、しっかり食べなさい」





「いいのよ、そのうちロイド様が私の無実を証明して、私たち市民を解放してくれるわ。それまでの辛抱よ」






「そ、そうね…あぁ……!ロイド様!感謝!」







ナタリーは両手を合わせた。今、少ないながらもふたりが食いっぱぐれなく食事をとれているのも、全てロイドの支援あってのことだ。

ナタリーはロイドに、感謝してもしきれない思いでいた。それはフランソワもまた、同じことだった。

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