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水の精霊にTS転生!   作者: アリエパ
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泥水のような

 そろそろ狩りの準備をしておくか。

 泉に身を隠して気配を殺しす。できるだけ遠くまで、限界まで薄く遠くまで霧を飛ばして動物を探す。しばらく獲物を見繕って、衝動が来るのを待っていると、何か引っかかった。ん?大きいな、これは…人?何か話しているな。霧をもう少し多く飛ばすか。気づかれないように慎重に…


「おい、本当に聖域に入って大丈夫なのか?」


「仕方ないわよ。族長の命令なんだから。動物が最近減ってるのは確かでしょ。」


「しかし本当に何かいるのか?森の主さまが眠る地だぞ。魔獣はおろか悪魔ですら近寄れない。強力な魔力なんて、気のせいなんじゃないか。むしろ俺たちが祟られてしまうかもしれん。」


「命令されたんだから仕方ないの。何度も言わせないで。」


 人?何語なんだ?いや、しかも日本語じゃないのに何故か理解できるぞ?

 ああ、それどころじゃない。だんだん近づいて来るな。


「おお、これが泉か。しかし…本当に動物が少なくなっているのだな。泉の周囲は生命の宝庫だと、長老連中は言っていたが。」


「ねえ、それよりも泉に何か感じない?」


 気付かれた!?水と一体化しているのに!


「うーむ、如何に聖域とは言えこれ程の力があるとは。異常だ。」


 あちゃー、そうだこれ全部吸収済みの水だった!ただの水とは違うのか…


「一度帰って報告しましょうよ。」


 ヤバいヤバい、どうしーーーあっ、衝動きた。


「そうするか。念のため為に水を採取しと「きゃあ!」おいどうした!!何!?消えた!?」

 

 水を取ろうと男が身を屈めた瞬間に、女の方を泉に落とした。波を一切立てず、静かに。


「ゴボゴボゴボ…」


 水面を微妙に凹凸させることで、上から見てもわからないように細工する。暴れるものだから、鼻や口から強引に水を入れて肺を浸水させる。

 だいぶ大人しくなった。さて、残りもやるか。


「ブルクー、返事をしろー。ブルクー。クソ!何があったんだ。」


 ああ、この人ブルクって名前なのか。まあ、どうでもいいや。

 さてと、どうするか。矢を構えて、すごい警戒されてるな。物理攻撃効くのか?試してみたいが、そんな場合じゃないな。逃げられたら厄介なのはいつも通り。女の方を人質にする?いや、二人の関係性がわからない以上、確実ではない。囮にして注意を引くか。

 男が後ろを見た瞬間


 ザバァ


「ウオッ!おお、おい!無事か!?」


 岸辺に女を打ち上げる。無防備に助け起こそうとしたところで、二人まとめて引き摺り込むんだ。

 先程と同じ手順で大人しくさせて、首にウォーターカッターを打ち込む。貫通して血が一気に溢れ出したところで、指を這わせ、吸収する。


「ほー。生き返る〜。」


 味が良い悪は今ばかりは気にならない。幸せを噛みしめる。

 今度から血を吸う時は、衝動が来てからにしようかな。ほぁー、眠い眠い。

 目覚めた。


「おー。耳が長い」


 死体をよく見たら耳が長かった。ファンタジーの定番、エルフか。


「はあ。やっぱり変な感じ。」


 血を吸う時は感じなかったが、目覚めたらわかってしまう。後味というか、尾を引くと言うか、なんか違うんだよなあ。

 まあ贅沢は言ってられない。ミイラみたいになった死体をいつも通り穴に埋めた。服とか弓矢、ナイフは勿体無いから、泉の底にでも保管しとくか。

 体の方は、、、変化なしか。やっぱり成長してからじゃないとダメなのか。


「あ、人 殺しちゃったのか。」


 今更気がついた。と言うか動物の生き血を啜るのもかなり酷いことだったな。でも


「渇くんだから、仕方がないか。」


 気にしてもしょうがないし。


~~~~~~~~~

 進化には至らなかったとは言え、だいぶ力が増したな。操れる水は7千Lに達し、20mまで操れるようになった。水温は相変わらず変えられないけど。

 技のレパートリーも増やした。

 【ボム】水球を投げつけ、一気に破裂させて無数のウォーターカッターを炸裂させる。防御力の高い動物も、口の中に投げ込めば頭が弾けとぶ。血が飛び散るのが勿体無いけど。

 最近は吸収だけで殺す実験もしてるけど、うまくいかない。まず傷口に体を接触させないとだめで、元気なうちは全然吸い込めない。意識不明の重体まで弱らせないと、うまく吸えない。生き物の抵抗力というやつだろう。ぼんやり考える。そう言えば


「エルフ来ないなー。」


 やっぱり殺したのはまずかったかな?あれ以降まったく音沙汰がない。

 色々質問があったんだだけど。

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