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戦士見習いA 序章
戦士見習いA
太古の世界からこの名は忌むべき名とされていた。
どの戦場にも現れ
どの戦場にも葬られ
どの戦場でも尊ばれない
私もそんな戦士見習いAだった。
王立軍から初めて依頼を受け、
依頼者の元に向かっている途中の森で、
はぐれオーク襲われ気を失った。
気が付いた時には着る物も奪われ、
ご丁寧に全身に落書きをされていた。
「余程ファンキーなオークだったんだな」
それしか言葉が出なかった。
こうして私は、
戦士見習いAから変質者Aとなった。
「呆然としていても仕方がない」
オークが置いていったのであろう、
腰を覆う程度の湿った布と刃こぼれした剣を身につけた。
近くに地図が落ちており、
その地図によれば、近くに村があるらしい事が分かった。
どう考えても罠である事は明らかだが、
ファンキーなオークに襲われ、
オークと同じ格好している私に正常な判断は出来る訳もなく、
導かれる様に『ルーリエ村』という怪しい村に向かうこととなった。