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第35話:不夜城の矜持(震える大地と、繋がる道)

それは、深夜営業の短縮が進み、王国が静かな眠りについていた時に起きた。

大地が咆哮を上げ、王都を未曾有の大地震が襲ったのだ。

1. 「意地でも店を開けろ」

王宮すらパニックに陥り、街中の商店が略奪を恐れてシャッターを下ろす中、ケニーは49歳の老練な直感で、即座に全店舗へ魔導通信を入れた。

「全店長へ告ぐ。店を開け続けろ。棚にあるものはすべて定価で売れ。一セニーも値上げするな。……今、店に明かりがついているだけで、救われる命がある」

中身は49歳のオーナー。 震災のたびに、地域住民がコンビニの明かりを見て安堵する姿を誰よりも知っていた。 20代の若い肉体を極限の緊張が貫く。

2. 物流の真骨頂

「道が崩落した? 構わん、飛竜ワイバーンを使え! 転移門ポータルが不安定なら、馬車を連ねて泥の中を突き進め!」

ケニーが構築してきた物流網は、この時のためにあった。

輸送を担うドライバーたちは、余震が続く中、命がけでハンドルを握り、手綱を引いた。

「俺たちが荷を止めれば、街の食糧が尽きる」

現場のドライバーたちの誇りが、寸断された王国を繋ぎ止めていた。

3. 現場で戦う店長たちの姿

ある店では、店長が店内の片付けもそこそこに、レジに立つスタッフを鼓舞していた。

「いいか、俺たちはただの店員じゃない。この街の最後の希望だ」

略奪に怯える住民たちに、いつも通りの笑顔と、いつも通りの定価で商品を渡す。 その「日常」の継続が、パニックを鎮める最大の魔法となった。

4. ソラリスと「不夜城の明かり」

ソラリスは、停電した街の中で、自らの魔力を振り絞って店舗の看板に光を灯し続けた。

「パッカーン! 皆様、ここに来れば大丈夫ですわ! 温かいスープがありますわよ!」

暗闇に浮かぶコンビニのロゴ。

それは、王家でも神殿でもない、名もなき店員とドライバーたちが作り上げた、王国で最も頼もしい「不夜城」だった。

49歳のケニーは、泥にまみれた配送トラックを迎え入れながら、震える手でドライバーの肩を叩いた。

「……ありがとう。よく届けてくれた」

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