第24話:経済用語パッカーン!(王女の脳内ハイパーインフレ)
ケニーにお尻をぺんぺん(お仕置き)された衝撃で、ソラリスの中で何かが決壊した。
彼女の脳内では、ケニーから教わった「経済知識」と「むっつりな欲望」が複雑に絡み合い、もはや制御不能のエネルギーとなっていた。
1. インフレ・パッカーン!
特使たちの前で、ソラリスは机を叩いて立ち上がった。
「皆様、今の世界は『刺激』が足りなすぎますわ! もっとこう、情熱を! 供給を! 溢れんばかりの愛を市場に流すべきなのです!」
彼女の頭の中で、「インフレ・パッカーン!」という音が響いた。
「いいですか、これからはハイパーインフレ・パッカーンですわ! 私のケニー様への想いと同じく、通貨の価値がゴミ屑になるまで、ありったけのポイントを発行して世界をピンク色に染め上げるのです!」
特使たちは泡を食った。「王女殿下、それは経済が破綻します!」
2. デフレ・パッカーン!
「黙りなさい! 反対する者には、デフレ・パッカーンを執行いたしますわ!」
ソラリスの瞳が冷たく光る。彼女の脳内では、デフレ=「ケニー様が冷たくなること」という独自の解釈が成立していた。
「市場をキンキンに冷やし、需要を凍結させ、皆様を私の足元に跪かせて差し上げますわ! ああ、冷遇されるのも……それはそれで『デフレ・パッカーン』な悦びがありますわね……っ!」
頬を赤らめ、身悶えしながら経済制裁を語る王女。その姿は、高潔な姫君というより、経済用語を呪文のように唱える「パッカーン状態」の暴走機関車だった。
3. 国王の物理的シャットダウン
「ええい、もう見ていられん! このバカ娘がーーーっ!」
会議場の窓を突き破り、王冠を投げ捨てた国王が空中を舞った。
「ソラリス、用語の使い方がめちゃくちゃだ! 目を覚ませ!」
国王の渾身の「親父の飛び蹴り」が、演説台で「パッカーン!」と叫び続けていたソラリスの横面に炸裂した。
「ひゃんっ! ……デ、デフレ……パッ、カ……」
ソラリスは白目を剥き、そのまま力なく崩れ落ちた。
4. ケニーの事後処理
静まり返った会議場で、ケニーは深いため息をつきながら、特使たちに向き直った。
「……すまない。うちの妻の『脳内在庫』が一時的にオーバーフローしたようだ。今の発言はすべて忘れてくれ。……ただし、彼女が言った『経済統合』の数字自体は、実は合理的だ。続きを始めようか」
国王に蹴り飛ばされた妻の姿に、ケニーは49歳の魂で苦笑した。
「パッカーン、か。……あのパンチライン、次のセールのキャッチコピーに使えるかもしれないな」




