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ぷろろおぐ

 おれの名は節原一兄。平安生まれの稀男さ。

 節原家は京の都で剣術の道場的なものを営んでおり、おれは数え年じゃない方で十五の歳にはその門下生の中でいっとう強かった。

 その腕を買われ貴族、柰楼小路家の護衛として仕えていた。

 しかし貴族というのは猫と赤子とシェフの次に気まぐれなもの。ある日おれは家長である座間味呂公にまさに気まぐれに、

「庶民臭い奴は追放じゃ!」

 と言われ職を解かれてしまった。

 そう、おれは庶民の出。男子の生まれなかった節原家に養子として迎えられた身。

 庶民臭がためにこの剣の腕ごと否定されたおれは絶望し、身分の差を埋めるほどの力を付けるために山に籠り修行することを決めた。

 節原家の一人娘で血の繋がらぬ妹といつかの再会を約束し家を出た。

 霊験あらたかな山で、ただひたすらにやみくもに。それはまさに精神と時の修行。

 どれ程の時が過ぎたかわからない。

 そろそろ人権団体の人たちが生まれて集まって活動し、身分による差別のない世の中になったかな? と思ったおれは修行を終え、山を降りた。

 ……これはなんとしたことか、おれの知る京の都はそこにはなく、鉄の獣が石の道を走り、木の家は見当たらず、けったいな格好の民がそこかしこを歩き回り……ぶっちゃけ凄く時代が進んだような光景となっていた。

 平安の世はどこに? 令和とはなんぞや?

 

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